さんの書評2022/03/252いいね!

感心するが、心配でもある

お腹をすかせた小学生の姉と弟。働き者だが低所得者の母を支える。私が子どものころにこの本を読んだとしたら、数々の節約おかずレシピとそれを作れる主人公に感心しただろう。それに、がまん強く弟の世話をする姿にも。 けれど、大人の立場で読んでしまうと、どう考えても、このままで事態が好転するとは思えない。それに、お母さんは現実に生活保護を受給している知り合いのことをよく思っていないようだから自分から支援を求めには行かないだろう。スーパーで万引きする客を目撃するシーンでははらはらした。もしかしたら、追い詰められた少女が弟のために何か食べ物をとってしまうことになるのか?と。 お母さん以外に関わってくれる大人がいれば、と思う。弟が行く学童で、または、小学校で。 気前よくおごってくれる友人父子はこの家族にとの程度関わるのか? 所得の格差が広がって困窮する母子家庭の一例を描いた本作は、各個人では何ができるか、当事者以外は何ができるか、を考えるきっかけになった。小学生の弟が「なぜ、うちはびんぼうなの?」と問う。1985年から、福祉を家庭に任せるために専業主婦を優遇し、女性が安定した職につけない制度にしたからよ、でも、だんだん男性も安定した職を探すのは難しくなってるの、とつぶやく。

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