紹介
ソウル、釜山、対馬、鞆の浦、大坂、江戸、日光…ゆかりの土地を行く。
2017年、日韓の民間団体が主体となって登録申請した朝鮮通信使がユネ
スコ世界記憶遺産に登録された。ソウルから東京、日光まで、2,000キロ
超に及ぶ道を訪ねる。
日韓の懸け橋朝鮮通信使。町と人がつながることで、日韓友好の輪は益々
広がり、強固になるのでないか、との思いを込めて足跡をたどる。
写真47点収録。
雨森芳洲が説いた誠信交隣に学ぶ。
目次
序論 朝鮮通信使とは
一、家康が修復した日朝関係/二、200年余りに12回来日/三、朝鮮ブームに
民衆は沸く/四、朝鮮人の日本認識を変える
第一章 韓国の道 概論
一、秀吉の朝鮮侵略を超えて/二、悲劇の国王・宣祖/三、朝鮮国内の行政
区分、交通路/四、通信使の韓国内旅程/五、『日東壮遊歌』の著者、金仁
謙の旅
第二章 韓国の道
一、ソウル/二、龍仁―佐賛/三、忠州/四、聞慶/五、安東/六、義城/
七、永川/八、慶州/九、蔚山/十、東萊/十一、釜山/十二、密陽/十三、
友鹿洞/十四、公州
第三章 対馬藩の外交力
第四章 海路をゆく―対馬から大坂まで―
一、対馬―善隣外交を担う/二、壱岐―勝本で松浦藩が接待/三、相島―贅
を尽くした福岡藩のもてなし/四、赤間関(下関)―記念碑「朝鮮通信使上
陸淹留之地」を建立/五、上関―お宝「朝鮮通信使船上関来航図」あり/六、
下蒲刈島―「御馳走一番」と称えられる/八、牛窓―通信使の対舞が唐子踊
りに/九、室津―歴史の宝庫。万葉歌人、豪商、井原西鶴……/十、兵庫―
日宋貿易の拠点、大輪田泊/十一、大坂―竹林寺に小童の墓あり
第五章 日朝の町人文化比較
一、通信使も驚いた、奇怪な町人の暮らし/二、好事家の文化……韓国には
ない?!/三、朝鮮にも「町人文化」があった?/四、近代の起点は、化政
期にあり
第六章 街道をゆく―大坂から江戸、さらに日光へ―
一、大坂―商都の繁盛に驚き隠せず/二、京都―大仏殿前の供宴で論争も/
三、滋賀―近江八幡に立つ「朝鮮人街道」の石碑/四、大垣―通信使を追っ
かけた商人も/五、三重―地域の「宝」をつくる/六、名古屋―徳川園に蓬
左文庫。秀吉の「影」あり/七、岡崎―通信使揮毫を発見。まちのお宝に/
八、静岡―久能山東照宮から清見寺へ/九、箱根―富士山、「白頭山の如し」
/十、三島から小田原、品川まで
第七章 傑出した徳川将軍とは
一、歴代将軍の運、不運/二、朝鮮と係わった将軍は? 最たるは吉宗か/
三、紀州藩は朝鮮人を侍講にしたことも
第八章 江戸滞在記と川越、日光
一、江戸―儀礼に追われ1カ月余り/二、川越―なぜ通信使行列が?! 商人の
心意気/三、日光―家光将軍の要請受け、東照宮へ
第九章 対馬藩が築いた、日朝友好の破綻
あとがき―通信使が残した教訓
主な参考文献