みんなの書評

さんの書評2018/02/23

β-グルカンが好中球を活性化し、細菌やガン細胞が除去される、ということらしい

サプリメントの効果について、いろいろ調べているなかで手に取った一冊です。
本書は、β-グルカンという名前で知られている食物繊維の効果について、いろいろな研究結果を紹介したもの。
ざっくりといえば、β-グルカンが好中球(顆粒球のひとつ)を活性化するので、有害な細菌やガン化した自己細胞の除去に効果がある、ということらしいです。
β-グルカンはキノコや酵母などの細胞壁を構成物質で、そんな分子量のおおきなものが腸壁をどうやって通過するのかにも興味があったのですが、やはりパイエル板のM細胞がエンドサイトーシスで取り込むとのこと。
一般には「食物繊維は消化されないので体内には取り込まれない、栄養素にはならない」とされていますが、そう単純なことでもないとわかったのが収穫でした。
ひとつ気になったのは、β-グルカンが顆粒球を無条件に活性化するとなると、顆粒球過多が原因とされる疾病、たとえば関節リウマチや胃潰瘍、痛風、白内障、クローン病などは症状が悪くなるのではないか、という点です。
顆粒球は54~60%が適正な割合だと聞きますが、β-グルカンを摂取し続けても、60%を越えてまでは増えないような仕掛けが別にあるのでしょうか?
そこがちょっと気になりましたが、総じて研究者が執筆したとても真面目な内容で、売らんがための誇張もなく、信頼は置けると思います。

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さんの書評2018/02/17

なるほど、これが反知性(主義)か、と思った

ある種の絶望感を含んでいるタイトルに興味があって手に取った。
しかし、昨今TVや新聞を賑わす「冷たい」出来事は縷々つづられているが、「正体」についての考察はほぼ、ない。
たとえば、イスラム国の取材中に拘束されて殺害されたジャーナリストについて、世論が冷たい反応をした件。
日本の世論が「そんなところに行く奴が悪い」という冷たい反応だった、と指摘はしているが、なぜ、日本人がそういう反応になってしまったのかは論証がない。
(ちなみに、そういう冷たい反応だけではなかった、とぼくは記憶している)
ほかにも、なんの証明もなしに東條英機は自決しなかったので卑怯者だといい、大正時代がいちばんよかったという。
東條英機なんて、自ら恨みを持っているはずもなく、会って話をしたこともない歴史上の人間のことを、どういう料簡で非難する(批判ではない)必要があるのか、その意味がわからない。
あなたにはなんの関係もないだろう、と思う。
利害関係がなくてもどうしても批判したいモチベーションがあるなら、徹底的に調べつくして、瞼の裏に本人をすえて非難すべきではないか。
著者が東條非難の唯一の根拠とした「生きて虜囚の辱めを・・・」のくだりは、言葉の裏に別の意味、解釈がある。知らぬはずはなかろうが・・・
また、大正時代が素晴らしい、というのも、別に「好き」はかまわないが、平成の最後の今よりも「良い」というなら根拠がいるだろう。しかしなんの論拠も提示されない。
大和和紀の「ハイカラさんが通る」のファンタジックなイメージが現実だったならいいんだが、大正、昭和はまだ東北地方は冷害による飢饉で苦しんでいた。
婦女子の身売りも茶飯事だったとの記録が多数ある。
そしてそれが二・二六事件から太平洋戦争までシームレスにつながっていった。そのことを知らぬはずもないかろう。
仮説の裏付けをしない単なる印象論という意味では、著者が批判するTVのコメンテーターとなんら変わらないと思う。
ちゃんと裏をとらず、第一印象の好き嫌いをそのまま善悪の価値判断に転換する。
最近はやりの「反知性主義」というタームを(懐疑的に)調べているが、なるほど、これが反知性(主義)か、と思った。

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さんの書評2018/02/16

人体のいろいろな場所で起きる痛みの原因を快刀乱麻ですっきりと説明

背骨コンディショニングについてまとめてあたったなかの一冊。
具体的に紹介されている方法は4つの体操(ストレッチと筋トレ)で、方法自体はシンプル。
表紙に、ぎっくり腰、坐骨神経痛、膝痛、すべり症、脊柱管狭窄症などたくさんの具体的な病名が記されているが、個別の対処方法はない。
著者独自の「神経牽引説」をもちいて、これらの病気の原因が「背骨のズレ」に起因することを説明していて、ここが本書のハイライトだ。
神経牽引説は、神経が圧迫されるからではなく、ズレて引っ張られるから痛むのだ、というシンプルな原理。
おおくの病気は骨や筋肉、関節自体の不具合ではなく、そこにつながっている神経が引っ張られるために起きている「神経痛」だ、というのである。
人体のいろいろな場所で起きる痛みの原因が快刀乱麻を断つがごとくすっきりと説明されていて、こういう「目からウロコ!」感はほんとうは注意しないといけないのだが・・・
ぎっくり腰はなぜ、くしゃみや咳みたいな小さなきっかけでいきなりくるのか。四十肩、五十肩はなぜ40代から50代で発症し自然に治るのか。
こうした素朴な疑問にも明快な答えが用意されていて、たいへんに説得力があり、魅力的な説だ。
あとは、これでほんとうに治るのか、治らない人はどのくらいいるのか、事故はないのかあたりが気になるところだ。
もう少し調べてみたい。

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さんの書評2018/02/14

「あることは間違いないが、効果は弱く、しかもいつも得られるわけではない」が結論

サブリミナル効果を謳っているヒーリング音源について調べていて手に取った。
1999年時点でのサブリミナル効果についての社会学的、心理学的研究の状況をまとめ、解説を加えた論文集である。
結論としては、視覚系のサブリミナルについては効果は「あることは間違いないが、効果は弱く、しかもいつも得られるわけではない」というもの。
音声サブリミナルについては、過去のいろんな騒動(ビートルズやレッドツェッペリンの楽曲にサブリミナルメッセージが入っていたなど)についての記述があってそこは参考になったが、音声サブリミナルがメッセージとしてちゃんと伝わるのか実験したという論文はひとつもなかった。
音声サブリミナルは、聴こえないほど高い音、低い音、小さな音、逆回転などでメッセージを埋め込むという手法だが、レコードや磁気テープなどアナログ音源ならともかく、普通のデジタルCDには可聴域外の音はそもそもカットされて入らない。(しかもそれを再生できるヘッドホンやスピーカーもおいそれとは売っていない)
逆回転にいたっては、言語ですらない。
なので実験結果があるならそれを知りたかったのだが、残念ながら、サブリミナル効果を謳っているヒーリング系の音源については特段の根拠は得られなかった。
本書から20年近く経過して脳科学が格段の進歩を遂げているので、そちらの観点からの知見にもあたってみたい。

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さんの書評2018/02/13

BS-POPという自己チェックが実践的で役に立つ

慢性の腰痛は腰の機能障害ではなく、脳のDLPFC(背外前頭前野)の機能低下が原因である、という説をもう少し詳しく知りたくて手に取った。
福島県立医科大学が取り組んでいる腰痛の認知行動療法を紹介したもので、BS-POPという自己チェックが実践的で役に立つ。
脳内の痛みを抑える機能には、脳内モルヒネ、下行性疼痛抑制系、ドーパミンシステムがある。
これらの機能が正常に働いていれば、痛みの原因(怪我だとか病気だとか)がなくなれば痛みも消える。
しかし、ストレスや不安、うつがあると、これらの機能がうまく作動しなくなり、痛みの原因がなくなっても、痛みの感覚だけが残る。
これが、脳の機能障害による慢性痛のしくみ、だそうだ。
お目当てのDLPFCの説明はなく、生理学的なメカニズムについてはなんとなくイメージが把握できる程度で、やや不満が残る。
とはいえ、治療成果もあげているようだし、NHKスペシャルでは、慢性腰痛の60%はこの認知行動療法で劇的に改善するとの報告だったので、慢性腰痛に苦しんでいる人は自己チェックをしてみて、脳の機能障害が疑われるようなら福島県立医科大学を受診してみる価値はあるように思った。
生理学的メカニズムについては、さらに他をあたってみたい。

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さんの書評2018/02/12

ひょっとすると「反知性」は人間の根本的にダメなところに根差しているのかもしれない

反知性主義、ってなんのことだろう?と何冊か手に取ったなかの一冊。
内田樹氏が音頭をとって、10名ほどの論客(=知性主義者?)が「反知性主義」について寄稿した論文集だ。
この言葉の意味はもちろん、この言葉で批判する対象も人それぞれなので、わりとターゲットはふわっとしている。
そのせいか、反知性と反知性主義はたぶん違っているのだが、それがあまり区別されていないように思う
主義というからには自覚的であることが必要で、たとえば演説においてあえて理でなく情に訴えて大衆を操作しようとする政治家は「反知性主義者」と言えるが、反知性という属性を(たぶん無意識のうちに)持っているのは操作される大衆の方だ。
とすれば「反知性」を批判されるべきは大衆の方だと思うが、全体にそういう文脈ではない。
また、ひとを知性から遠ざけるのは情動だけではない。むしろ、より強く知性と反発するのは利(=欲に目がくらむ)であろうと思うが、その点についての指摘はなかった。
知性=価値あるもの、という立場からの論説なので、知性的でないもの=感情的な態度、功利的な態度への批判はどうしても上から目線になる。
寄稿者のひとり、高橋源一郎氏もそこを指摘していたが、ぼくもその点がいちばんしっくりこなかった。
そういえば、仏教で三毒といわれている「貪瞋痴」に、欲(=貪)、怒り(=瞋)とならんで「痴」が入っていることを思い出した。
反知性というのは、いうほど簡単なものではなく、何千年も前から人間の根本的にダメなところに直結している、ということなのかもしれない。
内田樹氏は、「知性というものは、個人においてではなく、集団として発動するものだ」と書いている。(p22)
ひょっとすると、「知性」には記述できるような具体的な中身はなくて、痴に陥らないよう自己(あるいは社会)を律しようとする態度こそを「知性」というのかもしれない。
うすぼんやりとだが、そこに思いが至ったのが本書を読んだ収穫だった。

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さんの書評2018/02/11

コラーゲンがエンドサイトーシスで消化されずに取り込まれる可能性があるとは驚いた

コラーゲンやグルコサミン、コンドロイチンなど分子の大きなサプリは胃や腸で分解されてから体内に吸収されるので摂取しても意味はない、という話を信じていたが、本書を読んでびっくり。
・グルコサミンは単糖類なのでそのまま吸収される(p42)、
・Ⅱ型コラーゲンは構造が熱で変性していないもの(=非変性)に限り、そのままの形で取り込む(p107)
とある。
Ⅱ型コラーゲンはパイエル板が抗原として認識し、エンドサイトーシスでリンパ節内に取り込む。
取り込まれた非変性Ⅱ型コラーゲンが免疫応答を抑える制御系T細胞を誘引し、結果、膝軟骨のコラーゲン分解を止める、ということらしい。
年をとって軟骨がすり減り痛みがでるのだから軟骨の主成分Ⅱ型コラーゲンを摂取して増やそう、ということだと思っていた。
が、そうではなく、Ⅱ型コラーゲンの経口摂取が腸管免疫に働いて過剰な免疫反応を抑えるという説である。
まだ人体で証明されたわけではないらしいが、関節リュウマチにも効くということなら、おおいに信ぴょう性はある。
ポイントは「非変性」というところだ。
Ⅱ型コラーゲンは鶏の胸部軟骨(=いわゆるヤゲン)に多く含まれるらしいが、たいていはよく焼いていて生で食べたことはない。
生でも食べられるものか、ちょっと調べてみたい。
ともあれ、コラーゲンがエンドサイトーシスで消化されずに取り込まれる可能性があることを知って、たいへん勉強になった。

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さんの書評2018/02/04

やり抜く力 GRIT―人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける
ベストセラーであり、内容は確かに腑に落ちる部分が多い。
しかし、この本の幹となるのは色々と実用書やビジネス書に様々な言葉で語られている成功の秘密やその実体を”GRIT(やり抜く力)”と言葉で定義し、リフレーミングしている部分であろう。

以下に一部を抜粋する。
「我々の虚栄心や利己心によって、天才崇拝にはますます拍車がかかる。天才というのは神がかった存在だと思えば、それに比べて引け目を感じる必要がないからだ。『あの人は超人的だ』というのは、「天賦の才を持つ人」を神格化してしまった方が自分の尊厳が守られるのだ。
ニーチェは偉業を達成した人々のことを「天分だの、天賦の才だの言って片づけないでほしい。才能に恵まれていない人々も、偉大な達人になるのだから。偉人たちは努力によって偉業を成し遂げ(世間の言う)”天才”になったのだ。」

「スキル」と「成果」の違い
努力をしなければ、たとえ才能があっても宝の持ち腐れ。
努力をしなければ、もっと上達するはずのスキルもそこで頭打ち
努力によって初めて才能はスキルになり、努力によってスキルが生かされ、さまざまなものを生み出すことが出来る。

『何度やってもダメだったら、ほかのやり方を試すこと』

成熟した「やり抜く力」の鉄人たちに共通する4つの特徴
1.<興味>自分のやっていることを心から楽しんでこそ「情熱」が生まれる。自分の仕事の中で、あまり楽しいとは思えない部分をはっきりと認識しており、多くの人はちっとも楽しいと思えないことも、少なからず我慢していた。とはいえ全体的には、目標に向かって努力することに喜びや意義を感じていた。だからこそ尽きせぬ興味と子供のような好奇心をもって「この仕事が大好きだ」と言える。
2.<練習>自分の弱点をはっきりと認識し、それを克服するための努力を日々繰り返し、何年も続けなければならない。「何が何でも、もっとうまくなりたい!!」
3.<目的>自分の仕事は重要だと確信してこそ、「情熱」が実を結ぶ。多くの場合、一つのことに興味を持ち続け、何年も鍛錬を重ねたのちに、「人の役に立ちたい」という意識が強くなるようだ。
4.<希望>困難に立ち向かうための「粘り強さ」だ。様々な挫折を経験して、打ちのめされる。そのたびに立ち上がり、「やり抜く力」を発揮するためには希望をいつも持ち続けなければいけない。

「好きなことを仕事にする」は本当にいいことである。
第一に、人は自分の興味に合った仕事をしている方が、仕事に対する満足度がはるかに高い。
第二に、人は自分のやっている仕事を面白いと感じているときの方が、業績が高くなる。
なにをするにしても、その人がどれくらい成功するかを左右する「決定投票」は、その人がその仕事を「どれだけ切望し、どれだけ強い情熱と興味を持っているかにかかっている」

子供は教わるのは苦手だが、マネするのは非常に得意である。

子供の育て方は「優しい育て方」と「厳しい育て方」はどちらか一方しか選択できないようなものではない。「愛情ゆえの厳しさ」について、「愛情をもって子供の自主性を尊重する」か、「断固たる態度で親の言いうことを聞かせる」か、その二つの間の妥協点を探ることだと考えるのは間違っている。
「何をするべきか」「どれくらい努力すべきか」「いつならやめてもよいか」など重要なことは、必ずしも子供に判断を任せなかった。

自分の子供の「やり抜く力」を引き出したいなら、まず「自分が人生の目標に対してどれくらいの情熱と粘り強さをもって取り組んでいるか」、次に「子供が自分を手本としたくないような育て方をしているとおも

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さんの書評2018/02/04

戸籍や法律から性別を削除しても、別に困らないような気がしてきました

タイトルを見て、???と思って読んでみました。
著者はLGBTについての発言でネットでは著名人とのこと。本書はブログに加筆編集したものだそうです。
タイトルの「ハッピーエンド」というのは恋愛における結婚のことで、「殺されない」というのは結婚という価値観あるいは社会のルールに縛られて自分らしさを失わない、という意味です。
著者はLGBTを公言していてそもそも結婚というのが大きなハードルになっているうえに、さらに最近、離婚したとかで、ずいぶん叩かれたそうです。
ぼくはLGBTの人の生きにくさというのはわかりません。
が、LGBTに限らず、社会の王道、常識、ルールからはずれると、大なり小なり未舗装のけもの道を歩かないといけなくなる。
それが自分で選択したものならともかく、LGBTの場合は生まれてきた時からけもの道を歩かざるを得ない。
その疎外感というか無価値感というか、自尊心が育つ環境にいない感覚は、経験したひとでないとわからないんだと思います。
最初これを読んだ時、自分のことばかりでこの社会を維持することへの責任をどう果たしていくつもりなのだろう、と思いました。
たとえば、年金は世代間互助のしくみですが、同性婚ばかりになると子供が生まれないので、この社会制度への責任は果たせなくなる。
村人100人全員が同性婚なら、年を取った時に誰も支え手はいないわけで、それならそれでいいんですが、実際にはそうはならない。
他人が生んだ子供たちの世話になるわけです。
が、読み進んでいくうちに、LGBTの人たちはそれ以前に社会にちゃんと混ぜてもらっていないところが問題なんだとわかりました。
同性婚をすると子供が減って年金が破たんするとしたら、それは同性婚を選択した人たちのせいじゃなくて、社会設計のせいですね。
しかし、これはほんとうに難しい。
性別は男と女だけはないという前提で、いちから社会制度を設計しなおさないといけない。
「ホンマでっか!?TV」の池田先生が言ってましたが、男と女は生物学的にもシームレスだそうです。
そういうことなら、あらゆる法律から性別を削除するのがいちばんいいんでしょう。戸籍やなんやかやも含めて。
うーん、それでも別に困りはしないような気がしてきました。それに気づいたのが本書を読んだいちばんの収穫でした。
法律の書き換え作業でお役所は大変でしょうけど・・・。

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さんの書評2018/02/02

痛みの原因は神経が圧迫されることではなく牽引されることである、という説が興味深い

健康雑誌で背骨コンディショニングを知って、数冊あたっている。
本書はとくに首に焦点をあてたメソッドの紹介である。
頸椎のズレやねじれによる神経の牽引(圧迫ではない)が痛みの原因である、というのが背骨コンディショニングの理論的柱のひとつ。
この説に従えば、これまで疑問に思っていたたくさんのこと、たとえば痛いほうに曲げるとどうして痛いのか(筋や腱は緩んでいるはずなのに・・・)とか、数々の素朴な疑問が、まるで霧が吹きはらわれるようにクリアになるのがたいへん興味深い。
ただ、第1、第2頸椎のズレ、ねじれについては矯正のためのストレッチと筋トレが紹介されているが、第3~6、第7頸椎についてはそのための方法がとくに提示されていない。
第3~第6頸椎についてはズレ、ねじれのチェック方法すらも省かれている。(別の本には書いてあるのに)
一般向けの書籍では体系的な議論は必要ないのかもしれないが、やや不完全燃焼感は残った。
ちゃんとやるには背骨コンディショニングの体操教室に通って指導を受けたほうがいいが、自力でやるなら2,3冊あたってみてからのほうがいいと思う。

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