目次
序 章
1 森の世界で進行する変容
2 中央アフリカの森の民「ピグミー」
3 熱帯雨林保護と先住民
4 森の目から世界を問う——本書の構成
(1)3つの生態学
(2)本書の構成
第1章 人類学から地域研究へ
1 旅への誘い——人類学を志す
2 生態人類学を選ぶ——最初のフィールドワーク
3 アフリカでの人類学的調査——イトゥリの森へ
4 ムブティに関する先行研究と当初の調査
5 人類学から民族誌,地域研究へ
6 地球環境問題への関心
第2章 熱帯雨林保護と先住民問題
——世界銀行の森林制度改革援助事業の査閲活動から
1 世界銀行インスペクション・パネルからの要請
2 査閲活動の開始
3 現地での実態調査
4 査閲報告(案)の概要
(1)和平合意直後の森林をめぐる状況と世銀の援助事業
(2)先住民からの訴えと世銀事業査閲の要請
(3)新しい森林法とそれに基づく世銀事業の問題点
(4)伐採に替わる道——森林制度改革と貧困削減
5 査閲委員会の報告とその後の経過
6 熱帯雨林と先住民をめぐる動き
(1)熱帯雨林保護の仕組み
(2)先住民=森の民の問題
(3)アフリカの先住民とは
第3章 森と人の共存世界
1 現代の環境問題と「無限の自然」観
2 人為による植生の改良
3 熱帯雨林域で進む開発と紛争
4 森林の多様性に依存した文化——文化生態学
5 森林環境に対する人為の影響——歴史生態学
(1)二次林環境に多い野生食用植物
(2)ワイルドヤム・クウェスチョン——二次林環境の再評価
(3)アフリカ森林帯における人為植生の例
(4)イトゥリの森における長期的な植生遷移
6 二元論的自然観にもとづく自然保護
7 共存世界の危機とそれへの対処——政治生態学
第4章 ブッシュミート問題と森林法
1 ブッシュミート流通の拡大
2 アフリカにおける野生ブッシュミートの利用
(1)タンパク源としての重要性
(2)ブッシュミートに対する文化的意味づけ
3 ブッシュミート取引の拡大とその影響
——コンゴ民主共和国とカメルーン
(1)狩猟産物の商品化
(2)ブッシュミート交易の開始と拡大
(3)経済危機の影響——カメルーンの場合
4 ブッシュミート問題への対処と保護政策——カメルーンの場合
(1)熱帯雨林の危機と新しい自然保護の必要性
(2)森林法による土地利用区分
(3)狩猟規制と地域住民の生活
5 持続的利用に向けて
第5章 非木材森林資源の持続的利用
——カメルーンにおける新しい試み
1 カメルーンでの調査に着手
2 カメルーンの森林事情
3 SATREPSプロジェクト
4 調査地と基地の建設5
5 調査の成果(1)——NTFPsの利用
(1)焼畑農耕の持続性
(2)植生調査の結果
(3)非木材森林資源の分布
(4)NTFPsの生産量と収穫量
(5)NTFPsの生計及び世帯収入における重要性
(6)NTFPsの商業化をめぐる社会的問題
6 調査の成果(2)——持続的狩猟の可能性
(1)動物の調査と商業的狩猟の影響
(2)捕獲構成種の変化
7 資源の持続性を支える社会システム
8 プロジェクトの成果とその位置づけ
第6章 狩猟採集民の生き方と現代社会
1 「現在に向けられた関心」
2 狩猟採集民の窮乏化
3 不安定な国民経済と安定した物々交換
4 物々交換の意味
5 新しい経済機会の陥穽
参考文献
あとがき
索引