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無意識と出会う ユング派のイメージ療法—アクティヴ・イマジネーションの理論と実践1

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詳しい情報
読み: ムイシキ ト デアウ
出版社: トランスビュー
単行本: 229 ページ / 358.0 g
ISBN-10: 4901510215  ISBN-13: 9784901510219  [この本のウィジェットを作る]
NDC(9) : 146.8

紹介

ユング派精神分析のもっとも重要な技法「アクティヴ・イマジネーション」を、ごく初期の事例にしぼって解説し、いつ、どんな場合に、どう導入するか、解釈の仕方、注意事項などを具体的に示す。
 分かりやすい事例をもとに、どうすれば実践できるかを具体的に説く初級篇。

目次

はじめに——内面の空虚と方向喪失への処方箋

第一章 アクティヴ・イマジネーションとは何か
 シンプルでほどよく奥深いマテリアル
 Aさんの事例
 コンプレックスの意味
 犬のイメージ
 生と死をめぐって
 攻撃する鳥
 敵の正体
 実践に向けて

第二章 ユングの分析心理学
 心の構造
 イメージと象徴
 個性化と全体性
 心の境界と共時性
 錬金術とクンダリニー・ヨーガ
 アクティヴな自我の重要性

第三章 実践のための予備知識
 イマジネーションという営み
 アクティヴとはどういうことか
 実践のための条件
 どんな問題に有効なのか

第四章 実践の方法
 実践のための一〇段階
 重い人格障害や精神病を抱えるイマジナーの場合

第五章 アクティヴな態度の効果
 任意の絵からはじめる方法
 Bさんの事例
 牛の象徴性
 解釈
 自我はアクティヴか
 アクティヴに遠慮する

第六章 パッシヴな態度の効果
 Cさんの事例
 解釈
 自我がパッシヴになるとき
 Dさんの事例
 解釈
 Eさんの事例
 解釈
 無意識は生きている

おわりに



あとがき

前書きなど

はじめに——内面の空虚と方向喪失への処方箋 

 自分の内面を見つめる方法はたくさんある。代表的なのはさまざまな心理療法だが、そのなかにさえ、深いところまでじっくり探求できるやり方はあまりない。無意識の内奥に隠された「超越的な癒しと救いの力」は、宝の持ち腐れ状態になっているのだ。ユング心理学で用いるアクティヴ・イマジネーションは、そうした力を引き出すために私たちが無意識と直接にやりとりできる、他に類を見ない方法である。

 アクティヴ・イマジネーションは、スイスの深層心理学者、カール・グスタフ・ユング(一八七五〜一九六一年)が発展させた精神分析と心理療法のためのテクニックである。この方法では、私たちが日頃、何気なく行なっている想像という行為が持つ可能性を徹底的に追求する。一般に、日常の想像活動はひどく漠然とした刹那的なものになっている。ある想像を何週間、何カ月にもわたって一つのストーリーとして発展させ続けてみる、ということを試みた経験のある人は、そうはいないだろう。にもかかわらず、ほとんどの人は、想像がもたらすものの限界を知っている気になっている。だが、ちがう。あなたは、その途方もない可能性をまだ知らない。

 無意識は、ふだんは意識されていないのだから、自我にとっては異質な他者である。しかし、異質であるからこそ、自我にはない力を秘めているのだ。そして、イマジネーション、すなわち想像こそが、そうした力にアクセスするもっとも確実な方法である。ただし、何かのイメージを漠然と思い浮かべているだけでは役に立たない。イメージに対するこちら(「私」、つまり自我)からの関わり方のコツを覚える必要がある。

 コツのひとつに、無意識とのやりとりを折衝(1)と見なすということがある。自我は無意識の力を借りたいが、主導権は手放したくない。一方、無意識の側は、自我の協力を得て少しでも意識化され、現実のものとなりたがっている。そこで、自我と無意識とが、イメージという共通の言葉を介して、互いに主張すべきは主張し譲るべきは譲って折衝しようというのが、アクティヴ・イマジネーションの原理なのである。

 イメージにはもともと自律性があるので、自我が邪魔さえしなければ、無意識自身の意志によって勝手に動く。つまり、何かのイメージがふと浮かび上がってくるわけだ。これは無意識からのメッセージである。それに対して自我がある行動をすれば(もちろんイメージの世界で)、そこには自我の意見が反映されることになる。それから、再び無意識に自由に動いてもらう。つまり、次の場面が思い浮かぶに任せるのだが、これは先の「自我の意見」に対する無意識からの主張となっている。そこで、次には自我が……というふうに、いわばイメージのキャッチボールを行ない、一つの物語のかたちにしていくのである。

 こうして自我が無意識からのメッセージを読み解いて意識化していくと、無意識はたとえば神的な存在として登場するようになり、しばしば奇跡を起こす。私たちの魂は震撼させられるのだ。それは現実の世界にも波及して、癒しや救いが経験される。心理的、身体的な諸症状の消失や軽減、精神的な安らぎやある種の洞察ないしは悟りがもたらされるだろう。もちろん奇跡はつねに生じるわけではないが、だとしても、重い苦悩や症状を意味あるものとして抱えていけるようになることが多い。他のいくつかのコツも身につけた上で、アクティヴ・イマジネーションを半年から一年くらい続ければ、それが実感できるようになってくる。考え方や生き方はずいぶん変わっているだろう。・・・
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