目次
プロローグ──〈沈黙〉という問題領域(プロブレマティーク)
第1章 序 論──透明人間の声を聴く
1.本書の目的──「サイレント・アイヌ」の世界を/から問う
2.本書の構成
3.調査の概要
第2章 他者表象の死角と沈黙
1.ポストモダンの人類学とポストコロニアル論
2.サバルタン論
3.分類理論
第3章 自伝的民族誌(オートエスノグラフィー)の方法論
1.ライフヒストリーとライフストーリー
2.自伝的民族誌(オートエスノグラフィー)
3.中動態理論と当事者研究
第4章 家族史(ファミリーヒストリー)──もうひとつのポストコロニアル状況
1.つ る──アイヌプリから日本社会への編入
2.ツヤコ──〈日本人〉へ
3.イツ子──引き裂かれる自己
第5章 真 衣──「サイレント・アイヌ」の物語
1.出自に向き合う通過儀礼──〈分離〉
2.存在の透明化と声の喪失──〈過渡〉
3.混沌(カオス)を生きる──〈再統合〉
第6章 現代アイヌ民族概論
1.現代アイヌ民族を取り巻く状況
2.「アイヌ民族」の名づけと名乗り
3.20世紀初頭の「アイヌ民族」
4.第二次世界大戦後──「少数民族」から「先住民族」へ
5.自己表象の分析
第7章 結 論
1.「目覚めを待つもの」とdecolonization──脱植民地化
2.自伝的民族誌(オートエスノグラフィー)が照らす世界
3.サバルタンの生成論理
4.光と闇
エピローグ──〈沈黙〉という希望=創造=暴力
参照文献
謝辞(博士学位論文)
あとがき
事項索引
人名索引