目次
一章 私の労働研究─テーマと問題意識
はじめに
1 研究史の初期(一九六七~七八年)
その時代/初期のテーマと問題意識/著作
2 研究史の中期(一九七九~九六年)
その時代/問題意識・テーマ・方法論/著作
3 研究史の後期(一九九七年以降)
この時代の研究環境/著作/むすびにかえて
二章 われらの時代の働きかた
はじめに
1 シューカツをめぐって
2 なにが就職の「成功度」を決めるのか
3 非正規雇用とキャリア分断
4 流転の職歴
5 有期雇用を規制する必要性と可能性
6 正社員のしんどさの根にあるもの
7 ノルマのくびき
8 人べらしの修羅
9 パワーハラスメント論序説
10 〈被差別者の自由〉のゆくえ─女性労働論の今日
11 産業民主主義と組合民主主義
三章 公務員バッシング対抗論─橋下「改革」と公務員労働組合
1 組合つぶしの論理と背景─新自由主義と大阪市の事情
2 日本の公務員労働運動─厳冬の風土と季節
3 公務員の労働条件維持にどう取り組むのか
4 公共部門の労働運動に期待されるフロンティア
四章 労働・社会・私の体験─ホームページ・エッセイ抄
1 仕事のありかたをめぐって
福島第一原発の「復旧」作業を担う人びと/卒業して五年─浜野美帆の軌跡/労働者としての教師/関越自動車道の事故に思うこと
2 日本社会の影をみつめて
若い世代の貧困と医療格差/小さな生活圏のいじめと暴力/熱中症に斃れる貧しい高齢者/大津市立中学校のいじめ自殺
3 回顧と体験
わが街四日市で脱原発を訴える市民デモができた!/研究会「職場の人権」の再出発/わが高校時代の新聞部活動─桜宮高校事件にふれて/五月の一〇日間/追悼・熊沢光子
五章 書評と紹介─近年の読書ノートから
はじめに
1 労働の世界
スティーヴン・グリーンハウス『大搾取!』/飯島裕子、ビッグイシュー基金『ルポ 若者ホームレス』/西谷 敏『人権としてのディーセント・ワーク』/戸村健作『ドキュメント 請負労働180日』/榎本まみ『督促OL修行日記』/森岡孝二『過労死は何を告発しているか』/伊藤大一『非正規雇用と労働運動』
2 現代日本の社会と生活
A・ファーロング、F・カートメル『若者と社会変容』/本田由紀『教育の職業的意義』/宮本太郎『生活保障』/岩村暢子『家族の勝手でしょ!』/ノーマ・フィールド『天皇の逝く国で』/井上芳保編著『健康不安と過剰医療の時代』/生活保護論 ふたつの好著
3 日本近代史・現代史の諸相
夏木静子『裁判百年史ものがたり』/草野比佐男詩集『定本・村の女は眠れない』/アンドルー・ゴードン『日本労使関係史 1853~2010』/菊池史彦『「幸せ」の戦後史』/大田英昭『日本社会民主主義の形成』/水溜真由美『「サークル村」と森崎和江』/鄭玹汀『天皇制国家と女性』
4 アラブ世界から
デボラ・ロドリゲス『カブール・ビューティスクール』/アミン・マアルーフ『アラブが見た十字軍』
六章 スクリーンに輝く女性たち
はじめに
1 女たちの絆
『女の子ものがたり』ほか─生きがたさを超えて/『フローズン・リバー』の溶けるとき
2 歴史の原罪をわが身に負って
『サラの鍵』─フランスの過去のあやまちをみつめて/『オレンジと太陽』─福祉国家の影を問う良心/『東ベルリンから来た女』─そこにあえて留まること/『故郷よ』─失われた大地の語り部として
3 狂気の時代を生きぬく
『悲しみのミルク』─トラウマを解き放って/『愛の勝利を』─精神病院の内と外/『キャタピラー』─若松孝二作品の頂点/『清作の妻』─軍国の明治の村を刺し通す/『やがて来たる者へ』─殺戮の彼方に届くまなざし
4 闘う女たちの群像
ドキュメント『外泊』にみる解放の息吹き/『ファクトリー・ウーマン』─ノンエリート的階級意識の光/『追憶』─忘れられない青春の名作
終章 回想記・労働研究の道ゆき
1 青春前期の模索
2 徒弟時代
3 自立のとき─研究と生活の条件に恵まれて
4 働きざかり─労働者の実像をもとめて
5 ゆるやかな登り坂─状況批判のさまざまの試み
6 高齢期の日々
7 顧みて思えば
資料:著書リスト/共著(収録論文)リスト
あとがき