紹介
ベトナムの魅力は良くも悪くも〝人〟ではないでしょうか。ドイモイの明るい面ばかりが言われる中、著者の興味は容易に変わらない現実にとまどいながら生きる「発展とは無縁の人たち」です。川を隔てて貧富の差の著しいサイゴン川沿いの住人、仏印時代を経て日本軍の侵攻、ベトナム戦争、中越戦争と歴史の大事件を体験してきた辺境の老人、開発と保護の間に揺れるマングローブを中心とした水辺の人々、ドイモイの世に国を捨てようとする難民、団結とネットワークを武器に成功を収める華人…。北は中国国境から南はカンボジアに近いフーコック島までベトナム人と「とことん付き合う」をモットーに続けた長年の取材が本になりました。ベトナム人の素顔をとらえた写真ページも豊富です。
目次
★ハノイ
サウ・ラム 最低だ
ベトナム語の先生
「うず潮」と主婦
人間市場
★北の国境
国境のエリート
サパの老人
チャーコーの海岸物語
ハノイホテル
★メコンデルタ
メコンデルタの女神
ライさんの家
バナナと肉まん
南の島の芳香
★サイゴン
路地裏の少年
「挽歌」を聴いた夜
チョロン
北からやってきた通訳
★再び北へ
難民の夢
タクシー・大学・株式会社
木を植えた人
元兵士と偉人の孫
ヴィンのクリスマス、ハノイの大晦日
【ベトナム・グラフィティイ】シクロの男たち★少数民族の貌★メコンデルタの女神★予感する世代