目次
自殺と社会を考える 8
第1 章 休養・こころの健康・うつ病(医学から見た自殺)──── 8
*「健康日本21」の9 つの領域…
*「3.休養・こころの健康づくり」
*「うつ病」とはどういう病気か?
* うつ病の特徴的な症状
*「うつ病性障害」の診断基準 その1
* うつ病治療の大原則…
* 健診から保健指導への流れ
* 家族による労働者の疲労蓄積度チェックリスト
* 最近1 ヶ月の「疲労・ストレス症状」
* 最近1 ヶ月の「働き方と休養」
* 仕事による疲労蓄積度点数表
* 時間外労働と健康障害
* 疲労蓄積予防のための対策
* ○かけてあげたい言葉、×かけてはいけない言葉その1
第2 章 自殺統計と「自殺対策基本法」───────────── 16
*“自殺10 年連続3 万人超:30 代・高齢者に、最多に”
* 過去15 年間の警察庁自殺統計
* なぜ景気が回復しても自殺が減らないか
* 自殺の原因・動機(警察庁調べ)
* 職業別自殺者数の推移
* 過去100 年間の自殺率推移
* 自殺者数と「完全失業者数」・「負債総額」
* 自殺率の時代別推移
* 自殺の原因(勤務問題の内訳)
*4 要因の連鎖による「自殺」
* 自殺総合対策推進モデル(内閣府2006)
* これまでの取り組みに対する政府の反省
* 自殺者が減らない理由
*「自殺対策基本法」成立の背景
*「自殺対策基本法」の概要(2006)
第3 章 自殺言説の歴史的変遷───────────────── 24
* 美化された文化的自殺観
* 近代の生物学的自殺観
* 戦時の国家支配層の立場
*1960 年代:うつ・自殺者の転換
*1980 ~ 90 年代:過労自殺裁判の功績
*「労働省精神障害・自殺新認定指針」
* 過労自殺の労災補償状況
* 自殺により労災認定された事案の精神障害診断
* 過重労働による健康障害を防止するために事業者が講ずべき措置
* 過労自殺認定裁判の意義
* うつ病と自殺予防
* いのちの電話(社会福祉法人)
* 働く人のメンタルヘルス相談(心の労働相談:埼玉県)
* 自殺対策支援センター“ライフリンク”
* ディスカッション・テーマ
第8 回 医療社会学概説 33
第1 章 医療社会学の視座(1)──────────────── 33
* 社会学(sociology)とはどんな学問か?
* 医療社会学(medical sociology)とはどんな学問か?
* 医療社会学の前提①:意味付けとしての病気(1)
* 医療社会学の前提②:医療における対立・葛藤の偏在(1)
* 医療社会学の前提③:逸脱としての病気
* 医療社会学の前提③:社会統制としての医療(1)
* 参考図書
第2 章 医療社会学の近代医療批判──────────────43
* 医療社会学の近代医療批判
* ①ラベリング(labelling):- ゴッフマンGoffman, 1961 ら
* ②医療化(medicalization):- イリイチillich, 1975 ら
* ③専門職化(professionalization):- フリードソンFriedson, 1970 ら
* ④資本主義の構成要素となっていく問題
* ⑤生-権力(bio-politics)
* 臨床医学のまなざし
* 一望監視装置パノプティコン
* 病院の外来診察室の構造
* 参考図書
* ディスカッション・テーマ
第9 回 「生活習慣病」キャンペーンの問題点 52
第1 章 検診の抱える問題────────────────── 52
* 検診は病気をつくる?
* 検診が健康を奪う?
* 検診は本当に有効か?
* 米国メイヨークリニック肺がん検診調査
* 米国内科医師会のガイドライン
* 今後の課題
* 参考文献
第2 章 「自己責任化」「社会責任回避」の問題──────── 58
* 自己責任化の問題
* 疾病の発症要因
* 日本自治体労組公衆衛生部会幹事会の見解1
*WHO『ヘルスプロモーションのためのオタワ憲章』1986
* ヘルスプロモーションの理念の基づく「健康日本21」
* 目標達成のための環境づくり
*「健康日本21」の社会環境整備?(1)
第3 章 「社会統制」の問題───────────────── 63
* 新たなスティグマ
*「健康によい」が倫理・道徳規準?
*「国民の責務」??
* 健康な労働力の確保を目指す
* 社会統制の装置(まとめ1)
* ディスカッション・テーマ
第10 回 メタボリックシンドロームの人間科学 68
第1 章 メタボリックシンドロームの疾患概念[田中乙菜・辻内琢也]─ 68
* 生活習慣病招くメタボリック症候群
* 中高年男性半数が危険(2006 年5 月9 日、朝日新聞)
* 日医ニュース[健康プラザNo.264]“検診を受けましょう”
* メタボリックシンドロームの定義
* マルチプル・リスクファクター症候
* メタボリック・ドミノ
* 内臓脂肪型肥満
* 内臓脂肪蓄積による被害
* インスリン抵抗性を重視する基準①
* 内臓脂肪蓄積を重視する基準①
* メタボリックシンドローム診断基準検討委員会(2004 年発足)
* メタボリックシンドローム診断基準検討委員会発足の経緯
* メタボリックシンドローム診断基準検討委員会の目的
* メタボリックシンドロームの定義
* メタボリックシンドローム診断基準(2005,日本内科学会他)
* ウエスト周囲径の測定法
* 参考文献
* 参考ホームページ
* 第1 章のまとめ
第2 章 医学会内部からの批判──────────────── 81
* 米国とヨーロッパの糖尿病学会による合同提言
*Japan Diabetes Complications Study(JDCS)大規模臨床研究の結果
* 原一雄、門脇孝らの研究
* 島本和明、三島哲嗣らの研究
* 大櫛陽一による基準の検証
* 清野裕、矢部大介らの見解
* 参考文献
第3 章 メタボリックシンドローム 社会の反応──────── 87
* どっちがメタボでしょう?
* 2007 年5 月25 日「週刊ポスト」
*“メタボ論争・日本人向け二つの基準値”朝日新聞(2007 年6 月17 日)
* 朝日新聞(2008 年1 月5 日)
* 市長発案「脱メタボ作戦」47 歳課長、運動中死亡
第4 章 医療社会学からの批判──────────────── 91
*「メタボ健診」義務化の影響
* 国民の責務としての健康
* ヘルシズム(Healthism)
* 医療化(medicalization)
* ヘルシズムと医療化の悪循環
* 2006 年ユーキャン新語・流行語大賞「メタボ」⇒候補後トップ10 入り
* スティグマ(烙印)
* 朝日新聞(2008 年5 月17 日)
* 参考文献
* ディスカッション・テーマ
第11 回 医療人類学概説[中上綾子・辻内琢也] 98
第1 章 文化人類学の視点────────────────── 98
* かつての文化人類学
* 自民族中心主義
* フィールドワークと参与観察
* 文化相対主義
* 現代の文化人類学
* 文化人類学(Cultural Anthropology)とは
* 文化(Culture)とは
第2 章 国際保健運動の失敗から学ぶ───────────── 102
* 科学的な医学は普遍的な医学?
* 普遍的な医学・医療という幻想
* 伝統的ヘルス・ケア・システムを荒廃
* 医療人類学の貢献
第3 章 医療人類学とは?─ ───────────────── 106
* 医療人類学とは
* 医療人類学の扱う領域
* 医療人類学の主要3 領域
*
* 病いと疾病
* 医療者の文化/病者の文化
* 説明モデル
* 参考文献
* ディスカッション・テーマ
第12 回 糖尿病の生活習慣病物語りから
―Narrative Based Medicine へ― 112
第1 章 生活習慣病物語─────────────────── 112
* 夏の訪れに思う―Ⅱ型糖尿病の人生の物語り―
* <生活習慣病物語りを読み解く>
第2 章 生活習慣病物語りを読み解く───────────── 119
* 夏の訪れに
* 確かな危機感…(1)
* 糖尿病です…初めての入院
* こんなに時間を掛けて食べるのは久しぶり…(1)
* あっという間に過ぎた入院生活(1)
* 体調は良好…退院の日
* 病気になった原因…町医者へ(1)
* 悲観視していない
第3 章 物語りと対話に基づく医療────────────── 124
* 物語りと対話に基づく医療NBM(Narrative Based Medicine)とは?
* <源流①:物語論・物語学>
* 日常生活の認識様式としての物語り ブルーナー(Bruner, JS, 1986)
* ナラティブにおける世界認識
* ナラティブ(narrative)とは?
* 物語り(Narrative)の特徴
* <源流②:医療人類学・臨床人類学>
* アーサー・クラインマン(Arthur Kleinman)
* 説明モデル explanatory model(1)
* 文化⇒説明モデル⇒物語り
* <源流③:家族療法学 ナラティブ・セラピー>
* 家族療法家アンダーソンの舞台装置「リフレクティング・チーム」
*「リフレクティング・チーム」の効果
* 心理療法家グリーシャンの「無知の姿勢」
* ナラティブ・アプローチの前提
* 物語りと対話に基づく医療NBM(Narrative Based Medicine)とは?
* 参考文献(1)
* ディスカッション・テーマ
第13 回 病いの語りと証言に基づく医療 [鈴木勝己] 136
第1 章 「病いの語り」の医療人類学的研究───────── 136
* 調査の概略
* 対象
* 病いの語り分析
*4 段階モデル
*4 段階の治療プロセス
第2 章 糖尿病者の物語り―事例を読み解く───────── 142
*R さんのプロフィール
* 病いの経験①
* まとめ:病いの経験
* 病いの意味付け①:「多元的視点の大切さ」
* 病いの意味付け②:「自分への信頼」
* まとめ:病いの意味付け
* 語りの創造性①:「物語的な真実」
* 語りの創造性②:「語り続ける力の源」
* 病いの社会的側面①:病いと社会
第3 章 「証言」としての病いの語り──────────── 150
*「証言」の意味
* 医療社会学における「証言」
*「証言」としての語り
* Rさんの証言①
* 証言と医療
* 参考文献
* ディスカッション・テーマ
執筆者紹介