前書きなど
この本は、自分の足を自分で揉み、
自分の健康管理をするための手引書です
足もみはけっして特別な技術ではありません。疲れたときについ肩や背中をたたいたり腕をさすったりする、そんな自然な癒しの動作です。ただ現代生活では足に対する関心がとても薄く、身近な存在でないために足もみが特別に思えるだけなのです。
「健康がなにより」と人はよく言います。身体のどこにも痛みのない心地よさは何ものにも換えがたいものです。
人は二本足で立っている動物ですが、それを可能にしているのは足です。体重のすべてを支えている足に異常をきたしたら、身体のどこに不愉快な症状が出てもおかしくありません。
この『折田式足もみ健康法』は、足を揉んで健康を回復しよう、健康を維持しようと願う人のために、六十七の反射区を手指や道具を使って刺激する方法を私の二十五年の治療家としての集大成としてまとめたものです。
タイトルに無痛台湾法とありますが、一般的な「台湾式足もみ法」は痛みを伴います。元々私が学んだ足もみ健康法は「痛みを感じる方が良い」という考えに基づいていました。私は良かれと思って痛く揉んでいたのです。しかし、四、五年ほど経った頃、ふとしたきっかけがあり、痛みを感じさせないで硬いところを柔らかくできることを経験しました。そのとき以来、学んだ方法を忠実に行うことに疑問を感じ、もっと工夫ができると考えるようになりました。「ソフト足もみ」と称して、共に学んだ他のスタッフとは違うことをやりだしたのです。独立してからは、痛みをより少なくする工夫を重ねました。
足の反射区は足首から下の部分に集中していますが、その反射区を柔らかくすることは、ひとえに血行が良くなった結果なのだと分かってからは、足だけでなくふくらはぎや大腿などもほぐして血行を良くすることを始め、太腿の付け根から指先までを足もみの対象としました。さらに今日では、足もみが一段落した後にベッドにうつ伏せになっていただいて、頭のてっぺんから足の指先までマッサージしています。足の筋肉は腰から背中、首から肩まで繋がっていますので、足もみ効果がこの方法で長続きするのです。
学んだ通り、「痛みがあるほうが効果的」という人もいます。それは好みに応じて選べば良いことだと思います。
肝心なのは足の反射区を刺激することです。健康を願いながら自分で自分の足を揉むと更に効果は高まります。
自分の身体には足があり、現在どういう状態で、これからどういう状態になりたいかという意識を持つことで脳の健康情報はいつも最新に書き換えられます。しかし、逆にあまりにも意識しすぎて、義務感で足もみをするのも効果的とは思えません。これからご紹介する足もみは「健康法」です。健康法は毎日のように継続して行うことがまず大切です。義務感ではなく、楽しみながらリラックスした気持ちで気長に行うことが身体の持つ自然治癒力を高めることになります。
この本は、自分の足に関心をもち、自分の足を自分で揉み、まず自分の健康管理をするための手引書です。また、病気にかかりにくい抵抗力・免疫力を持った身体をつくるためにも、足もみの習慣を身に付けられるように工夫して編集されています。
心と身体は一つです。心に念じながら足もみを行うと必ず健康になります。根本的には血液の循環が良いことが健康なことです。足を揉んで血行を良くして、さらに心を込め、細胞を活性化させましょう。
折田充