紹介
きもちのいい奇天烈。たぶん、きもちがいいのは、それが本能とか骨とかに刻まれた、文様のようなものだから。知らなかった世界なのに、自分を見つけた気もしてる。
――最果タヒ
妹の右目からビームが出て止まらない。薔薇園にいくと必ず鰐がいた。眠たくて何度も泣いた。紙粘土で上司たちの顔をつくった。三人でヤドカリになった。サメにたべられて死にたいだけの関係だ。あたらしい名前がいる。おばけになっているときはなにも話してはいけない。肩車をした拍子に息子の股間が私の首にくっついてしまう。隠れ家的布屋さんは月に進出している。私は忍者で、すごいのだけれど、あんまりみんな信じない。……可笑しさと悲しみに満ちた53の物語
目次
ビーム/ムキムキ/ものを溶かす汗/世界ブランコ選手権こどもの部決勝戦/へそのゴマ/狼/骨とテレビに出た/かなでちゃん/こっくりさん/私と鰐と妹の部屋/植物園/お墓/なにかが死んでいる/屋根裏部屋/チェーンソー/夜中/歯医者さんの部屋/サンバイザー/こういうのが好き/呪われてしまえ/トースター/紙粘土で友だちをつくった/刺繡/私はゼロ/夏/僕は泳いだ/二十歳になったら悪魔になる/てるてる坊主/おばけの練習/小説とケーキ/誕生日/虹/ジョン・トラボルタ/好きなひとと同じときに体調を崩してるとうれしいよね/ミイラ/いまどこにいるの/星を読まない/ヤドカリの家/トカゲの死/サランラップ/平凡/隠れ家的布屋さん特集2049/植物って知ってる?/仕事をやめる/斧に白いサインペンで名前を書く/シェルター/知らないひと/石の動画/鞄/サメ友だち/棺のなか/雷は庭に落ちた/あそび