目次
第1章 漢詩概説
1.『詩経』から魏晋南北朝の詩まで
I 『詩経』と『楚辞』 / II 漢・魏・六朝の詩 / III 詩論の構築
2.唐代の詩
I 初唐 / II 盛唐 / III 中唐 / IV 晩唐
3.宋代の詩
I 北宋と南宋の詩 / II 晩唐・五代と宋代の詞
4.元・明・清代の詩
I 金・元・明詩 / II 清詩の三大流派 / III 詩界革命
5.日本の漢詩
I 王朝・五山時代の漢詩 / II 江戸時代の漢詩 / III 明治以降の漢詩
第2章 近体詩——絶句と律詩
1.押韻と平仄
I 漢詩の押韻 / II 四声と韻書 / III 現代中国語音と「中華新韻」 / IV 律句平仄式の基本型 / V 平仄の口訣とその問題点
2.絶句・律詩の平仄式
I 主要規則 / II 五言絶句 / III 七言絶句 / IV 五言律詩 / V 七言律詩
3.対句
I 近体詩の対句 / II 対句の基本類型 / III 絶句にも対句 / IV 前・後三対格の律詩 / V 全対格の絶句・律詩 / VI 律詩の偸春格 / VII 対句のない律詩
4.起承転結
I 起承転結という作法 / II 絶句・律詩の起承転結 / III 起承転結をめぐる賛否両論
5.「同字の禁」のナゾを解く
I 「同字の禁」のナゾ / II 詩の展開に必要な同字 / III レトリックとしての同字 / IV 「同字の禁」の指す同字
6.拗句救拯のための「救拗」
I 救拗 / II 拗句の救拯 / III 救拗のパターン / IV 拗体と失粘 / V 拗体律詩
第3章 古体詩と詞
1.古体詩の種類
I 四言・五言・七言・雑言 / II 楽府・歌行・古絶 / III 柏梁体と聯句
2.古体詩と近体詩との違い
I 平仄と押韻と対句 / II 判定の基準
3.詞の形式
I 詞と詞牌 / II 詞の平仄と押韻と対句
第4章 作詩・鑑賞関連の諸問題
1.同一文字連用のレトリック
I 白居易の詩から見た同字連用のレトリック / II 「銜字対」と「掉字対」の応用 / III 畳語と連珠対 / IV 同一語句の反復——相対 / V 同一語句の反復——接続
2.種々の救拗
I 句中救拯 / II 聯中救拯 / III 一石二鳥の救拯 / IV 救拗の基本原理 / V 複合救拯 / VI 孤平・平三連と孤仄・仄三連 / VII 七言第1字の平仄
3.借韻と通韻
I 借韻と通韻の違い / II 近体詩の借韻 / III 近体詩の通韻 / IV 寛韻と窄韻
4.出韻と両韻
I 出韻の問題 / II 「中華新韻」と出韻 / III 両韻の問題
5.唱和——和詩と和韻
I 和詩と和韻 / II 頼山陽と梁川星巖の次韻詩 / III 森鴎外の次韻詩
6.漢詩のリズム
I リズムと意味構造とのズレ / II 五言の場合 / III 七言の場合
7.声韻のズレ
I 実際の語音とのズレ / II 漢詩の「異読」
8.借対
I 借音対 / II 借義対 / III 夏目漱石の借対
9.対句のあれこれ
I 実字と虚字 / II 同類対と異類対 / III 合掌対と同体対 / IV 当句対の応用 / V 双声対と畳韻対 / VI 隔句対と交股対
10.省略と倒置
I 語句の省略 / II 倒置のパターン / III 複雑な倒置
11.詩句の構造
I 詩句と複文 / II 1句の複文 / III 流水対 / IV 2句から成る複文 / V 2句から成る単文
12.詩語の活用
I 詩語の活用と翻案 / II 換骨奪胎と「点鉄成金」 / III 詩語の活用(杜甫の場合) / IV 詩語の活用(蘇軾の「青山一髪」) / V 詩語の活用(良寛の場合) / VI 詩句の借用と集句詩
13.漢詩の用典
I 漢詩と用典 / II 用典の得失 / III 用典の成敗 / IV 隠し典故 / V 典故の翻訳
14.苦吟と改詩
I 苦吟 / II 推敲と錦嚢詩と「閉門覓句」 / III 改詩 / IV 改詩の実例(張継と王安石) / V 改詩の実例(頼山陽と夏目漱石) / VI 詩眼と一字の師
15.漢詩の詩題
I 漢詩特有の詩題 / II 寄・贈と酬・答と和・示 / III 題と書と戯 / IV 憶・思・懐・念と哭・悼と感・遣 / V 送・別・逢と宿・泊・過・登・望・遊と尋・訪 / VI 賦得と分題・探題と分韻 / VII 口号・口占と偶作・偶成と即事 / VIII 「無題」の詩 / IX 詩句の一部または全部を詩題に
第5章 漢詩の鑑賞
1.五言絶句
I 李白の「秋浦の歌」 / II 王維の「鹿柴」
2.七言絶句
I 王安石の「夜直」 / II 蘇軾の「湖上に飲し、初め晴れ後に雨ふる」
3.五言律詩
I 白居易の「古原の草」 / II 李商隠の「涼思」
4.七言律詩
I 杜甫の「登高」 / II 杜牧の「宣州開元寺水閣に題す」
第6章 漢詩の作詩プロセス
1.作詩の準備
I 初心者向きの詩体 / II 詩語の蓄積 / III 声韻の把握
2.作詩の実際
I 作詩の第一歩 / II 詩句の組み立て / III 造語は禁物 / IV 題のつけ方
3.作詩後の確認と点検
I 平仄と押韻の確認 / II 全般的な点検
附録
附録I
1.絶句・律詩の平仄式 / 2.救拗
附録II
1.簡易韻字表 / 2.韻目表(平水韻)
附録III
看雲樓詩鈔 バージョンI / バージョンII / バージョンIII
あとがき