紹介
吉本隆明、渡辺京二、田川建三、村瀬学、清水眞砂子、小浜逸郎、勢古浩爾……40年間、著者と伴走してきた小川哲生は、どのようにして編集者となり、日々どのような仕事のやり方をしてきたのか。きれいごとの「志」などではない、現場の本音が語られる。
前代未聞の「著者への執筆依頼状」を含め、仕事の中身を大公開! 本書は400冊を超える人文書の貴重な「メイキング」でもある。あらゆる分野のクリエーター必読。
★「あとがき」より
文芸関係の編集者には、たくさんの回顧談があり、それが貴重な文学史的証言の記録になっているが、わたしのような人文書の編集者にはあまりその手の本が見られない。到底貴重な証言ともなっていない。本書では、恥を忍んで、あえて執筆依頼の手紙も若干挿入してみた。当時の思いを少しでも再現したいと思ったからである。ここを誤解してほしくはないのだが、「いい気」になっての自慢ではけっしてないのである。それくらいの慎みはわたしにもある。
目次
第一章 「小さな会社だからこそ著者一番の仕事をもらいなさい」
第二章 たった四枚の原稿が優に一冊の本に匹敵すると実感するとき
第三章 その人は言った。大衆が豊かになることはいいことだ、と。
第四章 読者と書き手とを結びつけることができれば……