目次
まえがき
第1章 重要な内容は何か
第2章 教科書内容の検討
第3章 授業づくりはこうする
第4章 年間指導計画
第5章 こんな授業にしたい
(1) 生物の体をつくる物質
(2) 動物の体と生活
(3) 植物の体と生活
(4) ヒトの体
(5) わたしたちのすむ土地
(6) 地球・月・太陽
(7) 物の燃えかた
(8) 水溶液の性質
(9) 力と道具 (てこのはたらき)
(10) 電気のはたらき
(11) 自然と人間
あとがき
前書きなど
身の周りの自然の事象は、複雑で、そのままでわかりにくいのですが、それを解く「めがね」をもてば、見えてくるのです。その「めがね」が、自然科学の概念や法則です。
自然科学の基礎的な事実・法則・概念を学ぶことで、自然の事象がどのようなものであるのかが見えてきます。そういう学習は、たのしく、知的好奇心をゆさぶられます。
「いろいろ考えてみることが大切だ」という人たちがいます。いくら考えていろいろやってみても、その結果から新しい知識や技能を獲得できなければ、やってみた楽しさはあっても、知り得たよろこびはないでしょう。「知識偏重」などということはないと思います。獲得した知識が生かされているかの問題です。
これまで、自然にはたらきかけ、自然を知るのに必要な知識を獲得させるような理科教育になっていなかったことが問題なのです。それは、「理科は、自然科学の基礎的な事実・法則・概念を学ぶ教科」ということを明確にしてこなかったからです。むしろ、自然科学を学ばせるのではないという傾向にあったために、自然にはたらきかける「めがね」を獲得させられなかったと思います。
--中略
さて、4年以上の体系的な学習において、6年では何が重要でしょう。まず、重要な内容を明らかにし、教科書の内容を検討して、自主編成プランを作りました。
本著は、以上のような考えに基づくものですので、教科書にない内容もとり入れ、自然科学をよりゆたかに、たのしく学べるものにしたつもりです。みなさんの実践・研究で、さらによりよいものに理科教育が創造されることを期待するものです。
--まえがきより抜粋