紹介
<北朝鮮の現状と未来や日米の今後の対応のあり方について、亡命者の証言を吟味し、ぼう大な資史料を分析して貴重なヒントを与える傑出したノンフィクション。>
立花隆氏の推薦文
—今後北朝鮮についてなにか真剣に論じたいと思う人はすべて、まずこの大著を読破するところからはじめなければならないだろう。原著(ハードカバー版)が一昨年に出版されたアメリカではすでに昨年からそうなっている。
ザ・ニューヨーク・レヴュー・オブ・ブックス(米国の権威ある書評)
—これまで北朝鮮に関して書かれた本のなかで、これはまさに最高のものだ。
卓越した米国のジャーナリストが、13年もの歳月をかけて著した、北朝鮮問題集大成の大著。北朝鮮の元高官、軍人、労働者等脱北者の数多くの証言を集め、また膨大な資料の徹底検証を通して、北朝鮮が如何にして作られ、今日に至ったかを余すところなく明らかにしている。610頁2巻という大分量ではあるが、読みやすい文体で、しかも尽きることのない興味ある事件、事実の連続で、読者は時間を忘れてしまうだろう。
目次
[下巻目次]
19 疲弊しきった国民——北朝鮮再訪(一)
20 猛スピードの建造——北朝鮮再訪(二)
21 「新しき人」——思想教育はどこまで有効か
22 シベリア伐採場——祖国への見方が変わる
23 その身にふりかかった不運——亡命者、朴秀賢の証言
24 北朝鮮の怯え——第一次核危機
25 おれが死ぬなら、お前も死ぬ——亡命者、金正敏の証言
26 母国に円を送る——ある在日朝鮮人
27 誘惑の風が吹いても——北朝鮮再々訪(1992年)
28 火の海——第二次核危機
29 あなたなくして国はない——指導権の世襲
30 弾丸となり、爆弾となり——兵士と闘争精神
31 クーデター未遂事件——頻繁に起きる反体制活動
32 苦難の行軍のとき——飢餓
33 ぜいたく三昧に暮らす売国奴も——企業家、交易者
34 収容所の真実——体制の敵を待つ
35 北朝鮮版、朴正き——経済改革の模索(二〇〇〇年)
36 先軍政治——社会主義から民族主義へ
37 後継者問題——息子にできなければ孫に
エピローグ 平壌二〇〇五年十月
注
謝辞
索引
訳者からひと言
アメリカで絶賛された本——高山秀子