みんなの書評

さんの書評2022/05/15

弁護士や裁判官への不満ばかりで肝心の著者の経験談Webサイトもなく参考にならない

# 書評☆1: やっぱり!最後は本人訴訟 | 弁護士や裁判官への不満ばかりで肝心の著者の経験談やWebサイトもなく参考にならない ## 概要 - 書名: やっぱり!最後は本人訴訟 - 副題: - 著者: 住友, 瑞人 - ISBN: 9784434186905 - 出版: 2014-01-08 - 読了: 2022-05-13 Fri - 評価: ☆1 - URL: https://book.senooken.jp/post/2022/05/13/ ## 評価 本人訴訟に興味があり、ページ数が少なく、当事者の体験談として参考にしたいと思って読んだ。 事前にアマゾンのレビューで評価が低かったので心配だったが、事前の評価通りの内容だった。 本人訴訟した理由や、体験談、注意点などを期待して読んだのだが、期待した内容がほとんどなかった。 記載されていたのは、弁護士や裁判官への不満や問題点などをひたすら列挙したもので、具体的な内容は他の情報に譲るとして記載がなく、肝心の体験談の部分もほとんどなかった。 ## 参考 > ### p. 33: 裁判費用の8〜9割は弁護士に支払うお金 裁判費用について記載があった。日本弁護士連合会で「弁護士報酬規定」というのものがあり、民事の場合勝訴額ベースで、着手金が2-8 %、報奨金=4-16 %とのことだった。 > ### p. 36: なぜ、最後は弁護士を立てずに自分の手で訴訟を行ったのか 本書の読者の目的の一つであろう、本人訴訟を行った理由について関連する記載があった。 公式WebサイトのURL (http://riki-hitoshi.jp/courts.shtml) の記載があったのだが、リンク切れで閲覧できなかった。そして、「なぜ、自分で訴訟を起こそうと思ったのか?」という本文内の質問にすら、明確な回答はなかった。弁護士や裁判官に対する文句がこの後書かれているが、著者の明確な理由はなかった。 > ### p. 81: 裁判所の相談センターで添削してもらいましょう 訴状を提出する際は、裁判所の相談センターで添削してもらうことができるらしい。裁判所も予定がぎっしり埋まっているというわけでもないので、応じてもらえるらしい。 ## 結論 本人訴訟の参考にしたいと思って読んだのだが、全くの的外れだった。 Webサイトはリンク切れで、肝心の内容をほとんど知ることができなかった。元々タレントで問題があって本人訴訟を起こしたらしいのだが、今となってはほとんど情報にアクセスできない。何か問題があって閉鎖したのかもしれない。 情報源として参考にならない、時間の無駄な本だった。

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さんの書評2022/04/21

スラスラ読めてクスクス笑えて、コロナ禍で強張った身体と心をほぐしてくれる一冊。

兵庫県宝塚市に、コロナ在宅療養者を救うべく奔走する医師がいます。自宅隔離で閉じ込められた患者や家族、その孤独や不安に寄り添いながら診療するその人は、こだま病院理事長、児玉慎一郎先生。驚くことに、感染防御の重装備なし、マスクもなしで患者に向き合っています。 この本は、医師になるまでの経緯と、メディアでは伝えられないコロナ医療の現実を、先生自ら綴った一冊。専門的な話や固い文章ではないのでスラスラ読める上、ユーモアたっぷりの筆致に、読むほどに強張った身体がほぐれ、気持ちが和らぎます。そしてコロナ禍の出口に向かうにはどうすればいいのか、先生の真っすぐな言葉の数々がストレートに伝わり、胸が熱くなってきます。途中数か所あるQRコードから、日課のランニングをしながら自撮りした「走る外科医のつぶやき」の動画が見られるようになっています。 コロナ3年目になっても未だ、大人達の迷走や回り道のために、マスクを外せず自由を制限され続ける子どもや若者たち。未来を担う世代に、これまで何が起きてどうすればよかったのか、これからどうすればよいのか、是非この本を通じて知ってほしいです。 ・・・って、かしこまって書いたけど、とにかくオモロイから読んでみ。

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さんの書評2022/03/282いいね!

アメリカ合衆国は連邦としてパンデミックに対処できなかった

 アメリカがパンデミックに国家として備えていたかどうか。ブッシュが大統領だった時、読んだ本に触発されてプランを作るよう指示しできたそのシナリオはCDC(疾病管理予防センター)にまで渡った。が、政権交代後またなくなった。  結局パンデミックに対して連邦してできることはなく、新型コロナウイルスに対しても勇気ある人々が個人的つながりを使って奮闘しただけ。CDCは論文を書くためのデータをほしがるのみ。  マン渓谷での山火事の事例。7人?中ひとり生還したドッヂさん、(その名のとおり)下から炎が迫る中急峻な崖を登って逃げなくてはならない局面、前方にあえて火を放ちその中へ駆け込んだ。周りの人はその行動の意味を理解せず続く者はなかった。灰の上に立ち彼ひとりが生き残った。火をもって火を制すという方法とのこと。この例をひくほど並外れた科学者たちの活躍が詳細につづられる。  アメリカ合衆国全土を対象にした統一的なデータ集積や対処法についての情報共有システムができていなかったことには驚かされた。けれども、いつ来るかわからないものへの備えにお金をかけることに対して有権者がどう思うかをおそれる為政者の事情も想像するのは難しくない。日本でも似たような構造なのだろう。 『マネー•ゲーム』の著者とのことで、構成がうまくページをめくる手を止められない。実際の悲劇を知るだけに複雑だが、エンタテインメントとしても本書は秀逸。

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さんの書評2022/03/252いいね!

感心するが、心配でもある

お腹をすかせた小学生の姉と弟。働き者だが低所得者の母を支える。私が子どものころにこの本を読んだとしたら、数々の節約おかずレシピとそれを作れる主人公に感心しただろう。それに、がまん強く弟の世話をする姿にも。 けれど、大人の立場で読んでしまうと、どう考えても、このままで事態が好転するとは思えない。それに、お母さんは現実に生活保護を受給している知り合いのことをよく思っていないようだから自分から支援を求めには行かないだろう。スーパーで万引きする客を目撃するシーンでははらはらした。もしかしたら、追い詰められた少女が弟のために何か食べ物をとってしまうことになるのか?と。 お母さん以外に関わってくれる大人がいれば、と思う。弟が行く学童で、または、小学校で。 気前よくおごってくれる友人父子はこの家族にとの程度関わるのか? 所得の格差が広がって困窮する母子家庭の一例を描いた本作は、各個人では何ができるか、当事者以外は何ができるか、を考えるきっかけになった。小学生の弟が「なぜ、うちはびんぼうなの?」と問う。1985年から、福祉を家庭に任せるために専業主婦を優遇し、女性が安定した職につけない制度にしたからよ、でも、だんだん男性も安定した職を探すのは難しくなってるの、とつぶやく。

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さんの書評2022/03/16

自分を大事にするって他人を大事にすることにつながる

不覚でした。松田青子さん、児童書も書いていらしたんですね。 大人であれ子どもであれ、うっすらと侮辱されたように感じるけれど、どう反応していいかわからないことってありますね。どちらかというとひかえめで気立てのいい人って、単に自分の暇つぶしの種を探していたり自己顕示の受け手を探している人の餌食にされることが多いようです。 この作品では、小学校という、まだ人間同士の距離の取り方を習得していない人が大半の集団の中で、理不尽に傷つけられながらそれを見ないフリをしてやりすごそうとする少年が、ある種の外部からの励ましを得て、自分を大事にし、自分が不当に扱われているときにはそのことに向き合う生き方を学びます。それが他の子どもたちにも波及し、よりお互いを尊重しあえる関係へと変わっていきます。 主人公に力を与えてくれるストーリーにマジカルな絵がさらに魅力とパワーを与えています。 この春、甥の娘ちゃんが小学校へ入るので何かプレゼントを、と思っていたのですが、ここ淡窓図書館児童書コーナーでよいものを見つけることができ、感謝しています。

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さんの書評2022/03/11

著者のバーチャル美少女ねむさんにきいてみる

発売前にあらかじめ原稿を読ませていただいた上で『メタバース進化論』著者のバーチャル美少女ねむさんにお話をききました。 ききて:深水英一郎 ──ねむさん、よろしくおねがいします。『メタバース進化論』はどんな本なのか教えてください。 【バーチャル美少女ねむ】  よろしくお願いします。この本は、メタバースに興味を持った幅広い読者の方を対象に、現在のメタバースの真の姿、そしてその革命性をわかりやすく伝える「メタバース解説書の決定版」を目指して執筆しました。 メタバースの原住民である私の実地調査と、1200人の原住民を調査したアンケート結果を基に、かつてないメタバースの「リアル」をお届けします。 ──ねむさんとしては、本書のどこに注目して欲しいですか?  ブーム以来、投資目線でメタバースが注目されて、様々な思惑や情報が飛び交っています。しかし、実際にそこで人生を送っている私たち「メタバース原住民」からすると、それらの情報は実態とあまりにもかけ離れています。 本書の前半1~3章では、メタバースとはなんなのか? 馴染みのない方にもわかりやすいように、その真の姿を説明します。後半は、メタバースのもたらす革命性を順を追って解説します。 メタバースを体験したことのない方に特に注目してほしいのは4章「アイデンティティのコスプレ」です。 メタバースで、現実とは違う「なりたい自分になれる」とは一体どんなことなのか? どんな革命を我々人類にもたらすのか? 読者の方が自分自身をどうデザインして生きていきたいか、考えるきっかけになればと思います。 ──世間では、メタバースにVRゴーグルが必須なのかどうかについて、まだ定義が揺れているように感じます(「アクセス性」の話との矛盾など)。ねむさんはどう思いますか?  世間的にそこは大きく揺れていますね。 本書の定義では手段のひとつとして「VRによる没入手段が用意されていること」を不可欠な要素としています。 スマホやPCなど必要に応じていろんな手段でメタバースに入ることができるにせよ、親密なコミュニケーションをしたり、じっくりメタバースを楽しみたいような局面ではVRでメタバースに入って没入体験ができる、ということです。 そうでなければ、人生を代替できるような充実感のある体験になりえないと私は考えています。 ——ちょっと確認しておきたい点があるんですが…。今メタバースに住んでいる人たちはこの物理世界はもはやどうでもよくて、メタバースに行ったっきりでもよい、という感覚なのでしょうか?  それについては、必ずしもそうではないと思います。私自身の感覚としては、メタバースでの人生が充実することで、物理現実の人生も豊かになっていきます。  例えば、物理現実では出来ないこと、やってみたいことに、メタバースなら挑戦できるという事はあると思います。  私の場合は「美少女アイドルとして活動する」がそれにあたります。また、物理現実とは一線をおいた世界だからこそ、自由に色んなことを周りの友人に相談できたりする側面もあります。  物理現実とメタバースをいったりきたりすることで、色んな「自分」を切り替えることができます。そのことにより、物理現実も含めて人生がより立体的になり、充実したものになっていくのではないかと私は考えています。 ——メタバースで生活するという感覚に乗っかれる人は今後どれくらい出てくるのでしょう?  現在メタバースで生活している人は、特定の目的(技術やコミュニティへの興味など)があったり、特別な事情(心身の性別の不一致とか)があったりという場合がほとんどです。  そうではない普通の人が使い始めるポイントは、メタバース内で本格的な経済が回り始めた瞬間になると思います。  本書で解説したとおり、現在のメタバースの経済性は試行段階で、それにはもう数年~十数年の時を要するでしょう。しかし、ひとたびそのポイントをすぎれば、一般の人にもメタバースに入る強い動機が生まれます。現在誰もがスマートフォンを持っているように、誰でも当たり前に人生の一部をメタバースで送るようになるでしょう。 ——となると将来は、現実世界を意識せずに生活していくことが可能になったりするのでしょうか。  現在の技術はVRゴーグルでメタバースに入るのが精一杯なので、当分は難しいでしょう。しかし、BMI(脳・コンピューター間インターフェース)が将来的に実用化されると、究極的には全感覚でメタバースに没入し、物理現実を全く意識しないでそこで生きていくことができるようになります。  ただし、技術的な壁は大きく、私たちが生きている間には民生レベルで実用化されることはないでしょう。その辺りも本書で詳しく解説しています。 ——メタバースが理想を実現する世界なのだとしたらそこで生活している人たちから見ると、現実世界はどういう風に見えるのでしょうか?  メタバースに一度慣れてしまうと、移動の不便や姿の不自由さなどの理不尽が多く、物理現実はとても不自由なものに感じられます。ただし、やはり現時点ではVRゴーグルを通したものなので、メタバースに365時間24時間没入するのは不可能ですし、ご飯の美味しさや触覚の臨場感は物理現実の方が上回っています。双方を簡単に行ったり来たりできるのがメタバースのいいところだと思うので、両方のメリットを使い分けていくのが今後の人類のスタイルになっていくのかな、と私は考えています。 ——メタバースが何を達成したら人類の進化といえるんでしょう?  本書で紹介したような「メタバース原住民」の生活・文化・可能性を見る限り、もはやそれは現生人類のスタイルからは大きく逸脱しています。私は、すでに進化は始まっていると考えています。生まれたままの肉体から解放された、「アバター」という新しい身体。それで生活する人類はもはや新たな人類である、と言えるのではないでしょうか。 ——ソーシャルVR国勢調査によれば、メタバースで恋に落ちたことのある人の割合は40%とのことです。そして30%はVR内で恋人ができたことがある。一方、物理世界でのマクロミルの調査によると、いわゆるマッチングアプリでの成功率は約40%(※)。単純な比較はできないと思いますが、それにしてもなかなかすごい数字だと思います。メタバースには恋に落ちやすい要素があるのでしょうか。(※=マクロミル2018年5月15日発表データより)  物理現実だと、年齢・性別・立場の壁があって、だれとでもすぐに仲良くなるのは難しいのではないでしょうか。メタバースではそういった壁が取り払われて、心の距離が近づきやすくなることはデータにもはっきりと現れています。  特に、恋に関しては物理現実と違い、性別の垣根が取り払われる傾向があるのがメタバースでの恋の特性です。そういった要素が、メタバースで恋に落ちることを促しているというのは考えられると思います。 ——人が操作するアバターとNPCの区別がつかなくなる未来は訪れるでしょうか? そうなったら、ねむさんは恋愛相手がAIでも良い?  そんなことは絶対ないと思います。2000年代初頭からの第三次AIブーム(機械学習)で明らかになったのは結局「我々人類の知性の深淵は予想以上に深かった」「AI=人工の『知性』は現在の人類では全く作ることができなかった」ということです。現在「AI」と呼ばれているものは、本来の意味での知性でもなんでも無く、AI研究の結果うまれた機械学習による効率化技術に過ぎません。  一方でメタバースは、言ってしまえば、機械学習による「効率化」とは真逆の技術です。人間らしい非効率的なコミュニケーションをオンラインで行うことができる、という所にメタバースの価値の本質があります。機械学習によりさまざまなことが自動化できるようになったからこそ、自動化できない非効率性・アート性の価値が高まっています。それをオンラインで加速させるための技術こそがメタバースなのです。 ──ねむさんの今後の活動予定について教えてください。 バーチャル美少女ねむ 思いついたことはすぐやる! が信条なので、基本的にすぐに思いつくことはやってしまった後なので、今後の予定は一切ありません。 メタバースの世界は進化が早すぎて明日の予想など誰にもできません。これからも常に新しいこと、昨日の自分が予想できなかったことがメタバースで生まれ続けていくでしょう。これからもそれに挑戦し続けていきたいです。 ──本日はありがとうございました! (了)

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さんの書評2022/03/032いいね!

この書籍には著者の深い叡知と想いが詰まっています。

この書籍には著者の深い叡知と想いが詰まっています。 著者の清水先生は非常に高度な表情分析ができる世界で唯一無二のエキスパートです。 清水先生が書かれた他の書籍も同様に今回も「表情分析」と謂われる"表情"と"感情"の繋がりから人の心を紐解くための貴重な一冊となっています。     「裏切り者は顔に出る」 題名の通り、心に秘めた感情は実はよくみると表情の動きに表れているのです。  0.5秒だけ表れる無意識の「微表情」 その「微表情」から清水先生は"目視"により人の感情を読み解き、人間心理を追求してきます。 微細な表情の動きから人の感情を読み解き、感情の機微を追う姿は正に人間観察の究極のカタチです。 私は清水先生の書籍を含め、主催しているセミナーと出逢うまでは…「微表情分析」は長年に渡り特殊なトレーニングを積んだ者にしかできない人並み外れた"職人芸"であると考えていました。 確かに、フラッシュのように一瞬で表れては消え去る「微表情」を正確に読み解き、高度な分析ができるまでにはかなりのトレーニングと研鑽が必要です。 しかし、職人芸とまではいかなくとも…表情の動きが示している感情を知り、意識するだけでも人と感情を繋ぐ世界の見方が大きく変わります。 実際に清水先生のトレーニングを受けた瞬間から表情をみる視点に大きな変化が表れます。 そして、今まで見えなかった、観ようとしていなかった表情の動きに驚かされます。 そこに隠された感情を自分の目で見て、実際に受け取ることができた時…表情の機微を通して本当の人の心に触れることのできた喜びがあります。 実践のトレーニングを受けるまでには至らなくとも…書籍から得た知識や視点は物事の見方を代え、新しい世界へと誘ってくれます。 そんな「表情分析」という科学科と人間心理の世界を…分かりやすく、初めての方でも理解しやすいように考えて書かれたのが本書です。 表情分析の探求者には専門書として、これから「表情分析」を学びたいという方には入門書として、それぞれの視点で読むことのできる実践向きの書籍であると感じています。 ・「攻撃を目論んでいる顔」とはどんな表情なのか? ・離婚率九〇パーセントの表情とは? ・「モナ・リザ」は何を考えていたのか? ・スパイに口を割らせる「シャーフ・テクニック」とは? ・本音を引き出す「七つの質問」とは? 興味深い内容の数々と実際の写真を使用した練習問題もあり、それらを通して実際に表情の微妙な動きに触れることができるのも本書の強みだと思います。 長年に渡る「表情分析」の経験と深い洞察からなる内容には、その道のエキスパートだからこそ書くことのできる知見と叡知が散りばめられています。 そこには、本書からしか得ることのできない著者の言葉だったり想い、文字を通して心に感じるものがあります。 そして、主題でもあるホンネや嘘…真偽を"精査"するというのはどういうことなのか? 是非、この書籍を手に取って読んでみて下さい。 ここに書かれていることは決して机上の空論ではなく、正に実践で使うことのできる"生きた科学の結晶"です。 何より私自身が学んだことを実践していること、その実践からのフィードバックから自信を持って本書をオススメします。 貴方は普段、表情から何を受け取っていますか? 気になる方は是非、本書を覗いてみてください。 きっと、貴方にしか紐解くことのできない表情の世界があるはずです。 この本を読み終わる頃には表紙(帯)の写真にある笑顔に隠された表情(感情)がみえることでしょう。

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さんの書評2022/02/24

『人生はゲームなのだろうか?』著者の平尾昌宏さんに きいてみる

『人生はゲームなのだろうか? ――<答えのなさそうな問題>に答える哲学』著者の平尾昌宏さんにお話をききました。 ききて・深水英一郎 ——本日はよろしくお願いします。早速ですが、この本はどのような本なのでしょうか? 【平尾さん】  タイトル通り、「人生はゲームか」を考えた本です。でも、安易に答えを披露するとか、「これが唯一の正解だ」と押しつけるというタイプの本ではなくて、この問題を自分たちで考えていくというスタンスをとっています。  私はふだん、大学や専門学校で哲学や倫理学を教えています。それらの授業のために「愛とか正義とか」や「哲学、する?」という本を書きました。それらの中で、例題として「人生はゲームか」をテーマにしました。  しかし、授業で実際のこれらの教材を使っていたところ、学生さんたちが予想以上に関心を持ってくれると同時に、私が予想したのとは違う考え方や反論を示してくれました。そこで、この問題を改めて本格的に取り上げてみようと思った次第です。 ——みなさん関心あるテーマだったということなんですね。  「なんだか生きづらい」というのが時代のキーワードになっています。そして、そこから脱出するためのスキルやノウハウは山ほど提供されています。「答え」を教えてくれる識者や論客も大勢います。それなのに状況を改善できるとはかぎらない。  そもそも、「生きづらさを解消するための手段がどこかで提供されている」と考えることが、錯覚なのかも知れません。だとすれば、むしろ希望は、自分で考えること、つまり<哲学する>ことにあることになります。  具体的なスキルやノウハウとは違って、ある意味では王道、だけど現代では地味に見えてしまう<哲学>ですが、哲学的にきちんと考えていけば、「人生はゲームか」といった、<答えのなさそうな問題>にも一定の解答が得られます。そればかりではなく、人生やゲーム、人生の中で起こるあれこれ(お金、教育、恋愛、宗教などなど)を巡ってあれこれの発見があることが分かります。 ——きちんと考えていくことで、答えがなさそうな問題にも解答が得られるということなんですね。読み通してみると、そこに至るまでのドラマが一冊の本になっているように感じます。この本全体は大きく4つのパートに分かれていますね。  前半のパート1では「人生はゲームか」、パート2では「改めてゲームとは何か」を扱っています。一方、後半のパート3では「人生はどんなものか」、パート4では人生内のあれこれ(宗教、お金、教育、恋愛)について考えるという構成です。  読者の関心によって面白く読めるところはばらけるでしょうが、考え方の基本について学びたい人にとってはパート1が役立つと思います。ゲームに特に関心があってちゃんと考えたい人にとっては、パート2が面白いんじゃないかと思いますし、人生について考えたい人にとってはパート3が面白いだろうと思います。私としては、パート4が気に入っています。 ——もともとこの問題を考えるきっかけは漫画原作の映画「ガンツ」にあったそうですね。そこから大学での学生さんとの対話へ発展していった、とのことですが、このきっかけが面白いですし親しみが持てます。  この本の第2章を、筑摩書房の「webちくま」抜粋紹介していますので、ここを読んでいただければ、本書の意図や方法がよく伝わると思います。 <答えのなさそうな問題>の答えの出し方 「人生はゲームなのだろうか?」より本文を一部公開 https://webchikuma.jp/articles/-/2703 ——やっ、一部読めるのはありがたいですね。語り口はやわらかいですし、平尾さんがうまく交通整理をしながら話を進めてくださっているので、すんなり理解しながら読みすすめることができました。平尾さんは考えを深め哲学をするには地道にやるしかないと冒頭おっしゃっていましたが、こういう風に案内していただけるなら楽しいものだなと思いました。今後執筆したいテーマなどはありますか?  まだ漠然とした計画ですが、今回と同じように、「哲学、する?」や「ふだんづかいの倫理学」で取り上げて反響の大きかった問題について、改めてまとめてみたいと思っています。  代表的なものとして、「お金持ちになりたいか、幸せになりたいか、どちらかを選ぶとしたら?」という練習問題などを考えています。 ——身の回りの答えがなかなか出ない問題って、断片的にはネットでみかけたりもしますが、こうやってまとまって考える機会はあまりなかったように思います。こうやって一緒に考えられる本の存在は嬉しいです。  ほかに、ほぼ完成していて、今は手直ししている本があります。ヨーロッパの哲学者たちが自分たちの言葉を哲学してきたように、我々も日本語を素材として哲学できるのではないか、という試みです。 ——楽しみにしています。本日はありがとうございました! (了)

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さんの書評2022/02/24

『教養としての映画』著者の伊藤弘了さんに きいてみる

『教養としての映画』著者の伊藤弘了さんに話をききました。 ききて・深水英一郎 ——本日はよろしくお願いいたします。本書を執筆するきっかけは何だったのでしょう? 【伊藤さん】  かねてより映画研究者=批評家として自分が身につけてきた知見を世の中に還元したいという思いを抱いていました。そんなときに折よく映画の見方についての連載と書籍化のお話をいただきました。  この本で一番お伝えしたかったのは、映画を意識的に見ることでその楽しみはいっそう大きくなり、世界が広がるということです。 ——ひとことで説明するなら、何の本ということになるでしょうか。  映画の入門書ですね。普段の映画鑑賞がより楽しくなるように、映画の歴史や鑑賞のポイント、鑑賞後のアウトプット術などを紹介した本、ということになります。  まずは「トイ・ストーリー」の見方について説明しているプロローグを読んでいただいて、本書のスタンスがご自分に合うかどうか確かめてみて欲しいです。 ——私はプロローグを読んで、映画についてもっと知りたい! と思いました。  この本の構成について簡単に説明しますと、まず第一講では映画の効用(映画を見るとどんないいことがあるか)、第二講では主に映画の歴史を紹介し、第三講以降で具体的な映画作品を分析しています。  黒澤明や小津安二郎、アルフレッド・ヒッチコックなどの古典期の監督の作品にくわえて、是枝裕和の「海街diary」(2015年)やクイーンの伝記映画「ボヘミアン・ラプソディ」(2018年)といった近年の話題作も取り上げています。最終講では映画を見たあとのアウトプット術について、具体例を交えながら紹介しました。 ——最終章で、感想や批評のアウトプット術、特にTwitterを使った書き方について述べておられて非常に面白かったです。誰でも発信者になれる時代であり、そのレベルも上がっていますが、映画の感想って、ちょっとむずかしいと考えている人も多いと思うんです。アウトプット方法について書こうと思ったきっかけは何かあるのでしょうか?  映画について質の高い発信が増えれば、結果として映画作品の質も上がっていくと考えたからです。  自分が見た映画について言語化することで鑑賞者自身の映画体験も深めることができるし、そうした感想が結果として映画文化の発展に貢献していくのではないかと。それが僕のイメージする健全な文化のあり方でした。とはいえ変に肩肘を張る必要はなく、気軽に取り組んでいただきたいと思います。SNSで発信しなくても、家族や友人に感想を伝えることも有効です。 ——監督が描きたいものと観客が観たいものとの間に差があってそれが批判につながることについてどう思われますか? 最近ですと「マトリックス レザレクションズ」(ラナ・ウォシャウスキー監督、2021年)でそれを強く感じました。人気作品の続編や漫画原作の実写化でも見かけます。  そういうことはこれからも起こり続けるでしょうね。僕個人としてはそれでいいと思っています。観客には自由に作品を批判する権利があるし、その反応を次の作品に反映するかどうかは作り手側の判断次第でしょう。賛否両論がある状態をストレスに感じる方もいらっしゃることでしょうけれど、文化的には健全な状態だと思います。 ——本書の、他の本にはない新しい点や工夫した点は何かあるでしょうか?  「ビジネス書」として出した点ですね。  これまで映画批評や映画評論に馴染みのなかった方にも興味を持ってもらえるように、そして気軽に手に取ってもらえるように意識しました。専門的な知識がなくても問題なく読めるように噛み砕いて説明しつつ、それでいて議論の質は落とさないように心がけて書きました。 ——執筆するにあたって刺激を受けたものはありますか?  大学院の修士課程在籍時の指導教員である加藤幹郎先生からは多大な影響を受けています。第六講(ヒッチコック)では加藤先生の議論を直接参照していますが、それ以外のパートにも加藤先生の教えが反映されていると思います。 ——これからの活動予定は?  ありがたいことに連載や次の本の企画が進行しています。いずれも広い意味で映画の見方について書くことになると思います。また、各種のイベントにも登壇していますので、ご縁があればぜひ。 ——今後執筆予定のテーマは?  映画の見方についてさらに踏み込んだ内容の本を書きたいと思っています。また、今回の本で取り上げられなかったテーマを盛り込んだ日本映画の通史的な本をいつか書いてみたいと思います。おそらくそれはずっと先のことになるでしょうけれど。 ——伊藤さんの映画解説はとてもわかりやすく、注目すべきポイントを知ることができ、映画を見る楽しさが増しました。次の本にも期待しています! 本日はありがとうございました。 (了)

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さんの書評2022/02/111いいね!

「教養(インテリ)悪口本」著者の堀元見(ほりもとけん)さんにお話をきいてみる

「教養(インテリ)悪口本」著者の堀元見(ほりもとけん)さんにお話をききます。 ——よろしくお願いいたします。早速ですが、今回の著書を紹介お願いします。 【堀元さん】  今回出版したのは「教養(インテリ)悪口本」という本でして、先日2021年12月22日に初版が出ました。色々な学問のちょっと面白い知識を使って、テクニカルに人をバカにする「インテリ悪口」を37個紹介しています。  インターネットには「こいつ無能。死ね」といった知性もユーモアも宿っていない悪口が氾濫していますが、それを見て楽しいと思う人はいません。  そんな時に「無能だ」と言う代わりに「植物だったらゲノム解析されてそう」と言うとちょっと面白いし「どういうこと?」と知的好奇心が湧きますよね、と。そんな感じのジョーク本です。 ——特にどのような読者に読んで欲しい本ですか?  おもしろ雑学が好きで、ちょっと底意地が悪い人です(狭い!)。 ——私も非常に楽しく読ませてもらったのですが、確かに自分も底意地が悪いところがありますね(笑)。堀元さんがこの本で一番伝えたかった事は何ですか?  抽象的な話になってしまいますが、「知識を無駄遣いしてふざける楽しさ」ですね。僕はここ数年「勉強して得た知識を無駄遣いしてふざける」というコンセプトでコンテンツを作って生活しておりまして、消費者としても作り手としてもそういうコンテンツが好きです。  たとえば、今回の本で言うと「まるでギムワリをやっているようだ」という悪口を紹介した章があります。  これは、フランスの文化人類学者マルセル・モースの『贈与論』(岩波文庫、ちくま学芸文庫など)という古典的名著を読んでいたときに出てきたフレーズです。つまり、めちゃくちゃマジメな本のめちゃくちゃマジメな知識なんですが、僕はふざけた視点でいつも本を読んでいるので、「これ、割り勘が細かい人に対して悪口として使えるなぁ」などと考えるワケです。  そうすると、学者の「堅くて、やや読みにくい文章」が、急に身近で愉快なものに思えている。マジメなものにふざけて向き合うと楽しいんです。  そういう喜びが伝わるといいなと思って書いた本ですね。「これ悪口に使えそう」みたいなふざけたノリで古典を読む人が増えるといいなと思っています。 ——本書を読み進めていると、堀元さんが古典的名著を含むさまざまな本を新しい角度で読み解いて楽しんでらっしゃる様子が伝わります。最終的に悪口に変換されるわけですが、悪口といいつつも読書で得られた知恵を現代の自分たちに当てはめるひとつの例を見せられているような気分です。とても独創的な切り口でこれまでに見たことがないものだなと思いました。この本を書くきっかけってなんだったのでしょう?  もう2年以上、「しょうもない人をインテリ悪口でバカにする」がメインコンテンツの有料マガジンをnoteで書いておりまして、結構人気を博してそれだけで生計を立てられるようになりました。  で、知り合いの編集者に「これ本になりそうだから企画書にして送ってよ」と言われて、送ったらなんだかんだで本になりましたね。全て成り行きで生きてます。高校生の頃は「人の心に温かく染み入る青春小説」とかを書く作家になりたかったのですが……。 ——堀元さんが今一番興味を持っていることは何ですか?  「学問知識をエンタメ化する」です。「ためになるから」とか「必要だから」という以上に、「面白いから」という理由で色んなジャンルに首を突っ込んで勉強する人が増えるといいなと思ってます。皆の知的好奇心を暴走させたい。  僕は「ゆる言語学ラジオ」というYouTubeチャンネルをやっているのですが、その視聴者はかなりの頻度で我々のチャンネルから言語学の小難しい本を買ってくれています。そういう形で、皆が学問を面白がる入り口になれたらいいなと。  「教養悪口本」でも、「社会理論と社会構造」(ロバート・K. マートン著)というかなり分厚い骨太な社会学の本を参考文献にしているのですが、僕の文章をきっかけにこれを読み始めたという報告を何人かからいただいており、嬉しい限りですね。 ——次に書きたい本はどんな本ですか?  今回の本を担当してくれた光文社の編集者と「次出しましょう」と話しているのは、「教養(インテリ)言い訳本」または「教養(インテリ)開き直り本」みたいなヤツですね。  あと、既に決まっていて書き始めているのが徳間書店から出る「ビジネス書って同じことばっかり書いてない?100冊読んで検証してみた」みたいな本です。  僕は軽薄なビジネス書があんまり好きではないので、それをうっすら茶化したいと思ってます。  今までの話とも繋がりますが、僕はちゃんとした学問の知識が好きなので、「どうせならビジネス書じゃなくて古典とか学者が書いた骨太な本とかを読もうぜ」という心情があります。そんな心情をうっすら伝える本にできたらなと。 ——ブログでも話題にされていたビジネス書の話の書籍化が進んでいるんですね、それは楽しみです。本日はありがとうございました! (了)

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