目次
序章
社会史と寺社参詣史
旅行史の到達点と課題
藩政史と旅行史
問題意識と初出一覧
第一章、近世前中期の米沢藩主の葬送儀礼と高野山納骨
近世の藩研究と藩主葬儀
前中期米沢藩主葬儀における真言宗寺院の役割
塵焼と灰寄
本葬
城下町衆の役割
高野山納骨と祖廟納牌
米沢藩の葬儀改正史
第二章、米沢藩領における宗教政策と修験・寺社参詣
近世宗教の見方と国家への位置づけ
米沢藩の真言宗重用と御堂制
修験支配と当山派の重用
幕府による宗教争論への介入
置賜地方からの湯殿参詣習俗の成立
藩と宗教
第三章、米沢藩の自給自足政策と国益思想
近世中後期の藩政改革と経済思想
国益思想の系譜
米沢藩の改革期の経済政策
東北諸藩の特性と今後の課題
第四章、米沢藩の旅人統制と国益思想
幕藩権力と人の移動
出国者への対応
寺社参詣統制令の経過
入国者への対応
東北諸藩の事例
旅人統制令・勧化統制令の評価
第五章、東北地方における山岳信仰と人生儀礼―置賜地方を事例として―
通過儀礼と山岳信仰
東北の山岳信仰の普遍性と特殊性
飯豊山信仰の実態
近世における成年式と村落共同体
人口の安定化と成年式の厳格化
第六章、近世の寺社参詣―東北南部の伊勢参宮
日本史上における伊勢参宮の意義
中世の熊野信仰と、西国巡礼と伊勢参宮
中近世移行期の寺社参詣
近世の伊勢参りの実態
外宮と内宮
民衆の伊勢神観と天皇観
伊勢参宮史研究の可能性と課題
第七章、再考・日本近世の寺社参詣の文化人類学的考察―行動文化論の深化
行動文化論の再検討
欧州の聖俗論と死・再生論
日本の聖俗論
自己解放論の有効性―「精神的自己解放」と「身体的自己解放」
日本近世寺社参詣の儀礼過程
結論
おわりに
米沢藩の特殊性と旅
宗教の民衆化と東北の風土
あとがき
索引(人名・事項)