紹介
一陶芸家の鮮烈な作品と遺稿
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主要目次
口絵(カラー) 陶作品 個展ダイレクトメール集
本文 「虚を注ぐ」(熊本日日新聞連載「わたしを語る」)
山幸モンタナ通信
山幸窯つれづれ
ダイレクトメール・メモ
山幸作品について 浜田知明・阿部謹也他
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私が山幸の作品に感じるもの、それは天与の資質であると思うが、テクスチャアに対する繊細な感覚と清潔さである。平面と局面、方形と円筒の大胆な構成。粘土を切り割くような鋭い切り口、その潔さに魅かれる。浜田知明(版画家・彫刻家)
熊本の中心部に屹立する金峰山の中腹から一筋の煙が立ち昇るのが見えると山幸が焼いているなと思う。額の秀でた男が泥をこね、土を焼く。大地の破片を切り取り、新たな大地を作るかのような栗鼠や狸に見守られながら土を焼く。窯の火を落とすとそこには奇妙に重量感のある不思議なものが生まれている。かつて地上に存在したことのないもの、何の役にも立ちそうもないものが生まれている。そんな仕事をしている男の姿が見える。阿部謹也(西洋中世史)
目次
口絵(カラー)
山本幸一の仕事
作品展ダイレクトメール
本文
山幸窯つれづれ
器と非器 イタリア・アメリカレポート
シチリア 眠らせぬホテル
されど小道具
窯の犬
町家の土間と山下洋輔さん
Mさんのこと
オブジェで脱皮する主
イノシシと人間の攻防
骨壺のことなど
松浦さんの怒りの場面
母の機嫌
山幸モンタナ通信
雪で氷点下
身体に収まりきれぬ
理解は誤解の蓄積
一歩出れば牧場
トレインキルンを焚く
窯焚き終了
なんでも重い
果てしなき日々
美術館で展覧会
レッドロッジ通信
ロックな窯焚き、作風に刺激
虚を注ぐ
機能性の縛りからの解放感
線香臭う祖父母の家
続かなかった田舎暮らし
市営団地の記憶
悪童の世界に顔出した文明
懲りない日々
シュークリームのひと
野球漬けだった中学時代
「けんかえれじい」さながら
吉富先生と働さん
「わが身は大海の中にある」
ヨット部から大学騒動へ
古くさい権威主義
目まぐるしく過ぎた5カ月
私の学校「カリガリ」
風俗街近くのバイト
「山下洋輔トリオ」を呼ぶ
イベントのたびに変わる錠
浅川マキの「こだわり」
小石原の窯元に弟子入り
崩れゆく民芸の根幹
衝撃だったカルロ・ザウリ
イタリア行きと資金集め
優秀な陶芸家が集まる地に
その作品はおまえのものか
始まったファエンツァ生活
帰国、そして金峰山へ
慌てない腰の据わった男
「屯泥の会」
「ハマダ・チメイですが」
長く続いた「アトリエ会食」
「オドラデク」のような存在
器とオブジェを作る先達
悩みの種
土の質感の美しさと面白さ
本だけが生き続けていた
見知らぬ土地に行きたい
「おまえは修業が足りん!」
私にとっての旅だったのか
ダイレクトメール・メモ
山幸の人と作品【素描・追悼】