紹介
地方を愛する、すべての人に贈る
市長として、市政や非核運動にまつわる日々の感想や自分なりの提案を市民に伝えたい——。
そうした思いで始めたのが、広島市のメールマガジンに掲載されている「春風夏雨」。
二〇〇五年、被爆から六〇年を迎えるにあたり、秋葉市長は広島と日本を代表して何を訴えてきたのか。一方で、繁栄する広島市の産業や文化をどう守り、育て、世界にアピールしていくのか。
「国際平和文化都市」、そして「住んでよく、訪ねてよい、千客万来の都市」をつくろうとする秋葉市長の、人と街と自然への愛情あふれるエッセイ。
二一世紀は「地方の時代」。広島の地にあって八面六臂の活躍をする秋葉忠利が、地方に元気を与えます。
目次
1.体験を語り伝える
2.ヒロシマから訴える
3.市民が活力を生む
4.草の根が担う
5.広島らしさを育てる
6.市民の行政を創造する
前書きなど
国会議員時代には毎週金曜日に『アキバ・ウイークリー』と題して、国会報告を発行していました。その新版のようなつもりもあったのですが、一つ大きく変えた点があります。それは、「私」の位置付けです。『アキバ・ウイークリー』では私個人の考え方を中心に報告をまとめていました。国会議員は代議士とも呼ばれます。つまり、議員を支持する人たちの代弁者としての仕事をする立場です。しかし市長は、自分を必ずしも支持してくれてはいない人たちの代表でもあるという面があります。この側面を大切にしたいと考えて題材を選び、そこから自然に汲み取ることのできるメッセージを私なりにまとめたつもりです。
その結果が、『元気です、広島』になりました。なぜ、広島が元気なのでしょうか。本文をお読み頂ければその答は明らかです。広島市民の持つ創造的エネルギーそして未来志向の活動が広島の元気の源です。多くの市民の皆さんの活動をご紹介するに当っては、当然私なりの視点が加わっています。そちらを簡単にご紹介することで本書の性格をご理解頂けるのではないかと思います。
一つは、「現場主義」です。「現場」からのレポートにこそ、大きな力があることは言うまでもありません。その「現場」は世界的な広がりを持ち、子どもから年配の方々まで多くの皆さんの活動する場です。職業もさまざまですし、個人的な背景も多様です。多くの「現場」からの市長レポートとしてお読み頂ければと思います。読者の皆さんにも新たな発見になるようなことが一つでも二つでもあれば、大変嬉しく思います。