紹介
「くまのがっこう」20周年記念!
作者の子どもたちへの想いと子育てのヒントがいっぱい詰まった講演会で大人気の話が初めて書籍化された、ハートフル子育てエッセイ絵本。ファンはもちろん、日本中のパパママに読んでほしい本。
累計200万部を発行し、日本を代表する絵本シリーズとなっている「くまのがっこう」。この絵本シリーズは、作者のあいはらひろゆきの長女誕生がきっかけになって制作された。共働きの作者が毎日の子育て生活の中で感じたもの、子どもたちへの様々な想いから絵本のストーリーが紡ぎだされた。作者の子育て経験やパパママたちへのメッセージは講演会で大人となっており、20周年を記念して、初めて今回書籍化された。もちろん、「くまのがっこう」の絵もふんだんに楽しめる絵本エッセイでもある。
目次
目次
0 はじめに
1 くまのがっこうとは?
2 くまのがっこう」が生まれたところ
3 あたりまえのしあわせを届けたくて
4 今の暮らしがずっと続いたらいいなあ
<制作秘話1> 実は寮母さんがいた?
5 子どもらしさと向きあう
6 子どもの涙ってすてき
<制作秘話2> キルトのお布団は作者からの贈り物
7 近すぎて見えないもの
8 あなたのたからものはなんですか?
<制作秘話3> 野ネズミチェリーの夏の恋?
9 一生懸命さそのものを愛おしもう
10自分はいつも愛されていると感じさせよう
<制作秘話4> くまのがっこうファンのあたたかさ
11 おにいちゃんたちの深い愛情
12 美しいものに触れる
13 こんなに愛されるのは親であるあなただけ
<制作秘話5> なんでここで迷路?
14 他人を思いやる心を育てる
15 生まれ出る命との出会い
<制作秘話6> くろくまチャッキーの歌
前書きなど
はじめに・・・くまのがっこうが生まれたところ
絵本シリーズ「くまのがっこう」は、2002年の8月に生まれました。
最初は全然売れませんでした(笑)。ほんとです。
サイン会に人が来なくて、通りがかりの人に声をかけて、不審者扱いされたこともあります。(笑)でも、おかげさまで少しずつ応援してくれる人が増えて、今ではロングセラー絵本に成長しました。読者の皆さんのおかげです。この場を借りてお礼を言います。
ここでは、「くまのがっこう」がどうやって生まれたかを紹介します。
1999年に娘が生まれて、ぼくは「よきパパ」になろうと決意しました。
決意したのはいいんですが、何をやっていいかはわかりません。
そこで娘に絵本を読んであげることにしました。
当時のぼくは絵本とは全く縁遠い生活をしていました。
そこで、絵本紹介サイトや雑誌なんかを見ておすすめ絵本を大量に買い込みました。
100冊以上買ったと思います。
それを当時3か月くらいの娘に片っ端から読み聞かせしました。
娘はまだ3か月ですから、何を読んでもバブバブ言ってるだけです。(笑)
でも、ぼくはいろんな絵本を読んでいくうちに絵本の魅力にはまっていきました。
絵本は基本的にポジティブです。自然の素晴らしさや家族のあったかさ、言ってみれば「生きることの素晴らしさ」をシンプルに伝えるものばかりです。
次々に気に入った作家の絵本を読み、ついには自分でも書いてみることにしました。
そうやって、ぼくがはじめて書いたのが「くまのがっこう」です。
当時、娘は保育園に通い始めていました。
共働きだったので、保育園の送り迎えはぼくの担当でした。
そこで見た子どもたちの姿、保育園のあったかな、そして幸福な暮らし。
やさしい先生たちや、かわいかったりやんちゃだったりする子どもたち。
ぼくはすっかり保育園が大好きになりました。
子どもたちは、みんな頭が大きくて、手足が短く、おなかがぽこんと出ています。
危なっかしくトコトコあるいてはコテンとコケたり、まるで、くまのぬいぐるみでした。
そのくまのぬいぐるみたちが園の中で、みんなでおやつを食べたり、絵本を読んだり、おそうじしたり・・・そのかわいいことと言ったら。
友人だった画家のあだちなみさんがくまのぬいぐるみが大好きだったので、彼女にくまの子たちの絵を描いてみてもらいました。
彼女は便せんにたくさんのくまのぬいぐるみの絵を描いてきました。
1枚の紙の中でたくさんのくまの子たちが思い思いのことをしている絵を見て、ぼくは
「これってくまのがっこうだね」とあだちさんに言いました。
それが、まさに「くまのがっこう」が生まれた瞬間です。
ぼくは日々娘の子育てをしながら、「くまのがっこう」のお話を書きました。
毎日保育園や公園に通い、子どもたちの暮らしに触れながらアイデアを練りました。
「くまのがっこう」の中には、僕の子育ての経験や子どもへの想いが詰まっています。
新米ママパパには子育ての楽しさを知ったり、ちょっとしたヒントになると思います。
「くまのがっこう」ファンには、ぼくが作品に込めた想いを知ってもらえると思います。
あだちさんのかわいくて、繊細な「くまのがっこう」の絵をたくさん載せました。
それだけ見てもらってもいいです。(笑)
ぜひ、楽しんでください。
あいはらひろゆき