腕回りを一センチ大きくするために、ポディビルダーが日々のトレーニングや食事にどれだけ執着 しているかを知ってほしい。過剰な筋肉をつくり出すには、過激な行為が伴う。本書に登場するボデイビルダーたち――克己の日々を送りながらコンテストに出場するビルダー、女性らしさという不可思議な観念と向き合う女子ビルダー、生涯スポーツとしてボディビルと取り組む高齢者ビルダー、さらに薬物を使ってまで筋肉の肥大に懸けるビルダーたち⋯⋯彼らの他にも、あるポディビルダーは肉体の秘密を説き明かすため東京大学を中退して東京医科歯科大学に再入学したし、筋肥大の妨げになると家族を捨てたビルダーもいた。 ところが世間はそんな彼らを#ムキムキ"と揶揄する。筋肉を軽視する裏には、身体とし、魂の不滅を説く東洋的な思想の影響もあろう。