紹介
「つみたてNISA」「iDeCo」などの登場で近年、インデックス投資が注目を集め、それを紹介する書籍にも数々のベストセラーが生まれています。
本書の著者は、世界で初めて個人投資家向けのインデックス・ファンドを発売したバンガード・グループの創設者で、「インデックス投資の父」「ウォール街の良心」として、世界の金融界で最も尊敬を集める人物です。
『航路を守れ』は、彼が最後に書き遺した、同社誕生から現在までを振り返り、さらにインデックス業界の将来をも予言する回顧録。1798年のナイル海戦でナポレオン軍を打ち破ったホレーショ・ネルソン提督の戦艦Vanguardから社名を採り、ネルソンの格言「Stay the Course」を社のモットーとした著者にとって、本書はまさに、そのキャリアの集大成です。
「ほとんどのトレーダーは市場平均に勝てない」「長期・分散・低コストこそが最も重要」をコンセプトとするインデックス・ファンドはどのようにして生まれ、絶大な支持を得、世界中の人々の生活を変えるに至ったのか。
本書は、お金にまつわる人間の普遍的欲望と向き合い、また格差が広がりつつある日本で今後重要となる金融教育の「倫理」について理解を深める、第一級の基本図書であるとともに、資本主義の本質を見抜く人文書であり、投資のための実用書・ビジネス書です。
『航路を守れ バンガードとインデックス革命の物語』は、投資家や金融史家、あらゆるタイプの起業家、ビジネス関係者、研究者、学生、そしてハッピーエンドで終わる面白い物語が好きな読者なら誰でも、興味を持ってもらえると思う。(本文より)
目次
序文 バートン・G・マルキール
第Ⅰ部 バンガードの物語
第1章 1974年――予言
第2章 1945~1965年――背景(ブレア、プリンストン、フォーチュン、そしてウェリントン)
第3章 1965~1974年――「ゴーゴー」時代とその余波、バンガードの設立
第4章 インデックス・ファンド革命―誕生から優位性の確立まで
第5章 1974~1981年――新たな始まり
第6章 1981~1991年――将来の成長のための土台作り
第7章 1991~1996年――新たなミューチュアルファンド業界に備えて
第8章 1996~2006年――ETFによるインデックス運用革命
第9章 2006~2018年――モメンタムは続く 戦略は構造に従う
第10章 思いやり――創設者のレガシー
第Ⅱ部 バンガードのファンド
第11章 ウェリントン・ファンド――バンガードの始まりと終わり
第12章 インデックス・ファンド
第13章 ウィンザーのファンド
第14章 プライムキャップ・ファンド
第15章 債券ファンド
第16章 問題と展望
第Ⅲ部 投資運用の将来
第17章 ファンド業界のミューチュアル化
第18章 S&P500インデックス・ファンドに対する批判
第19章 「2030年金融機関法」
第Ⅳ部 思い出
第20章 本当に大切なこと――回顧録