目次
第2版への序
凡 例
略語表
序 章 ヨーロッパ統合の歴史
—— 視座と構成
1 はじめに
2 なぜヨーロッパ統合史なのか
3 どのような視座に立つか
4 本書の射程
5 本書の構成
第1章 ヨーロッパ統合の前史
1 はじめに ——「ヨーロッパ」の自画像
2 古代・中世と「ヨーロッパ」意識
3 近代の幕開けとヨーロッパ構想
4 「長い19世紀」とヨーロッパ統合
5 おわりに
第2章 ヨーロッパ統合の胎動
—— 戦間期広域秩序論から戦後構想へ
Ⅰ 戦間期におけるヨーロッパ広域秩序再編構想
1 はじめに
2 「相互依存」とヨーロッパ域内行政協力の進展
3 第一次世界大戦の衝撃
4 大陸ヨーロッパ経済の再編
—— ナウマンの『中欧論』、ルシュール、マイリシュ
5 クーデンホーフ・カレルギーとブリアン
6 ファシズムのヨーロッパ、ナチズムのヨーロッパ、「グレイ・ゾーン」の
ヨーロッパ
7 戦間期のアポリア
Ⅱ 戦後構想とヨーロッパ運動
8 第二次世界大戦中の戦後秩序の模索
9 「解放」後 —— 戦後秩序の黎明期
10 おわりに —— ヨーロッパ統合構想における「断絶」と「連続」
第3章 ヨーロッパ統合の生成 1947-50年
—— 冷戦・分断・統合
1 はじめに
2 マーシャル・プラン —— 経済統合と冷戦の始まり
3 「ヨーロッパの春」—— ハーグ・ヨーロッパ会議
4 ドイツ問題の隘路
5 英仏主導のヨーロッパの模索と挫折
6 欧州審議会
7 北大西洋条約とドイツ再軍備問題の浮上
8 おわりに
第4章 シューマン・プランからローマ条約へ 1950-58年
—— EC-NATO-CE 体制の成立
1 はじめに
2 シューマン・プランとヨーロッパ統合の発展
3 政治統合の蹉跌 —— イーデン・プラン、EDC、EPC
4 パリ条約からローマ条約へ
5 マクミランの挑戦
6 おわりに
第5章 EEC の定着と大西洋同盟の動揺 1958-69年
1 はじめに —— ヨーロッパ統合史のなかの60年代
2 ヨーロッパ統合の新しいダイナミズムの登場
3 大西洋同盟の動揺
4 共同体の危機と経済統合の深化
5 おわりに
第6章 デタントと危機のなかの EC 1969-79年
—— ハーグから新冷戦へ
1 はじめに
2 ポスト・ハーグの統合過程とデタントの進展
3 EC-NATO 体制の変容
4 ヨーロッパ統合の停滞と再生の試み
5 「静かなる革命」
6 おわりに
第7章 ヨーロッパ統合の再活性化 1979-91年
1 はじめに —— 長い80年代と短い80年代
2 欧州悲観主義の時代
3 政治的イニシアティブ
4 方法的革新およびイデオロギー的収斂
—— 相互承認の原則とミッテラン政権のUターン
5 「1992年ブーム」—— 単一欧州議定書からドロール・パッケージまで
6 通貨統合の胎動
7 東欧革命とドイツ統一 ——「EU-NATO-CE 体制」の動揺
8 マーストリヒト条約
9 おわりに
第8章 冷戦後のヨーロッパ統合 1992-98年
1 はじめに —— 1990年代という時代
2 「最悪の年(Annus Horribilis)」(1992年)
——マーストリヒト批准過程における混迷
3 「民主主義の赤字」論
4 単一通貨「ユーロ」への道
5 「ドロール白書」—— 新自由主義の時代における社会的イニシアティブ
6 アムステルダム条約
7 域外関係の変化と共通外交安全保障政策
8 東方拡大へ
9 「やわらかい統合」
10 おわりに
第9章 2000年代の欧州統合
—— ユーロの誕生からリスボン条約まで
1 はじめに
2 新たな秩序形成主体としての EU
3 ポスト 9・11 の世界秩序に戸惑うヨーロッパ
4 欧州憲法条約の不成立 —— 統合の論理の破綻
第10章 複合危機の2010-20年代
—— ユーロ危機からウクライナ戦争まで
1 はじめに
2 ユーロ危機
3 難民危機とテロリズム —— シェンゲンの綻び
4 ブレグジット
5 ポピュリズムの興隆
6 規制帝国=EU のゆくえ
7 アメリカの変調 —— 大西洋同盟、米中対立、経済安全保障
8 コロナ危機と復興基金
9 ロシア=ウクライナ戦争 ——「ヨーロッパ」の戦争
終 章 ヨーロッパ統合とは何だったのか
—— 展望と含意
1 何をどのように明らかにしようとしたのか
2 EU-NATO-CE 体制の成立、変容、終焉、そして(一時的)再生
3 帝国アメリカを抱きしめて
4 主権を超えて? —— 国民国家と EU との関係
5 「ステルスのヨーロッパ」—— 統合の機能的手法とその問題点
6 失われた「ヨーロッパ」を求めて —— 理念と機能の多元化
7 結語 —— 地域統合はどこに行くのか
付 図
ヨーロッパ統合史略年表
参考文献
史料一覧
初版あとがき
第2版あとがき
索 引