目次
はじめに
序章 トラウマを共有する [田中雅一・松嶋 健]
第I部 語る・聴く
第1章 トラウマと歓待
——ホロコースト生存者の声を聴くことと当事者性 [小田博志]
第2章 戦争・紛争体験の語りにおける笑いとユーモア [酒井朋子]
第3章 癒えることのない傷の語りに向き合うこと [三田 牧]
第4章 恐怖と屈辱の山渓を越えて
——「インドネシアの歴史的トラウマ」と辺境地個人の経験の語り
[青木恵理子]
第5章 パレスチナ問題における承認と和解
——集合的トラウマをめぐるポリティクス
[マヤ・カハノフ(中屋敷千尋 訳)]
第II部 伝える・戸惑う
第6章 ナショナルな歴史経験とトラウマ
——先住民への謝罪と和解 [窪田幸子]
第7章 日本占領下の記憶とトラウマ
——インドネシア西カリマンタン州における語りと表象
[冨田 暁]
第8章 トラウマの解体に抗して
——在日コリアンのアイデンティティ再構築と拡散 [岡田浩樹]
第9章 自伝的文学から考える加害トラウマ
——ジョージ・オーウェルの場合 [北岡一弘]
第10章 民主カンプチア時代の記憶と死者
——カンボジア北西部村落部の事例から [武田龍樹]
第11章 トラウマ・臨床・和解のプロセス
——ジェノサイドを経験したカンボジア人を事例に [吉田尚史]
第12章 化学兵器をめぐる戦争文化
——一九一五年以降の展開
[アナ・カーデン=コイン(野村亜矢香 訳)]
コラム 「ランペドゥーサの悲劇」後の苦難 [藤原久仁子]
第III部 感染る・継承する
第13章 家族-国家日本の殖民暴力とトラウマ]
——脱殖民化と「他人事でなくなること」 [中村 平]
第14章 原爆・植民地支配・戦後放置
——幾重もの「トラウマ」を生きる在韓被爆者 [松田素二]
第15章 コンバット・ストレスの様相
——シェル・ショックから二次トラウマへ [福浦厚子]
第16章 世代横断的トラウマとショアの記憶 [ニコラ・タジャン]
第17章 サバイバーの子どもたちとホロコースト
——ホロコースト博物館展示ガイドへの聞き取り調査から
[兼清順子]
第18章 二次トラウマと感情労働
——アウシュヴィッツのガイドたちの語りをめぐって
[田中雅一]
索 引