紹介
下山晴彦・林 直樹・伊藤絵美・田中ひな子4人のベテラン・セラピストたちの自験例による事例検討会の記録が,一冊の本になりました。コメンテーターには岡野憲一郎,吉村由未,津田容子の3人を迎えました。
事例検討会のキーワードは,「ケース・フォーミュレーション」。心理臨床の基本となる「ケース・フォーミュレーション」は,個人療法の支援の見立てに役立つだけでなく,社会的な公共サービスと個人をつなぐためにも,多職種間の連携などにおいても,重要な役割を担っています。
よりよいケース・フォーミュレーションを目指すために,学派や職種,世代の垣根を越えて集った7人が,事例検討会で,多様な角度から議論を交わしました。心理支援に携わる,あらゆる方に読んでいただきたい本です。
目次
はじめに
事例検討会の参加メンバーの紹介
第1章 パワハラを受け,加害強迫を呈したケース──ケース・フォーミュレーションの活用をめぐって
下山晴彦
第2章 下山ケースへの質問・全体討論
第3章 「リスカと過量服薬(OD)をコントロールしたい」と訴える20代前半の女性──生育期虐待,パーソナリティ障害が問題とされていたケース
林 直樹
第4章 林ケースへの質問・全体討論
第5章 慢性うつ病に対するスキーマ療法──ケース・フォーミュレーションを中心に
伊藤絵美
第6章 伊藤ケースへの質問・全体討論
第7章 「バレエのレッスンに行けるようになりたい」を主訴として来談した女性──解決志向アプローチにおけるケース・フォーミュレーション
田中ひな子
第8章 田中ケースへの質問・全体討論
第9章 大事例検討会リコメント