さんの書評2016/12/281いいね!

悪癖の科学

この本の著者はイギリスのキール大学の講師であり、「悪態をつくことによって苦痛を緩和する」研究で、イグ・ノーベル賞を受賞している専門家で「性交渉」、「酒」、「悪態」などについて、社会的に悪いと言われていることにも効用があるのではないか? と問いかけているものである。 それぞれの実験結果から客観的な結論を導き出すためにその反証実験も紹介されており、バランスの取れた内容になっている。 「第1章 相手かまわず」 クーリッジ大統領夫妻の会話から「クーリッジ効果」と言われる性行動の現象を表す言葉が生まれた。交尾を繰り返し、消耗しきり今までのメスでは反応しなくなったオスでも新しいメスの登場で瞬く間に蘇ることを示す言葉 「第2章 酒は飲め飲め」 ラット御殿からモルヒネに関する常習性を実験しており、常習性は環境もしくは身辺からのストレスから起こり得るものであることを示していた。 「第3章 チョー気持ちいい」 悪態をつく言葉を口にすると痛みに大勢が向上した。 また厳粛な場(学会など)で口にする少しの悪態は信頼性を向上させるもの 「第4章 アクセルを踏み込め」 運転でスピードを出しすぎる理由が2つ提唱されていた。 刺激欲求性:女性より男性に強い傾向があり、スカイダイビングなど刺激が強いものに惹かれる フロー理論:目新しさと課題を克服した達成感が楽しい気持ちを作っている。ほかのことは忘れて課題に没頭し、課題をこなす「フロー」状態(ゾーンに入った)になり、それらをクリアした際の達成感を味わいたいからとした。 「第5章 恋をしましょう」 恋はただの幻想に過ぎず、その要因となるものはほぼ興醒めなものであり、それを達成するためには複雑で難しい作業をこなす必要があり、肉体的・心理的・社会的にも害悪を与える場合がある。でもたとえ恋がそんな危険な行為だとしても、いくつかの効用はあるらしいです。ちなみに愛と恋は勿論異なります。 「第6章 もっとストレスを!」 第4章アクセルを踏み込めに近い内容であるが、より死に近い状態を論じている。 つまり、走馬燈は本当に起こるのかそれは脳内でのみ起こることなのか、実際に時間が長く感じられているのかを証明しようとしたが難しいものであった。 「第7章 サボリのススメ」 連続して集中し、勉強するより短いタームを何度も繰り返して時間を使う方が効果的である。 「第8章 ダイ・ハード」 臨死体験から幽体離脱が本当にありうるのかを調査したが、証明できなかった。 但し、死ぬ時が訪れたとき重要なのは「後悔なく自分に正直に生きること」である・

この書評がいいと思ったら、押そう! » いいね!

共有する: