紹介
絵の中に文字を表す「文字絵」。
たとえば、有名な「へのへのもへじ」では、文字の形が顔の要素をかたどっています。
本書は、そのような文字絵に川柳、狂歌、短歌などを添えた、
十返舎一九の滑稽本『文字の知画』(もんじのちえ)を現代語読みにしました。
一九の綴った言葉への見解を交えて、わかりやすく解説しています。
時は今から200年ほど前、
登場人物は、江戸の町で働く商人や町人を中心に、
花街の人々や旅人、武士、また町中をあてもなく彷徨う者など、
老若男女総勢41人に犬1匹。
彼らのよもやま話や尾籠な話、その悲喜こもごもに、
現代に生きる私たちはギョッとしたり苦笑したり、
時に微笑ましく感じたりするかもしれません。
一九が見つめた「江戸の市井の笑い」が垣間見える1冊です。
目次
文字が戯れ、言葉が哄笑する — 解題に代えて
1 御れい申候
2 まんざい(漫才)
3 さいぞう(才蔵)
4 とりおい(鳥追い)
5 むすめ(娘)
〔コラム〕移り変わる仮名
6 だいく(大工)
7 こめや(米屋)
8 をけ(桶)
9 かさや(傘屋)
10 はんだ(半田)
11 たゝみや(畳屋)
12 ほんや(本屋)
13 さむらひ(侍)
14 あんま(按摩)
15 いぬ(犬)
16 めしもり(飯盛り)
17 たびうと(旅人)
18 くも(雲助)
〔コラム〕江戸の本はパソコンで読む
19 あねさん
20 をりすけ
21 すし
22 そば
23 めかけ
24 ゐんきょ
25 うらない
26 うゑき
〔コラム〕文字で絵を描くこと
27 かりうど
28 つり
29 をどり
30 こんりう
〔コラム〕十返舎一九とその自画像
31 げいしゃ
32 だいじん
33 よびだし
34 かむろ
35 ひやかし
36 はなし
37 ちやし
38 けん
39 いかけ
40 たびや
41 さふらい
42 やつこ
版元・甘泉堂の口上
作者・十返舎一九の口上
おわりに