紹介
マタニティブルー,さまざまな不安……
出産を通して出会った親と子が本当の「親子」になるのを支えるために
本書は,周産期心理臨床に長年携わってきた臨床心理士によって書かれた周産期のこころのケアの入門書です。
周囲に望まれなかった妊娠,夫婦の不仲,分娩時の異常,長い不妊治療の末の妊娠,早産,死産,障害のある子を産むことなど,親子には,それぞれ固有の物語があります。NICUや周産期医療まで親と子がたどってきた道のりに思いをはせながら,いかに目の前の親子を支えていくのか。周産期医療の場における臨床心理士の役割とこころのケアのあり方をやさしく解説しました。
大幅な改稿を経た待望の新版。心理のスタッフだけでなく,助産師,看護師,産科医など必読の1冊です。
目次
第1章 周産期における親と子の出会いとメンタルヘルス
1.親と子が出会うということ
2.妊娠・出産のメンタルヘルス
第2章 現代における妊娠・出産をめぐる課題
1.妊娠から出産までの心理的課題─親となること
2.リスクを抱えて生まれてきた赤ちゃんと家族
3.関係が悪循環に陥るリスク
第3章 NICU入院となった赤ちゃんの母親の精神的健康と子どもへの感情
1.正期産で元気に生まれてきた赤ちゃんの母親との比較
2.出産後の抑うつと母親愛着が1年後に与える影響
3.出産後の母親のマタニティブルーズと子どもへの愛着が1年後に与える影響
4.周産期医療の変化が母親の精神的健康や子どもへの感情に与える影響
コラム 産褥期母親愛着質問紙
第4章 周産期医療における親子の関係性への支援
1.NICUにおける関係性支援の試み
2.周産期のこころのケア
3.周産期医療における心理士の役割
4.心理士と家族の出会いと支援
コラム カンガルーケア
第5章 周産期医療の場における心理臨床
1.周産期医療の場における心理的ケアの特殊性
2.目の前に赤ちゃんが“いる”ことの意味
3.親子を支える場を整えていくために