紹介
第1部は代数の基本が書かれていて、学部の半期の授業のための教科書として好適である。第2部は円分多項式を中心とした初等整数論で、暗号、符号への応用も示唆している。一部分を除けば高校生にも理解可能で、理数科の課題研究にも利用できる。特に基本となる位数定理は、フェルマーの小定理と同様、証明が非常に簡単で、応用力があることを知れば、円分多項式の力強さ美しさがわかるであろう。第3部は有限群の指標の基礎をコンパクトにまとめ、その応用として先人の仕事を紹介している。指標の理論は、それだけで簡明で美しいが、数学に限らず物理、化学等様々な応用があり、非常に力強さを感じることができる。フロベニウスの先見性には自然に頭がさがる。2部と3部は学部のセミナーに推奨したい。力強く美しい円分多項式、有限群の指標に、ぜひ出会ってみていただきたい。