紹介
震災から七年、復興は地域の衰退を加速しただけだった――。
希望を奪い、コミュニティを分断する公共投資。原発をめぐる空回りする議論。賛成と反対、敵と味方に引き裂かれた日本で、異なる価値観が交わる「潮目」をいかにして作り出すのか。福島県いわき市在住のアクティビストが辿り着いたのは、食、芸術、観光によって人と人をつなぐ、足下からの「地域づくり」だった。「課題先進地区・浜通り」から全国に問う、新たな復興のビジョン。
電子批評誌『ゲンロンβ』の好評長期連載を大幅加筆した、待望の単行本!
柳美里氏、後藤正文氏、志賀忠重氏推薦!
いままさに、転流時である。
本書を読んで、潮目を見定めてほしい。
――柳美里(作家)
僕らに必要なのは、ボーダーを行き来する思考の旅だ。
――後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)
原発事故があって真剣に未来を考えるようになった。
娘や息子たちに伝えたいことが満載だ。
――志賀忠重(いわき万本桜プロジェクト)
目次
はじめに
第1部 食と復興
第1章 いわきの現場から
0 福島の食
1 潮目の地にて
2 豊間から考える
3 引き裂かれた福島
第2章 うみラボの実践
第3章 バックヤードとしてのいわき
1 かまぼこと原発
2 ブランドとコモディティ
3 復興と破壊
第2部 原発と復興
第4章 復興とバブル
第5章 ロッコクと原発
第6章 原発をどうするのか
第3部 文化と復興
第7章 いわきの力
第8章 被災地と地域アート
第9章 誤配なき復興
おわりに