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ステレオタイプの科学――「社会の刷り込み」は成果にどう影響し、わたしたちは何ができるのか

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詳しい情報
読み: ステレオタイプ ノ カガク : シャカイ ノ スリコミ ワ セイカ ニ ドウ エイキョウ シ ワタシタチ ワ ナニ ガ デキル ノカ
出版社: 英治出版
単行本: 296 ページ / 18.8 x 12.8 x 2.2 cm
ISBN-10: 4862762875  ISBN-13: 9784862762870  [この本のウィジェットを作る]
NDC(9) : 361.4

紹介

女性は数学が苦手、男性はケア職に向いていない、白人は差別に鈍感、年寄は記憶力が悪い…「できない」と言われると、人は本当にできなくなってしまう。社会心理学者が解明した、そのメカニズムと対処法。
女性は数学が苦手、男性はケア職に向いていない、白人は差別に鈍感、年寄は記憶力が悪い
「できない」と言われると、人は本当にできなくなってしまう。

社会の刷り込みと人のパフォーマンスの関係を紐解いた「ステレオタイプ脅威」という現象。
社会心理学者が、そのメカニズムと対処法を解明する。

【ステレオタイプ脅威とは】
周囲からステレオタイプに基づく目で見られることを怖れ、その怖れに気をとられるうちに、実際にパフォーマンスが低下し、
怖れていた通りのステレオタイプをむしろ確証してしまうという現象。

●直接差別的な扱いを受けたり、偏見の目を向けられたりしていなくても、社会にステレオタイプが存在するだけで、人は影響を受けてしまう。
●努力をすればするほど、その影響は大きくなる。
●自力で抜け出すのは難しいが、ちょっとした声がけや環境設定で無効化することができる。

(日本語版序文より一部抜粋)
「ステレオタイプ脅威」自体は、対人関係の問題を研究する学問である社会心理学の世界では有名なモデルである。しかし、実社会ではまだよく認識されていないように感じる。その理由の一つは、ステレオタイプが、「差別」と「偏見」と混同されやすいことにあるだろう。ステレオタイプは、あるカテゴリーの人にどういった「イメージ」があるかという認識面(認知という)に焦点をあてた概念で、社会心理学のなかでも「社会的認知」と呼ばれる研究領域で扱われる。これに対して偏見は、ネガティブな他者へのイメージに対する拒否的、嫌悪的、敵意的感情であり、この感情に基づいた行動が差別である。簡単に言えば、ステレオタイプは認知、偏見は感情、差別は行動ということになる。たとえば、社会全体にある「女性はリーダーシップ力が欠ける」というイメージはステレオタイプ。このイメージをもとに女性のリーダーや上司に不満を感じやすくなるのが偏見。差別は「だから登用しない」といったように、個々人の能力の査定に基づくのでなく、女性だからというステレオタイプで実質的な被害を他者に与えてしまうことである。さて、多くの研究や社会での施策では、実際に人々がいかに偏見を持つか、差別的な行動をとるかということを扱う。近年は、自分が自覚していなくても偏見を表明してしまう、無意識のバイアス(アンコンシャス・バイアス)という概念も注目されている。現実にまだまだこうした無意識のゆがみがあることで、その対象とされる人々は窮屈に感じる。たとえば、男性社員には決して言わないのに、女性社員にだけには「早く帰らないと子どもが大丈夫?」と言うのも、「子どもは女性が育てるもの」という無意識のバイアスのあらわれと言えるだろう。逆に、女性の方が多い保育や看護の職場では、男性が無意識のバイアスにさらされていることもある。しかし、この書籍のテーマは「どんな偏見の目を向けられるのか」「実際にどう差別されているか」ではない。周りからの偏見や差別がなかったとしても、「本人が周りからどう思われるかを怖れる」だけで、ステレオタイプ脅威の影響は出てしまうのである。

目次

第1章 
アイデンティティーを持つがゆえの制約
第2章 
アイデンティティーと成績の不可思議な関係
―「女性は数字に弱い」という誤解
第3章 
ステレオタイプ脅威の正体
―なにが実力発揮を妨げていたのか
第4章
なにを主要なアイデンティティーと捉えるか
―「別の人生」を歩むことを選んだ人々
第5章
誰しもが影響を受ける
―アジア系女子大生が教えてくれたこと
第6章
優秀な人ほど打ちのめされる
―過剰努力の悲劇
第7章
思考と身体への負担
―蝕まれるワーキングメモリ
第8章
環境に潜む「サイン」の働き
―クリティカルマスの力
第9章
ステレオタイプ脅威を縮小する方法
―ナラティブというトリック
第10章
わたしたちを分断するもの
―サウスウェスト航空のファーストクラス
第11章
人をつなぐ橋としてのアイデンティティー
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