目次
イントロダクション──歴史と社会のパースペクティブ
1 「歴史history」ということばの意味
2 歴史観の変遷と「事実」の居場所
3 社会学の「精神」
第1章 社会学前史──契約説、政治経済学、社会主義そして社会学
1 トマス・ホッブズの契約説
2 「社会」の誕生──アダム・スミスの政治経済学
3 ルソーの「社会的social」契約
4 社会主義と社会学──サン=シモンとコント
第2章 カール・マルクスを読む──『資本論』第1巻
1 『資本論』の問題設定
2 労働が商品の価値を生む(労働価値説)
3 貨幣の神秘へ向けて
4 資本の自己増殖はいかにして可能か?
5 階級対立としての「社会」の分断
第3章 エミール・デュルケームを読む(1)──『社会分業論』
1 社会的連帯solidarité socialeの問題
2 機械的連帯──集合意識と犯罪
3 有機的連帯と分業
4 デュルケームのジレンマ──有機的連帯を支えるものは何か
第4章 エミール・デュルケームを読む(2)──『自殺論』
1 なぜ自殺なのか?──社会学の研究対象としての「社会的事実」
2 自殺の類型
(1)自己本位的自殺
(2)集団本位的自殺
(3)アノミー的自殺
3 集合意識の復権──ジレンマの解決
4 自殺と社会の道徳構造
第5章 マックス・ウェーバーを読む──『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
1 ウェーバーの問題設定──信仰と職業生活
2 「資本主義の精神」とは何か?
3 カルヴィニズムと「予定説」
4 行為のアクセル/ブレーキとしての道徳規範
第6章 タルコット・パーソンズを読む──『社会的行為の構造』
1 行為論の実証主義的伝統
2 行為論の理想主義的/観念論的伝統
3 実証主義と理想主義の総合──デュルケームとウェーバー
4 主意主義的行為論の展開
5 社会システム論へ
第7章 シュッツとベッカーを読む──『社会的世界の意味構成』と『アウトサイダーズ』
1 アルフレッド・シュッツの現象学的社会学
2 行為の構成の問題──シュッツとパーソンズの違い
3 レイベリング理論
4 定義主義アプローチの隘路
第8章 ガーフィンケル、会話分析そして社会的構築主義を読む──『エスノメソドロジー研究』と『社会問題の構築』
1 ガーフィンケルのエスノメソドロジー
2 会話分析
3 社会的構築主義
4 談話(言説)分析
第9章 ルーマンとハーバーマスを読む──『社会システム論』と『コミュニケーション的行為論』
1 ルーマンの社会システム論
2 意味の自己言及性とシステムのオートポイエーシス
3 コミュニケーション・メディアと機能分化した社会システム
4 ハーバーマスの「コミュニケーション的行為」
5 生活世界の合理化
6 生活世界の植民地化
第10章 ミシェル・フーコーを読む──『監獄の誕生』『生政治の誕生』ほか
1 「規律」とはどういう力か
2 服従する主体──パノプティコン
3 生-権力への転換
4 規律社会から管理社会へ?──そして新自由主義の支配
あとがき