紹介
山梨県東部、上野原、大月市を東西に貫くJR中央線沿線の南北には、権現山、扇山、倉岳山、高柄山などの首都圏のハイカーに人気の高い山々が連なっている。
三頭山から高尾、陣馬へと連なる長大な笹尾根は、起伏も穏やかで歩き易く、ハイカー、ランナーに親しまれているが、その南北には、古くからの峠道が幾重にも越えており、それらを辿れば、味わい深い登山を楽しむ事が出来る。
大菩薩嶺から東へ派生する尾根は、権現山へ至ったのち二つに分かれて、扇山方面、雨降山、要害山方面へと連なり、桂川の河岸段丘に没している。これらは本図の中核を成す人気のある山域である。
中央線の南には、、九鬼山から始まり、倉岳山、高柄山と繋がる長大な秋山山稜が横たわり、各山に沿線各駅から直接アプローチできることもあり、多くの登山者に愛好されている。
かつての秋山村と道志村に挟まれた道志山塊は、山中湖から御正体山を経て本図域内の菜畑山、赤鞍ヶ岳、厳道峠へと連なっていて、山深さを味わう事が出来る。
これらのピークからは、秀麗な富士山の姿をを真近から望むことができるものも多く、このエリア最大の魅力であるとも云える。
また、本図収録の山梨東部エリアは中世以来、甲斐郡内とも呼ばれていて、戦国期は武田方、小山田氏により支配され、合戦の際に戦況を伝達する為の狼煙台があった御前山と呼ばれるピークが多く残っている事等、歴史の浪漫を感じる事が出来るエリアでである。
地図作成のための踏査は2015年5月から2017年9月まで行い、GPS(地球測位システム)を活用して正確なコースを割り出し、回転式距離計で地点間の距離を計測、記入した。
前書きなど
「首都圏登山詳細図シリーズ」は2011年3月初版の「高尾山登山詳細図」から始まり、現在までに7作品、合計120,000冊を発行(重版含めて)。山登りをする人たちの定番のシリーズとなっています。
「山梨東部の山 登山詳細図/東編」は、「高尾山登山詳細図」エリアの西方、「東、西丹沢詳細図」の北方、「奥多摩登山詳細図/西編」の南方という正に現シリーズ各作品に囲まれるように位置するエリアを、東西に分割しての2作品の製作するうちの東編です。