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2020年6月30日にまたここで会おう 瀧本哲史伝説の東大講義 (星海社新書)

2020年6月30日にまたここで会おう 瀧本哲史伝説の東大講義 (星海社新書) 瀧本 哲史(著)☆5 基本的に20代向けに行われた伝説と言われる瀧本氏の東大講義の書き起こしである。 ちょうど8年前、私はすでに30代中盤に差し掛かっており、何を成すべきかなど考えずにいた。 この講義に出会っていたら大きく変わっていたのでだろうか? 多分、変わっていただろう。 文章にしてもまだその熱量は保っており、文章が圧倒的な知識量とともに流れ込んでくる。 一気に読了した。 この本(講義)のなか、最後にすべてが繋がっていると言ってはいるが、特に伏線が張っているわけではなく、そこには「自分で考えて、自分で動く必要があるよ。君はどうだ?」と挑発が一貫して隠れている。 まさに右手にロジック、左手にレトリック 最後にまとめてある”武器”をまとめてもひとつの話が出来上がる。 第一檄 ・奴隷でも、猿でもなく、「人間」になろう ・本を読んで終わり、人の話を聞いて終わりではなく、行動せよ! 第二檄 ・「正解」なんてものはない ・自分の人生は、自分で考えて、自分で決める。 ・そのための「思考の枠組み」として、リベラルアーツがある。 ・自分自身を拠りどころとするために、学べ! ・まずは「言葉マニア」になろう。 第三檄 世界を変える「学派」をつくれ ・パラダイムシフトとは、「世代交代」である。 ・君と君たちが正しい選択をし続ければ、いつか必ず世界は変わる! 第四檄 ・弱者こそ、「交渉」という名の武器を持とう ・常に「相手の利害」を分析せよ! 第五檄 ・自分の仮説を、試せ! ・見込みのある人を、支援せよ! ・仲間を、探せ! ・目的のために、つながれ! 「何かすごいリーダーをひとりぶちあげるより  世の中を変えそうな人をたくさんつくって、  誰がうまくいくかわからないけれども  そういう人に武器を与え、支援するような活動をしたほうが  実際には世の中を変えられる可能性が強いんじゃないか?」 「世の中を変える活動を裏で支援する  若きゲリラたちの軍事顧問でありつづけたい」 「自燈明(じとうみょう)  自ら明かりを燈せ。  他の誰かがつけてくれた明かりに従って進むのではなく  自ら明かりになれ」 まさに自分は何を成すべきか? 最初から最後まで静かに焚きたて、最後に青い炎にしてくれる言葉のチョイス 感服しました。

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