目次
プロローグ なぜ経済史を学ぶのか
Ⅰ 通史編
第1章 東西文明の興隆
—— ローカル・ヒストリーの時代
1.古代文明の農耕水準
2.古代地域国家の経済制度
3.民族移動と経済制度の変質
解説Ⅰ-1 カール・ポランニーと経済人類学
第2章 東西世界の対決と交流
—— ローカル・ヒストリーからインターリージョナル・ヒストリーへ
1.隋唐王朝の「世界帝国」化
2.イスラームの誕生と拡大
3.ゲルマン人国家とキリスト教社会
4.東アジア・西アジア・ヨーロッパ諸勢力の対決と交流
解説Ⅰ-2 マルク・ブロックと社会史
解説Ⅰ-3 アジア交易圏論
第3章 東西世界の融合
—— インターリージョナル・ヒストリーの時代
1.東の世界の商業発達
2.西の世界の商業発達
3.アジア近世帝国の時代
4.ヨーロッパ近世王国の時代
解説Ⅰ-4 フランクのアジアに対する眼差し
解説Ⅰ-5 フェルナン・ブローデルと全体史
第4章 資本主義の生成と「近代」社会の登場
—— ナショナル・ヒストリーの勃興
1.前近代の市場経済と近代の市場経済
2.近代国家と資本主義の歴史的前提の東西比較
3.封建制の崩壊と資本主義の生成
4.産業革命と「近代」社会の登場
解説Ⅰ-6 ドッブ-スウィージー論争とプロト工業化論
解説Ⅰ-7 マックス・ウェーバーと大塚史学
第5章 資本主義による世界の再編成
—— ナショナル・ヒストリーからインターナショナル・ヒストリーへ
1.海を基軸とした経済圏
2.ヨーロッパ・大西洋経済圏
3.西アジア・インド洋経済圏
4.東アジア・太平洋経済圏
5.生産・流通面から見た近代資本主義
解説Ⅰ-8 ロストウ/クズネッツの経済発展論
解説Ⅰ-9 ガーシェンクロンとアジアの工業化
解説Ⅰ-10 カール・マルクスと日本資本主義論争
第6章 資本主義世界経済体制の転回
—— インターナショナル・ヒストリーの時代
1.19世紀末ヨーロッパ大不況とアジアの産業化
2.世界経済の不均衡と帝国主義
3.第一次世界大戦後の世界経済
4.資本主義世界の恐慌とソ連経済の推移
解説Ⅰ-11 古典的帝国主義論と自由貿易帝国主義論
解説Ⅰ-12 社会主義計画経済システムの諸特徴
第7章 第二次世界大戦後の経済社会の展開
—— インターナショナル・ヒストリーからトランスナショナル・ヒストリーへ
1.戦後経済体制の確立
2.高度成長時代の展開と南北・南南格差の拡大
3.低成長時代の到来と環境問題の表出
4.転換期世界経済の実相
解説Ⅰ-13 南北問題
Ⅱ テーマ編
第8章 市場経済の拡張とその限界
——- 経済・経営活動の世界化
はじめに
1.ヒトの移動と経済圏の拡大
2.モノの移動と交易圏の拡大
3.カネの移動と世界化の限界
おわりに
解説Ⅱ-1 ジェントルマン資本主義とアジアの資本主義
第9章 信用システムの生成と展開
——- 経済活動と金融
はじめに
1.信用貨幣の発展 —— 貨幣取扱業者から銀行へ
2.中央銀行の生成と金融政策の形成
3.手形交換制度の生成 —— 預金通貨と信用創造
4.国際通貨制度の展開
おわりに —— 変動相場制下の金融肥大化
解説Ⅱ-2 スーザン・ストレンジのカジノ資本主義論
第10章 市場の発達とその応用
——- 経営活動の組織化
はじめに
1.上下関係の強い経営組織
2.比較的平等な経営組織
3.経営組織間のネットワーク
おわりに
解説Ⅱ-3 チャンドラーとシュンペーター
第11章 市場の失敗とその克服
——- 経済活動の秩序化
はじめに
1.生産面での経済活動の制約
2.流通面での経済活動の制約
3.大量消費と現代社会の環境問題
おわりに
解説Ⅱ-4 ノースとウィリアムソン
第12章 近現代市場経済の諸問題と国家介入
—— 経済活動と国家
はじめに
1.自由主義経済秩序と国家
2.市場の調整(コーディネーション)と国家
おわりに —— 規制と規制緩和
解説Ⅱ-5 ケインズとハイエク
第13章 福祉のコーディネーションと社会経済
—— 経済活動と福祉社会
はじめに
1.社会保障の諸領域と諸原則
2.近代的経済社会の生成と社会福祉
—— 自由主義的経済秩序観と社会福祉
おわりに —— 社会的共同性と福祉社会の展望
解説Ⅱ-6 イギリス福祉史研究の諸潮流
解説Ⅱ-7 アジア社会福祉研究の諸潮流
第14章 経済史認識の展開と現代
はじめに
1.経済学の歴史への応用と経営史学の誕生
2.アナール派社会経済史から世界システム論へ
3.現代の社会経済史学界の諸潮流
おわりに —— 21世紀に向けての論点
解説Ⅱ-8 世界システム論からグローバル・ヒストリーへ