みんなの書評

さんの書評2024/10/141いいね!

図書室という銀河で出逢えた心揺さぶられる一冊

とても面白かったです! 前作の「図書室のはこぶね」で、エーリッヒ・ケストナーの「飛ぶ教室」に出会い、私のお気に入りの一冊になりました。 今作も、前作と世代は変わっていますが、野亜高校を舞台にした心温まる素敵な作品です。 宮沢賢治を研究する同好会「イーハトー部」の部長であり、宮沢賢治を愛する明るく優しい風見先輩が、ある日突然不登校になり、連絡も途絶えてしまいます。 先輩から最後に届いたメッセージを宮沢賢治作品を元に紐解いていきます。 この「謎」が読む人を物語にグッと引き込みます。 作中に登場するさまざまな他の作品たちも魅力的に紹介されており、本作を読み進めつつ、早速読んだ作品もあります。 最後の章は、物語の終わりに向けてとても心が動かされる印象的なお話でした。 言葉のひとつひとつが心にとても響いて、 思わず涙がぽろり。 様々なことをみんなで支え合いながら乗り越えて、やがて、それぞれの「ほんとう」と向き合う。 私自身の「ほんたうのさいはひ」についても改めて考える機会を貰いました。 読書の幅を広げたい人、名作により深く触れたい人、理由は分からないけれど日々の生活に満たされないと感じている人…など、様々な人に読んで欲しい作品だと思いました。

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さんの書評2024/09/232いいね!

利他が宿るとき。

利他的な在り方を考えるとき、その主体や行為に目を向けがちだけど利他は受け取ることができて初めて起動するもの。加えてそれは「あとからやってくる」。常に自分を超えたものとして存在している。じゃあどうすれば…となるけれど、この無力感に立つことが大事なのだと思う。 今私がここにいることは、あたりまえのことではない。地面が支えてくれるから、私はそこに立つことができる。無数の偶然が重なり合った縁起の中で私は生じている。己のどうしもようない無力さに目を向けることは、常に受け取り手であった自分に「気づく」ことであり、そこに利他が宿るのだと思う。 この行いがその人のためになるかどうかはわからない。むしろ、自分のためにしているのかもしれない。そのようにわきまえることは、少なくとも「○○してあげた」という奢りから私を解放してくれる。そして、何もできないからこその「祈り」へと導いてくれる予感がする。心の中に大事に留めおきたい。

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さんの書評2024/09/121いいね!

目次

PART1 目には見えない問題を見抜くための扉 ~問題解決の「引き金」をどう引くのか? CHAPTER1 見えない問題とは何かをつかむ CHAPTER2 洞察力を導く5つの認識パターン CHAPTER3 出来事のつながりから見抜く方法 CHAPTER4 偶然の一致と好奇心から見抜く方法 CHAPTER5 出来事の矛盾から見抜く方法 CHAPTER6 絶望的な状況における、やけっぱちな推測による方法 CHAPTER7 「見えない問題を見抜く」ための別の方法 CHAPTER8 問題発見への3つのプロセス PART2 見えない問題を見抜くための「心の扉」を開ける ~私たちを邪魔するものの正体は何か?~ CHAPTER9  自信を持って誤る偽りの発見 CHAPTER10 問題を見抜く人、見抜けない人 CHAPTER11 厳格なITシステムが直感を鈍らせる CHAPTER12 組織は「見えない問題を見抜く力」をどのように抑圧しているのか? CHAPTER13 結局、人が問題を見抜けないのはなぜなのか? PART3 目には見えない問題を見抜く「心の扉」を開け放つ ~問題解決法を身につけることができるのか? CHAPTER14 「見えない問題を見抜く力」は自分自身を救う CHAPTER15 「見えない問題を見抜く力」は人を救う CHAPTER16 「見えない問題を見抜く力」は組織を救う CHAPTER17 見えない本質を見抜く人になるためのヒント CHAPTER18 「見えない問題を見抜く力」という魔法

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さんの書評2024/09/071いいね!

ポジティブなぼんくら男  大丈夫なのか? 宮路

主人公の宮路。29歳で無職。自称(?)ミュージシャンだがギターも歌もずば抜けて上手いわけではない。しかし親から毎月20万円の仕送りを受けていて生活には困らないので、本気で音楽で食っていこうという気持ちも仕事に就こうという気力もない。大丈夫なのか? この男。 会話の口調は妙に上から目線で、自分勝手な言い分をずけずけ言う。大丈夫なのか?宮路。 しかし老人ホームで無理やり頼まれた買い物の品選びには、やたらと手間暇かけて、当人の好みに合いそうなものをあれこれ悩んでチョイスしたり、面白い本を、と頼まれれば、10冊もの本をまずは自分で読んでから渡す本を決めたり、自分は未経験のウクレレを教えてくれと頼まれたらわざわざウクレレを買って練習してまで教えたり、意外といいところあるではないか宮路。さんざんこきおろされていた水木のばあちゃんの最期の手紙に背中を押されて、人生の時計を前に進めることを決意したはいいが、手あたり次第の求職活動は面接で38連敗。さぞかし世間の荒波と自分の甘さを思い知らされていると思いきや、なぜか妙にポジティブな宮路。 やはり大丈夫なのか? この男!?

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さんの書評2024/08/28

小学校だか中学校高で読んだ漫画。

小学校だか中学校高で読んだ漫画。 30年以上ぶりに読んだかも・・・ おぼろげだった内容を再確認。昔泣いたところではまた泣けました。 早く次が読みたい。 お母さんは当時流行っていた中村紘子さんなのかなぁと思ってみていました。 ピアニストなんて特別な存在でしたが、漫画で読むことでその世界を少し身近に関ることができました。 きしんちゃんのお母さんに対して「え~」と当時は驚き、そこは読み直しても「そうそう、そうだった」と覚えていたから、当時よほど衝撃をうけたんだろうな、と思いました。 怨念?あの優し気なお母さんがそんなだったなんて、と読み返して忘れていた部分をまた記憶に刻みました。 残念なことに、文庫本が小さくなり、漫画の文字が読みづらくなりました・・・ でも紙で読みたいから何とかして文字をたどりました。 ペンの勢い、書かれていた時の息遣いが聞こえてきそうです。 実際のピアノの音が聞きたい。 麻子、きしんちゃん、上邑先輩、さらに松苗先生の優しい音?が聞いてみたい。

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さんの書評2024/08/282いいね!

昔の神々ってアメーバー ⁉

古事記って、因幡の白兎とか海彦・山彦などの有名なエピソードくらいしか知らなくて、通して読んだことはなかったのだけど、物語性のあるお話はところどころに挿話的にあるだけで、あとはひたすら神々や古代天皇の系譜が書き連ねられているのだね。 昔の神々って、体の一部や排出物から次々に子が生まれて、まるで細胞分裂で増殖するアメーバーみたいではないか! 行動も極めて乱暴で、戦を仕掛け、狼藉を働き、殺しを繰り返す。なんとも非道な存在である。 神武天皇以下の天皇の系譜ではさすがにアメーバーから人間に近くなっていくが、一夫多妻制の下、次々と子をなして増殖して、殺し合いを繰り返すというのは同様である。 最後のところは連綿と続く人の名の羅列を惰性で読み流していく感じ。原著者の太安万侶もなんとなく惰性で書き連ねた感じで、最後は唐突に終わった。 池澤氏の序文によると、古事記は天皇家の権威を神話として補強するためのツールとして、持統天皇の命のもとに編纂された極めて政治的な書物だとの解釈。これだけの系譜を調べ上げて書き残すのは当時としては大変な労苦であったろうことは察せられる。そんなもんで最後は安万侶さんも飽きてきてしまったんだろうか? いやはやご苦労様。読んでいる方もちょっと苦行的な読書になってしまった。

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さんの書評2024/08/15

日常に潜む恐怖

本当にこれが自分の住んでいるところから少し離れたところで起きた事件だと思うとぞっとしました。ひどい・・・ 知り合いに進めたところ、記者の上司の方と知り合いだったそうで「知り合いの名前が出てきて驚いた。教えてくれてありがとうございます」と言われました。 こんな事件は無くなって欲しい。特に後半の裁判での状況は読んでいてぞっとしました。カップルもカップルですが、女性の息子も変ですね。でもそんな人が普通に世間にいるんだ・・・と思うと恐怖を感じます。 鳴り物入りで入られた女性本部長も早々と退職、組織に将来をつぶされた感じなのか、自主的にその道を選んだのかは推測でしかありません。 優秀でエリート街道を歩んでこられたのに残念でなりません。 組織を変えるのは無理だったという事なのでしょうか。 この本を読むきっかけは、YouTubeでインタビュー動画を見て「なんだろう」と思ったことがきっかけでした。 インタビューを見て感じた違和感通り、自分の中で消化不良のわだかまりを残してくれた一冊となりました。

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さんの書評2024/07/30

ソルフェジオ周波数、528Hzのルーツ

ソルフェジオ周波数について調べていて、手にとった。 ネットでは古代グレゴリオ聖歌がどうとか、ピタゴラスがどうとか、由緒ありげに書かれているソルフェジオ周波数だが、実際には1990年代にジョゼフ・プレゲなる人物が枕元にたったイエスに啓示を受けて、聖書から「発見」した6つの数字(周波数)であり、それに本書の著者、ホロウィッツが3つの周波数を付け足して、合計9つのソルフェジオ周波数が出来上がったようだ。 したがって、ソルフェジオ周波数に歴史的・文化的な裏付けや積み重ねがあるわけではなく、つい最近、二人の人物がキリスト教を背景に作り上げた物語だ、ということだ。 ホロウィッツは大変博識なようで、数秘術やら量子力学やらを駆使して、528という数字(あるいは周波数)が、いかに神聖で万物に共通普遍な原理であるかということを、膨大な「証拠」で証明していく。ただこちらにほとんど知識がなく、簡単に検証や追体験できる内容でもないので、本当なのか妄想なのか、イマイチよくわからない。 例えばNASAが発表している「太陽の音」。これも528Hzだとホロウィッツはいう。で、ネットで拾って周波数解析してみたのだが…。残念ながら71Hzにピークがあるのみで528Hz付近にはなんの特徴もなかった。確かめてみた「証拠」がこれでは、全体の信ぴょう性にも疑問符がよぎる。 またホロウィッツはイルミナティの世界支配をいういわゆる陰謀論者でもあり、本書には陰謀論も同居していて構造も複雑、正直言って、内容はほとんど理解できなかった。 とはいえ、ホロウィッツが導き出したソルフェジオ周波数を「ただの妄想」と決めつけるつもりはない。これだけ多くの人が取り上げているのだから、なにかご利益があるに違いない。そのご利益を確かめてみたい。が、その具体的なメソッドやテクニックも何も書かれておらず、読んだはいいが、さて次はどうすればいいのか、ちょっと途方にくれている。

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さんの書評2024/05/211いいね!

後藤 仁 作画絵本『にじをかけたむすめ 中国・苗族のむかしばなし』BL出版

絵本『にじをかけたむすめ 中国・苗族のむかしばなし』(宝迫典子 文・後藤 仁 絵/BL出版) 2024年7月10日 発売です~❣  1980円 (税込み)〔 ISBN 978-4-7764-1138-3 〕  後藤 仁の作画による、約10年8か月ぶりの日本向けの本格的ハードカバー絵本。現地取材・構想より約15年10か月間、日本画制作に約2年間をかけて丹念に仕上げられた、後藤 仁 渾身の超ハイグレード絵本❣ 好評発売中です。  とても素晴らしい「絵本」に仕上がっていると思います。ぜひ、多くのお子様~青年達~大人達・絵本愛好家の皆様に読んでいただきたいと願っています。よろしくお願い申し上げます。m(_ _)m 【絵本のあらすじ】  昔々、中国 中南部の奥深い山地~ミャオ族の村に、刺繍(花辺=縁飾り)のとても上手な、美しく気立ての良い娘がおり、いつも他の娘達に刺し方を教えていました。ところが、王様がその噂を聞きつけて、娘をさらいに大勢の手下達を村に送りました・・・。刺繍の上手い娘と、赤い龍の織り成す、涙と感動の物語。空にかかる“虹”の由来を伝える、ミャオ族の美しい民間伝承です。中国(中華人民共和国)の少数民族・ミャオ族(苗族/中国 広西チワン族自治区)の民話。(小学校低学年~大人 向け) 【絵本の概要】  この絵本の出版は、BL出版 創立50周年を記念する出版事業の一環であり、毎回、人気・実力派 作家・画家が登場するBL出版の大人気・大型シリーズ「世界のむかしばなし絵本シリーズ」中にて、満を持してのアジアの超大国である「中国編」の刊行となります。  この絵本の原話は、当初、私(後藤 仁)が最も「絵本」に描きたい中国民話の筆頭として、中国民俗研究の第一人者:君島久子の民話集 等より私自ら選出したお話です。絵本の文は、中国語翻訳家・茶芸師である宝迫典子(ほうさこ のりこ)によって絵本用に新たに中国語原文から翻訳されたもので、中国の少数民族・ミャオ族に伝わる民話を元にしており、原話の題名は「花辺姐姐(ホワビエン ジェジェ/花辺 姉さん)」です。絵本の編集は、質の高い絵本を多く手掛け数々の絵本賞を受賞している、今、最も注目すべき絵本編集者の一人の、鈴木加奈子によります。  絵本原画制作は、2週間の現地取材(2008年4~5月/中国貴州省・広西チワン族自治区)に始まり、約2年9か月間(2012年3月~2014年11月)の第1期〈君島久子 文〉原案作成・ラフスケッチ(ダミー)制作、約9か月間(2021年10月~2022年6月)の第2期〈宝迫典子 文〉原案作成・ラフスケッチ(ダミー)制作と、約2年間(2022年2月1日~2024年1月21日)の本画制作を経て完成しました。取材~原案・ラフスケッチ制作~本画制作を全て合わせると、約15年10か月間という、私にとって最も長大な企画・制作の絵本作品となりました。  現在の混迷する世界情勢の中、このような昔から語り継がれてきた民話には、人類の経験と英知が示唆されており、未来への希望が託されているように私は感じます。ぜひ、今の日本や中国や世界中の子供達・大人達に、この絵本を見ていただきたいと、切に願っています。  2022年は日中国交正常化50周年、2023年は日中平和友好条約締結45周年に当たります。また、2025年~26年は「日中韓文化交流年」に指定されました。この絵本がまさに “虹” の如く、日中の更なる文化交流の架け橋となり、日中・・・そしてアジア~世界中の子供から青年・大人までの、平和友好・文化興隆の種となりますよう、祈念しております。  ちなみに、中国では虹の事を「彩虹(ツァイホン)」と言いますが、古代中国では「虹蜺(ホンニー)」とも称し、雄雌一対の神獣:龍になぞらえ、吉事の前兆と考たたそうです・・・。空にかかる美しい “虹” に、人々の幸福と安寧を願って・・・。  絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁/后藤 仁/JIN GOTO/고토 진

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さんの書評2024/05/172いいね!

今こそ、世界中の人々に読んでほしい、おすすめの一冊です。

自分と家族の為だけに生きると、人生は辛く、悩み苦しみに満ちたものとなるでしょう。 そうではなく、世界に思いを馳せ、自分にできることを小さな一歩でもいいのです、始めることができたら、心には光が灯り、穏やかな幸せが訪れるでしょう。 今、世界中でたくさんの天変地異が起こり続けています。 私たちが生きているのと同じように、地球も生きて、意識があるといいます。戦争や環境破壊、私たちが出すマイナスの想いなどで、地球は傷つき、苦しんでいます。満身創痍の状態であり、耐えられなくなると体位変換をしたり、外科的治療をする。それが天変地異となるのです。地球は痛みに耐えながら、人類の為にじっと、我慢をしてくれているのです。      そして、全ての人は生まれ変わりを繰り返しており、魂は永遠の旅をしているといいます。たくさんの人が、「人は死んだら終わりではない」と知ることができたなら、愚かな戦争や人種差別、宗教間の争いなどは、なくなっていくでしょう。人は亡くなると、天界の扉が開き、大切な人達や、天使たちが迎えにきて、魂を天界へと導いてくれます。いつかまた、永遠の旅の中で、亡くなった大切な人達と、再会ができるのです。今こそ、世界中の人々に読んでほしい、おすすめの一冊です。

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