目次
序 章 天竺はインドの旧称か? 1
第1章 先行研究――天竺と三国世界観 11
第1節 日印関係史における先行研究 13
第1項 戦前~一九六〇年代 13
第2項 一九七〇年代 19
第3項 一九八〇年代 21
第4項 一九九〇年代以降 25
第2節 日本の対外関係史における先行研究 31
第1項 一九八〇年代以前 31
第2項 一九八〇年代以降 34
第3節 その他の先行研究 41
小括 48
註 51
第2章 天竺認識の歴史 55
第1節 天竺という語について 57
第1項 インドを意味した三八種の名称 57
第2項 A群:身毒、申毒、新頭、辛頭、身竺、新陶、信度、信図、信地 59
第3項 C群:天督、天竺、天毒、天篤 73
第2節 天竺認識の歴史的変遷1――仏教公伝と菩提僊那(六世紀~八世紀) 81
第1項 仏教公伝 81
第2項 菩提僊那 85
第3項 崑崙人 91
第3節 天竺認識の歴史的変遷2――平安仏教と説話集(九世紀~一二世紀) 93
第1項 最澄と空海 93
第2項 高丘親王 95
第3項 円仁、成尋、覚憲 98
第4項 説話集 100
第4節 天竺認識の歴史的変遷3――鎌倉仏教(一三世紀~一五世紀) 104
第1項 明恵上人 104
第2項 『三国仏法伝通縁起』 107
第3項 『神皇正統記』 108
小括 110
註 113
第3章 イエズス会士と天竺人 123
第1節 イエズス会士と天竺人 127
第1項 ザビエルの来日 127
第2項 鉄砲と南蛮人 128
第3項 仏教の一派としてのキリスト教 131
第2節 来日宣教師の仏教認識と天竺 137
第1項 ヨーロッパ世界におけるインドについて 137
第2項 イエズス会士の仏教情報 140
第3項 天竺とインドの乖離 146
小括 154
註 158
第4章 世界図に見る天竺認識――一六世紀末~一八世紀初頭の日本を中心として 163
第1節 地図に見る三国世界観 166
第2節 天竺が存在しない世界図――オルテリウス『世界の舞台』 169
第3節 天竺とインドが無関係な世界図――南蛮世界図屏風「山本氏図」 172
第1項 天竺/てんぢく⑴ 174
第2項 いんぢあ、へんから 177
第4節 天竺とインドの結合――マテオ・リッチ『坤輿万国全図』 179
第1項 天竺/てんじく⑵ 181
第2項 いんぢあ/應帝亜/India、印度厮當/Indostan 185
第5節 日本初の刊行世界地図と天竺の「復活」――『万国総図』と『万国総界図』 189
小括 196
註 199
第5章 知識人の天竺認識――西川如見、寺島良安の事例から 203
第1節 西川如見と『増補華夷通商考』 206
第1項 『増補華夷通商考』の構成 207
第2項 『増補華夷通商考』における天竺 211
第3項 南天竺 216
(1) サントメ 216
(2) モウル 218
(3) シャム 223
(4) インデヤ 226
第2節 寺島良安と『和漢三才図会』 230
第1項 『三才図会』と『和漢三才図会』の構成 230
第2項 『三才図会』と『和漢三才図会』における天竺 233
(1) 地図と地誌 233
(2) 三十三祖 240
第3項 『三才図会』と『和漢三才図会』における天竺の「人物」 241
(1) 『三才』と全く同じ記述のもの 245
(2) 『三才』を引用しつつ追加記述がなされたもの 246
(3) 『三才』には存在せず『和漢』で新たに登場したもの 251
小括 255
註 259
第6章 民衆の天竺認識――天竺徳兵衛と『五天竺』を中心に 265
第1節 『天竺徳兵衛』における天竺 267
第1項 実在の天竺徳兵衛と『天竺物語』 268
第2項 物語化する徳兵衛 273
(1) 歌舞伎『天竺徳兵衛聞書往来』 274
(2) 浄瑠璃『天竺徳兵衛郷鏡』 278
(3) 歌舞伎『天竺徳兵衛韓噺』 281
第2節 『五天竺』における天竺 286
第1項 『五天竺』の概要 286
第2項 『五天竺』における天竺 287
第3節 「大象図」における天竺 294
第1項 享保一三年のゾウと『象のみつぎ』 296
第2項 文化一〇年のゾウと「浅間神社所蔵大象図」 298
第3項 文久三年の象と『中天竺馬爾加国出生新渡舶来大象之図』 299
小括 300
註 305
第7章 宗教者の天竺認識――平田篤胤『印度蔵志』を例に 309
第1節 『印度蔵志』の先行研究 312
第2節 『印度蔵志』の書誌と構成 317
第3節 国学者・平田篤胤における『印度蔵志』の位置 323
第4節 『印度蔵志』における天竺認識の特色 327
第1項 天竺と印度、インデア 327
第2項 五印度とムガル帝国 331
第3項 朝夷厚生と仏教批判 334
第4項 インドの「古伝」と神道 338
小括 343
註 347
終 章 天竺の意義と終焉 353
註 373
史料・文献一覧 374
初出一覧 389
あとがき 391