さんの書評2023/12/302いいね!

居場所のない子ども、行き場のない若い人が手にとってくれますように

『こころの科学』企画「『助けて』が言えない 子ども編」を増補のうえ書籍化したもの 松本俊彦編 日本評論社 2023年  最近(2023年秋-冬)耳に入ってくるようになった居場所のない子ども、行き場のない若い人たちがSNSで助けを求め泊まるところを提供されて性被害にあう、という事例。また、そのような人たちが行く場所として「トー横」「グリ下」という地名も聞く。    『15歳からの社会保障 人生のピンチに備えて知っておこう!』(横山北斗 日本評論社)という、困った人にとって有益な情報満載の本を読んだところだったので、支援を必要としている人に本当に安全で助けになる情報が届きにくい現実にはがゆい思いをしていた。  そんなときに本書を見つけて読んでみた。  前半は大人の支援者向け、後半には、いろんな困りごとをかかえている子どもに向けて多種の分野から助けを求めていいんだ、と呼びかける文章が続く。たとえば、スポーツ界からは為末大さんが部活のしごきについて、風間暁さんからドラッグについて、など。  最後のアドバイスは、プラスアルハから。あの『家族のこころの病気を子どもに伝える絵本』シリーズの著者で、この本でも親が精神疾患をかかえている子どもたちに、あなたのせいではないよ、と言い、そして大ピンチのときには大人の力を使ってください、と呼びかけている。  さらに、ここが重要と瞠目したのが、「おたすけことてん」というアプリを紹介していること。困りごとに対処するための情報やさまざまな支援につながるアプリ。早速インストールした。「社会保障のことてん お金編」も関連として出てきたのでそちらもインストールした。本書を読まなければこのようなすぐれたアプリがあることを知ることもなかっただろう。私が知らないだけで、誰かがが『神アプリ』とか紹介しているんだろうか? ただ、自分のスマートフォンを買ってもらっていない子には使えないので、学校や町の図書館のパソコンでプラスアルハが運営する同様のサービスに『子ども情報ステーション』を使えればいいと祈る。  子どもがすこやかに生きていける社会はどうすれば可能になるのか、を「少子化対策」を議論する前に考えたい。

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