目次
序 「政治的大変」を準備した伏流に聞け「わだつみの声」
金成洋治の章 細川護煕の側近として日本新党に新しい政治文化を胚胎
錦織淳の章 新党さきがけの「正系」として元首相に死闘を挑む
三浦博史の章 「平成維新の会」事務局長として〝生活者主権〟を提唱
松原脩雄の章 社会党のペレストロイカに破れて小沢一郎の新進党へ
高木郁朗の章 社会党・総評ブロック発の政治再編、「よりまし政権」を求めて─
仲井富の章 山岸章の名代として「殿様連合」を仕掛ける
河野道夫の章 村山首相を首席秘書官として支えた〝仏教社会主義者〟
若尾光俊の章 日本に「オリーブの木運動」の移植を試みた元浪人全共闘
住沢博紀の章 ローカルパーティという新しい政治文化の仕掛け人
松本収の章 民主党を孵化させ政権交代を仕込む
あとがき
初出一覧
参考・引用文献
戦後政党史 1945-2010
登場人物注
1989年以降の各党の議席数の増減
1992年以降の主な政党の流れ
人物索引
事項索引
前書きなど
今こそ二〇年間の政治的激動の「総括」がなされる時期がきていると思われる。
そこで危惧されるのは、高くて大きな所から「大きな物語」が語られるいっぽう、伏流水のなかにある「小さな言葉」は無視されてしまうことだ。つねに歴史は勝ち残ったものたちの歴史である。しかし、ようよう訪れた「政治的大変」の未来を歪めず豊かにするためには、伏流の中にこそ声を聞かねばならない。
長年政治の末端に関わってつくづく思うのだが、永田町の大政治家の「大言語」、大新聞政治部の「大言語」は、そのほとんどが二次情報に拠っており、生きた政治の現場からは遠く遊離している。
本書では、今回ついに生起した「政治的大変」を準備してきた伏流水のなかに「わだつみの声」を聞きあつめながら、「政治的大変」がどこからきてどこへいこうとしているのかをしかと見定めたい。そして、それを高くて大きな所にいる「大政治家」たちにもぶつけてみたいと思う。
(序 「政治的大変」を準備した伏流に聞け「わだつみの声」より)