香水―ある人殺しの物語
あらゆるものを常人では不可能なほど繊細に嗅ぎ分けられる超人的な嗅覚を持って生まれた孤児ジャン・バチスト・グルヌイユ。香りのために少女を殺害していく。不可思議な世界に引き込まれる奇怪な物語。
輝ける闇 (新潮文庫)
「夏の闇」「花終わる闇(未完)」闇三部作の一作目。開高健は、香りや匂いを表現できるたぐいまれな作家。「匂いのなかに本質があるんですから」という作中の言葉どおりベトナムの匂いやウィスキーの香りが感じられる本。
人形の家 (岩波少年文庫)
イプセンではありません。小さなオランダ人形のトチーは、プランタガネットさんとことりさん、赤ちゃんのりんごちゃんと犬のかがりと一緒にドールハウス「人形の家」で幸せに暮らしていましたが。。。甘い香りから始まる哲学的な物語。
銀色の白鳥たち (ハヤカワ文庫 NV 227)
このギャリコの短編集の中の「ムッシュ・ボンバルのばかげた秘密」がおすすめの1篇。 ミシュランの星を夢見る料理人のムッシュ・ボンバルのドタバタにネコが絡んで、結末にはある香りの謎が。。。
香りへの旅 (1975年) (平凡社カラー新書)
蠱惑的な中井英夫の文章で語られる香りへのオマージュ。香りというキーワードにストレートなタイトルですが実は文学の小宇宙。
余丁町停留所 (1977年)
昭和天皇の侍従長のエッセイ集。 出版社。 移り香に表象される過去の香り。 香道のお話も。。。
いつもと何かが違う本が読みたい人にオススメにオススメ
香りというキーワード。かなり手ごわかったようです。何を選定するか悩む2か月間がこのキーワード読書会の醍醐味でもあります。記憶の糸をほぐしながら昔読んだ本から選ぶ人。図書館でキーワードをもとに本を検索していろいろ読んで決める人。ベストセラーでもロングセラーでもないけれど、キーワードを手がかりにすると不思議で素敵な本に出会えます。ただし今回の「余丁町停留所」と「香りへの旅」と「ムッシュ・ボンバルのばかげた秘密」は図書館でも見つけるのは大変かもです。31人の人が「いいね!」を押しています。
閲覧回数:1624回、公開:2014/05/18