目次
1
和辻哲郎研究の視角
和辻哲郎の日本思想史研究の方法 ・・・日本精神史から日本倫理思想史へ
和辻倫理学とアリストテレス・・・民族性・倫理・心理
ポスト・モダンの時代と和辻哲郎(1988)
ポストモダンの時代と和辻哲郎(1989)
和辻倫理学の遺産と課題・・・風土・身体・芸術
2
和辻哲郎(『ブリタニカ国際大百科事典』より)
和辻哲郎(『近代日本哲学思想家辞典』より)
3
和辻哲郎・・・近代日本哲学の運命
序 回想の和辻哲郎
1 村の子の孤独
2 あれかこれか・・・美と倫理の間に
3 日本回帰の道
4 アカデミズムの異端
5 ヨーロッパの旅
6 マルクス主義とナショナリズム
7 戦争と文化
8 天皇制論争
9 太平洋戦争とは何か
10 和辻倫理学
11 日本思想史における近代
結び 晩年
和辻哲郎略年譜
解説 湯浅泰雄における『和辻研究」の意味 黒木幹夫
前書きなど
本巻は湯浅自身にとって、特別の意味を有している。それは、師としての和辻哲郎の存在によってこそ、哲学者としての湯浅泰雄が形成されてきたからにほかならない。和辻哲郎に対する湯浅の立場は、湯浅自身による次の言葉にありありと示されている。「要するに、和辻さんを通してはじめて哲学の世界に入門したといってもいい」。「私の今の気持としては、和辻学の成果を吸収しながら、その足りないところをいかに克服するかという点に、自分のこれまでの歩みがあったようにも感じています」。実はこの「歩み」は、本解説が明らかにするように、湯浅の晩年まで継続されることになる。
(解説「湯浅泰雄における『和辻研究』の意味」 黒木幹夫 より)