とても面白かったです! 前作の「図書室のはこぶね」で、エーリッヒ・ケストナーの「飛ぶ教室」に出会い、私のお気に入りの一冊になりました。 今作も、前作と世代は変わっていますが、野亜高校を舞台にした心温まる素敵な作品です。 宮沢賢治を研究する同好会「イーハトー部」の部長であり、宮沢賢治を愛する明るく優しい風見先輩が、ある日突然不登校になり、連絡も途絶えてしまいます。 先輩から最後に届いたメッセージを宮沢賢治作品を元に紐解いていきます。 この「謎」が読む人を物語にグッと引き込みます。 作中に登場するさまざまな他の作品たちも魅力的に紹介されており、本作を読み進めつつ、早速読んだ作品もあります。 最後の章は、物語の終わりに向けてとても心が動かされる印象的なお話でした。 言葉のひとつひとつが心にとても響いて、 思わず涙がぽろり。 様々なことをみんなで支え合いながら乗り越えて、やがて、それぞれの「ほんとう」と向き合う。 私自身の「ほんたうのさいはひ」についても改めて考える機会を貰いました。 読書の幅を広げたい人、名作により深く触れたい人、理由は分からないけれど日々の生活に満たされないと感じている人…など、様々な人に読んで欲しい作品だと思いました。
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