紹介
バブル経済崩壊後に見られた企業メセナブーム衰退の中、その必要性を認識していた企業はメセナを続け本質を探ってきた。
見た目の良い芸術活動支援から、広く社会全体と価値と目的を共有する企業メセナへの移行が見られ、あえて企業名を正面に出さずフィンランソロピーとしてメセナを行う企業や、地域志向の高まりなど、規模は縮小しつつも裾野の広がりと多様化が見られるようになっている。
本書は、第一部で企業メセナと企業フィンランソロピーとの関係を明らかにし、なぜ企業がメセナをするのか、企業のメセナはどうあるべきか、などを経営学や哲学の視点から考察。第二部では現場において日々、考え、模索しながら活動してきた人々と、魅力ある地域づくりをめざす企業の個性豊かな実践例をそれぞれの視点で描く。
目次
第1部 理論編
Chapter-1 「企業メセナ」再考
Chapter-2 野村グループのCSRと社会貢献
Chapter-3 企業はなぜ美術館を持つのか?
Chapter-4 舞台芸術にとってメセナとは
第2部実践編
Chapter-5 企業メセナは音楽家を成長させる
Chapter-6 東京フィルサポーターズ メセナの流儀
Chapter-7 メセナは見返りを求める
Chapter-8 NPOは企業メセナの潤滑油
Chapter-9 企業メセナと音楽教育
Chapter-10 聴衆と企業メセナ