さんの書評2021/09/01

コロナ渦の中、フィリピン慰霊巡拝されたことは大変貴重な経験です。戦後76年が経過

コロナ渦の中、フィリピン慰霊巡拝されたことは大変貴重な経験です。戦後76年が経過し、先の大戦の戦争の記憶が時間の風雪の中で、細く短くなり今にも消えないかと心配になります。孫の世代の慰霊に感謝と心から合掌するのみです。こういう本としては表現も若い世代が書かれたということもあり、資料や戦史の追求のみに偏らず、現地での文化の違いによるお話や、風景描写も巧みで、楽しく読み進めます。こういうどの世代にも読みやすい本の内容や表現は映画「この世界のかたすみに」に近いものがあると思います。親しみやすく書かれていますし、肩の力を抜いて楽しめる記述もありますが、祖父への手紙や、祖父の戦没地近くの慰霊では心に迫る表現をされていまい。孫の世代が書かれたこういう本は貴重ではないかと思います。戦争についての表現や受け取り方も、良い意味で時代とともに変わっていくものだと感じます。戦争の記憶を絶やしてはいけない、時代にあった語り部が必要だと痛感します。

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