紹介
禅の思想と生活、および文化・美術などに興味をお持ちの方のための禅の教養誌として、禅文化研究所発足以前の昭和30年6月1日に第1号が創刊されて以来、現在まで250号以上を数える季刊『禅文化』。なかでも古い号はバックナンバーも揃わない状態で、読者の中にはコピーサービスを受けてでも、それらの貴重な記事を求める方もおられた。この度、10号ずつを1冊の目安として1号~100号までのバックナンバーをオンデマンド印刷にて復刻する。
創刊当時の印刷は活版であり、現在のような精度の高い印刷技術もなかったため、特に写真画像など粗くなって見えにくい状態になってしまうのは否めないが、鬼籍に入られてしまった高足方の貴重な記事を読むことができる貴重な資料であることに違いないであろう。
目次
1号
禅文化の創刊をききて/鈴木大拙
提唱「平常心是道」/山田無文
東嶺禅師墨蹟について/淡川康一
禅と茶/佐々木三味
俳句/荻原井泉水
利休居士の禅問答/柴山全慶
絵事即禅事/福嶋俊翁
大雅堂の俳禅境1/人見少華
露地草庵/久松真一
禅院の庭園1/重森三玲〈英文〉
2号
提唱「南泉斬猫」/山田無文
仏教の象徴主義/鈴木大拙・寿岳文章訳
日本建築への禅の影響/W・グロピウス=川村淳訳
禅に於ける生産と勤労の問題1/中村元
墨蹟鑑賞/福嶋俊翁
無の思想に就いて/川田熊太郎
禅僧の独脱性/荻須純道
妙心寺の障壁画と片山尚景/土居次義
俳句/永田耕衣
短歌/長崎太郎〈英文〉
老子道徳経/緒方宗博
3号
提唱「百丈野狐」/山田無文
禅に於ける生産と勤労の問題2/中村元
大燈国師の墨蹟/小林太市郎
禅院の庭園2/重森三玲
大雅堂の俳禅境2/人見少華
座談会・禅の海外進出に就いて/長尾雅人・森本省念・久松真一・山田無文・緒方宗博・佐々木ルース・藤吉慈海
土を殺す/内島北朗
老僧の一喝/細見古香庵
短歌/小杉放庵・三松荘一〈英文〉
或る日の問答/山田無文
禅とクェーカーとの異同/緒方宗博
正法の西漸/アイドマン
老子道徳経/緒方宗博
4号
提唱「趙州荒鉢」/山田無文
絶海和尚の文藻1/豹軒老人
禅画の終着駅/望月信成
禅宗建築随想1/横山秀哉
売茶翁の精神/淡川康一
現代造型と禅との関連/須田剋太
禅と禅文化/秋月龍珉
雪峰とその友人たち/横井聖山
英訳・禅林句集/佐々木ルース
現代の禅文化を求めて/志野茶?
俳句・短歌/遠山麦浪・三松草円
5号
提唱「清税孤貧」/山田無文
参禅余語/伊豆山善太郎
禅宗建築随想2/横山秀哉
絶海和尚の文藻2/豹軒老人
大雅堂の俳禅境3/人見少華
雲居禅師のこと1/福嶋俊翁
禅僧の短冊/多賀博
種/川喜田半泥子
宋汝窯唐子牡丹文?/金子光介
茶杓への道/小堀南嶺
短歌・俳句/太室道者・千田杏月
雪舟について/森暢
雪舟漫筆/安藤孝行
雪舟の芸術/阪木雅城
雪舟年譜
6号
提唱「奚仲造車」/山田無文
禅に関する欧州の関心/芳賀檀
元末名尊宿の日本への招聘/玉村竹二
慈雲と禅/木南卓一
白幽子の人と書/伊藤和男
インド人のアヒンサ/春日井真也
墨蹟鑑定から見た仙厓と良寛/淡川康一
禅僧の短冊/多賀博
竜門寺釜に就いて/田淵正
二ツ割の頭/横山幽石
7号
提唱「瑞巌主人公」/山田無文
井戸と楽/柳宗悦
物心一如の科学/中谷宇吉郎
達磨画讃のはなし/柴山全慶
禅の神秘/G・ハイエット=小堀宗柏訳
禅宗建築随想3/横山秀哉
作法の精神/藤直幹
仙厓についての随想二ツ/淡川康一
俳句/千田杏月
8号
品切 提唱「洞山三頓」/山田無文
寂室とその筆蹟に見るもの/古田紹欽
禅宗建築随想4/横山秀哉
雲居禅師のこと2/福嶋俊翁
高貴静寂/市川白弦
大応国師の余光/荻須純道
時節因縁ということをめぐって―大応国師語録の中の一句―/横井聖山
合評・禅語の味わい方/柴山全慶・福嶋俊翁・溝口史郎
9号
提唱「洞山麻三斤」/山田無文
秋灯清話/阪本勝
禅の神秘2/G・ハイエット=小堀宗柏訳
マガタの祭/梶山雄一
禅と儒教―「禅海一瀾」を中心として/水南卓一
禅宗建築随想5/横山秀哉
二つの南泉斬猫図/土居次義
姿貌の書画―白隠について/古田紹欽
陶器の観賞/内島北朗
鶏五徳/高嶋勘一
盤珪展/聴松堂主