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15歳からの社会保障 人生のピンチに備えて知っておこう! 横山北斗 日本評論社

15歳からの社会保障 人生のピンチに備えて知っておこう! 横山北斗 日本評論社 2022年 とても行き届いた困りごと救済本。 子ども全員に買って配ってあげたい。 社会保障制度はそれなりにあるが、問題はそれを知らない、それにつながれない人が多いこと。つながれなければ制度があったところで困っている人が救われることはない。  必要とする人に伝わっていない現状が、本書で描かれた一つのエピソードに現れる。事故に遭い仕事に行けず医療費も奨学金の返済もどうしていいかわからない一人暮らしの若者が医療ケースワーカーにつながることができ、自分が利用できる福祉制度を知って驚き言った言葉「市役所から案内がきたりするんですか?」 このやりとりに現れているように、自分を救ってくれる制度があることを想定さえしていない。誰かが教えてくれるまでは途方に暮れているという現実がある。  いまの義務教育では探究的な学習が取り入れられ、図書館等で情報を探す方法も学んでいるはずだが、自己肯定感を育てられていないのか、自分が困ったときそれはなんらかの援助を求めていいはずだと考えない。この社会が包摂的社会でないことが育うかがえる。  せめてこの本がすべての学校図書館に置かれていてほしい。SLAの指定図書になっているといい。公共図書館のYAコーナーや児童館にも置かれていてほしい。  本書の構成は各登場人物が各種の困難な状況でたまたま福祉の専門家に出会い援助につながるというストーリーで学べ、巻末にインターネット上で相談先につながるQRコードが掲載されている。本当に、このQRコードが若者が読むようなネット記事やまんがの合間にポップアップ広告で入ればどんなにいいか、と思った。

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