目次
はじめに
第1章 変容するプライバシー
1 プライバシーの変容
2 プライバシーをめぐるいくつかの変化
第2章 データ・ダブルとファンタジー・ダブル――情報生産の問題としてのプライバシー
1 プライバシーと秘密、隠蔽――プライバシーは隠しごとではない
2 個人情報生産の問題としてのプライバシー――データ・ダブルとプライバシー
3 プライバシーとダブルの問題――ファンタジー・ダブル
4 情報の価値化と生産
5 ファンタジー・ダブルとデータ・ダブルの違い
6 今日のデータ・ダブルとプライバシーの変化
7 ダブルの変化と変容――かつてのプライバシー問題も、もう一つのダブルの生産である
第3章 〈私〉は誰がつくるのか――生産の主体の問題
1 〈私づくり〉の主導権争いとプライバシー
2 近代に始まった〈私づくり〉とプライバシー
3 自己アイデンティティの電子化――『ザ・インターネット』
第4章 内面からデータへ――生産の拠点の問題
1 心の社会と内面を中心とするプライバシー観
2 プライバシーの変容と個人の内面の空洞化
3 心の社会から情報管理の社会へ
第5章 脱親密の社会――自己を支えるものの変遷
1 親密さの歴史的性格と親密さのプライバシー
2 家族による社会コントロールの機能とプライバシーのコスト
第6章 身体とプライバシーの変容――身体がもつ社会的意味の変化
1 身体とプライバシー
2 ゴフマンの社会学とプライバシーとのかかわり
3 プライバシーの変化と身体の解放?
4 情報化する身体と社会関係の電子化――身体的関係から電子的関係へ
第7章 個人の聖性とプライバシー
1 個人の尊厳とは
2 第二次的調整と個人の聖性
3 プライバシーと個人の聖性
4 脱聖化されたプライバシー
第8章 個人記号の計量学
1 個人のシンボルの重さ、軽さ
2 プライバシーの機能――個人のシンボルの軽さを救う社会装置
3 シンボルの重さを確保する社会装置の変遷
おわりに