目次
第1章 子どもの心身の健康と保健の意義
(1) 生命保持と情緒の安定に関わる保健活動の意義と目的
(2) 健康の概念と健康指標
-1 「児童」と「子ども」
-2 健康の概念
-3 子どもの健康指標
-4 「健やか親子21(第2次)」
1. 母子保健施策
2. 周産期と子どもの保健
3. 合計特殊出生率
4. 新生児,乳児死亡率
5. 幼児死亡率
(3) 現代社会における子どもの健康に関する現状と課題
-1 子どもの貧困
-2 医療的ケア児
-3 病気や障害の予防と早期発見
-4 地域における保健活動と子ども虐待防止
1. 児童虐待の定義
2. 児童虐待のサイン
3. 虐待と成長障害
4. 児童虐待の対策
第2章 子どもの身体的発育・発達と保健
(1) 身体発育及び運動機能の発達と保健
-1 生物としての人の成り立ち
1. 受精と着床
2. 胎芽期
3. 胎児期
4. 成熟児
-2 器官の成立週数
-3 乳幼児期の身体発育の概要
1. 体重
2. 身長
3. 頭囲,胸囲
4. 大泉門
5. 体型
-4 発育曲線
1. 乳幼児身体発育曲線
2. 標準偏差を用いた発育曲線
-5 運動機能の発達
1. 粗大運動(全身を使う運動)
2. 微細運動(手指を使う運動)
(2) 生理機能の発達と保健
-1 呼吸機能の発達
1. 胎児期・新生児期の呼吸機能
2. 子どもの呼吸形式
-2 循環機能の発達
1. 血液
-3 免疫機能の発達
-4 消化機能の発達
1. 哺乳行動
2. 胃・食道
3. 小腸
4. 大腸
5. 肝臓
6. 膵臓
-5 尿排泄機能の発達
1. 腎臓
2. 排尿機能の発達
-6 水分代謝
-7 体温調節
-8 内分泌機能の発達
-9 睡眠・覚醒リズム
1. 年齢ごとの睡眠の特徴
-10 感覚機能の発達
1. 聴覚
2. 視覚
3. 味覚
4. 触覚
5. 嗅覚
-11 神経機能の発達
1. 神経系
2. 姿勢の発達
(3) 発達に即応した基本的生活習慣の形成
-1 生活リズム形成における睡眠の意義
1. 睡眠の意義
2. 睡眠リズム
3. 生活リズム形成への支援
-2 食習慣
1. 食育
2. 子どもの食生活の現状
-3 排泄の習慣
1. 乳児期の支援
2. 幼児期の支援
3. 排泄に伴う清潔習慣
4. おねしょ・夜尿
5. 排泄はデイリープログラム?
-4 清潔習慣
1. 手洗い
2. うがい
3. 口腔ケア
第3章 子どもの心身の健康状態とその把握
(1) 健康状態の観察
-1 登所(園)時・保育中及び降所(園)時
1. 登所(園)時の観察と対応
2. 保育中の観察と対応
3. 降所(園)時の観察と対応
(2) 心身の不調等の早期発見
-1 体温
-2 脈拍
-3 呼吸
-4 全身の様子
(3) 発育・発達の把握と健康診断
-1 健康診断
-2 身体発育の評価
1. やせと肥満の評価
2. 体重増加不良児の対応
3. 成長曲線によって見つかる異常
(4) 保護者との情報共有
第4章 子どもの疾病の予防及び適切な対応
(1) 子どもの疾病の特徴
(2) 保育の現場でよくある疾患
-1 感染症と予防接種
1. ウイルス感染症
2. 細菌感染症
3. その他の感染症
-2 先天異常
1. 先天異常とは
2. 染色体異常による疾患
3. 子宮内感染症
-3 アレルギー性疾患
1. 食物アレルギー
2. 気管支喘息
3. アトピー性皮膚炎
4. アレルギー性鼻炎・結膜炎
5. 川崎病
-4 消化器疾患
1. 肥厚性幽門狭窄症
2. 腸重積
3. そ径ヘルニア
4. 急性虫垂炎
-5 呼吸器疾患
1. 上気道炎
2. クループ症候群
3. 細気管支炎
-6 循環器疾患
1. 先天性心疾患
2. 不整脈
-7 血液疾患
1. 貧血
2. 血小板減少性紫斑病
3. 白血病
-8 悪性腫瘍であった子,悪性腫瘍である子
-9 神経系疾患
1. 髄膜炎・脳炎
2. 脳性麻痺
3. けいれん性疾患
-10 腎および泌尿生殖器疾患
1. 尿路感染症
2. 停留精巣
3. 包茎
4. 急性糸球体腎炎
5. ネフローゼ症候群
-11 皮膚の疾患
1. 伝染性軟属腫
2. 伝染性膿痂疹
3. おむつかぶれ
-12 眼の疾患
1. 視力に関する疾患
2. 結膜炎
-13 耳の疾患
1. 急性中耳炎
2. 滲出性中耳炎
-14 整形外科の疾患
1. O脚,X脚
2. 脊柱側弯症
3. 先天性股関節脱臼
-15 内分泌,代謝疾患
1. 低身長
2. 糖尿病
3. 甲状腺機能低下症
4. 小児期の肥満
5. 周期性嘔吐症
6. 先天性代謝異常
-16 人畜共通感染症,ペットからの感染
-17 乳幼児突然死症候群(SIDS)
前書きなど
今般の保育士養成課程等の見直しに基づき,ななみ書房では新版を発行するに至りました。子どもを取りまく環境は目まぐるしく変化していて,保育士養成においてはその変化に即応しながら子どもの最善のために尽力できる人材育成の方法が模索されています。
これまで保育士養成課程においては「子どもの保健Ⅰ」「子どもの保健Ⅱ」の中に,子どもの心理的側面の理解に関すること,精神保健に関すること,乳幼児の養護の実際などかなり多くの事柄が盛り込まれていました。この度の改正により『子どもの保健(講義2 単位)』『子どもの健康と安全(演習1単位)』に再編され,子どもの身体発育・発達の理解や健康状態の把握,疾病や事故の予防や対応など,保育における保健的対応に必要な基礎的事項を学ぶ科目として再編されました。「子どもの保健Ⅰ」「子どもの保健Ⅱ」に含まれていた内容は下記の新設科目や充実を図った科目に再編され,それらの科目とともに子ども理解をすすめることになりました。
「子どもの保健Ⅰ」「子どもの保健Ⅱ」に含まれていた内容の移行及び充実
「保育の心理学(講義2 単位)」
「こども家庭支援の心理学(講義2 単位)」
「乳児保育Ⅰ(講義2 単位)」「乳児保育Ⅱ(演習1単位)」
また,『子どもの保健』『子どもの健康と安全』は改定後の保育所保育指針や「保育所における感染症対策ガイドライン」を始めとした厚生労働省による各種ガイドラインを踏まえて教授することが求められています。それにより学生の皆さんが高い水準の均質化した知識やスキルを身につけることができます。
保育に関する各種ガイドラインについては,目次の後に意義や概要の一覧表を添付しましたので活用してください。
新版の著者には新たに,発達に問題のある子どもやその家族の診療を専門としている現役の小児科医,濱口典子先生に参加していただきました。さらに,幼稚園歯科医でもある平岩先生にコラムを書いていただいたことにより学際的になり,より実践力のある学生を育てることができるのではと思います。
「子どもの保健Ⅰ」「子どもの保健Ⅱ」で初登場したキャラクター,マッシーとココも犬も引き続き頑張っております。また,今回は『子どもの健康と安全』に新キャラクター「まめちゃん」が登場しました。ココも犬やまめちゃんは,関連する他のページを見てより広く,あるいは深く学習することを助けるキャラクターです。
皆様のご協力,ご助言により,新版発行に至りましたことを重ねて心から御礼申し上げます。