目次
第1部 クローチェの美学理論と文芸批評
第1章 ポスト・クローチェ主義に向けて——クローチェ美学の研究史
1. クローチェ死後のクローチェ受容
2. 現在にいたるクローチェ研究の歩み
3. 戦前戦後の日本におけるクローチェ受容
4. クローチェ美学と日本(と日本文学)
5. 研究史から見る本書の意義
第2章 クローチェの美学理論の発展について
1. クローチェ思想全体における美学の位置づけ
2. 最初の理論書——「芸術─歴史」論文
3. クローチェ美学の基礎——『美学』
4. 第1の「補足」——「純粋直観」論文
5. 芸術とは何か——『美学入門』
6. 第2の「補足」——「芸術の全体性」論文
7. 芸術を問い直す——『美学要諦』
8. クローチェ美学の完成——『詩について』
まとめ
第3章 文芸批評家としてのクローチェ
1. 学者としてのキャリアのスタート
2. 『クリティカ』誌創刊、批評活動の本格化(1903-1914)
3. 西洋の古今の作家を論じる時期(1915-1924)
4. バロック期と14-15世紀のイタリア文学を論じる(1925-1933)
5. イタリア現代文学と西洋の古今の作家を論じる(1934-1944)
6. 最晩年(1945-1952)
まとめ
第2部 クローチェと世紀転換期のイタリア文学
第4章 19世紀後半のイタリア文学に関する連載とカルドゥッチ論
1. 『美学』と連載「19世紀後半のイタリア文学についての覚書」
2. 既存の研究の見解と本書の独自性
3. 連載におけるカルドゥッチ論の特殊性
4. 「ジョズエ・カルドゥッチ」と「カルドゥッチ研究」の相違
5. 「カルドゥッチ研究」執筆にいたるまでのクローチェの美学理論の発展
6. 「カルドゥッチ研究」における《新理論》の応用
7. カルドゥッチの死とそれに対するクローチェの反応
まとめ
コラム1 カルドゥッチ「聖グイード祈祷所の前で」——イタリア詩を原文で味わう
第5章 クローチェのダンヌンツィオ批評
1. 1904年までの変遷——「ガブリエーレ・ダンヌンツィオ」まで
2. 1907年以降の変遜
3. 先行研究(サイナーティ、プッポ、コンティーニ)における議論
4. プピーノの見解とその問題点
5. 個々のダンヌンツィオ作品の評価とカプアーナ宛書簡
6. 「ガブリエーレ・ダンヌンツィオ」再考
7. 1904年以降のダンヌンツィオ作品とクローチェの評価
まとめ
コラム2 ダンヌンツィオ「フィエーゾレの夕暮れ」——詩の伝統を崩した詩
第6章 クローチェと「最近のイタリア文学」
1. 1903-1907年のクローチェの文芸批評
2. フォガッツァーロ論とダンヌンツィオ論
3. パスコリ論前編——「不思議な印象」
4. パスコリ論後編——詩の「断片性」
5. 「最近の伊文学」論文再考——「若者たち」へのメッセージ
6. ダンヌンツィオのエピゴーネンと黄昏派の登場
7. ガエータ(とゴッツァーノ)
8. 各評論の改稿について
まとめ
コラム3 パスコリ「対話」——意昧から音へ
第2部を終えるにあたって
第3部 クローチェ美学の再解釈を目指して
第7章 「詩」と「詩にあらざるもの」
1. 「美学」から「詩学」へ
2. 『美学入門』と『美学要諦』
3. 芸術の「全体性」と感情の直接的な表現
4. 芸術のジャンル分けに関する議論
5. 「詩」と「芸術」
6. 『詩と詩にあらざるもの』のクロノロジー
7. アルフィエーリ論から1918年3月まで
8. 1921年7月からレオパルディ論まで
まとめ
コラム4 マリネッティ「未来派マーチ」——伝統を破壊する
第8章 クローチェの美学思想における倫理の位置づけ
1. クローチェ美学の《変遷》に関する当人の見解
2. コンティーニ—サッソ論争
3. プッポ—オルシーニの解釈
4. 断片を統合するものとしての「倫理性」
5. 初期クローチェ美学における「倫理」と「芸術」
6. 「誠実」と「倫理」
7. 同時代文学との関係
8. 『美学』における倫理の位置づけ
まとめ
第3部を終えるにあたって
むすびにかえて
補遺1 同時代のイタリア詩人たち
1. カルドゥッチの生涯
2. カルドゥッチの作品
3. パスコリの生涯
4. パスコリの作品
5. ダンヌンツィオの生涯
6. ダンヌンツィオの作品
補遺2 クローチェの文芸批評の翻訳
1. 「ジョズエ・カルドゥッチ」
2. 「ガプリエーレ・ダンヌンツィオ」
3. 「ジョヴァンニ・パスコリ」
4. 「カルドゥッチ研究」
参考文献一覧
初出一覧
あとがき
索引
Abstract (The Philosophy of Poetry: Benedetto Croce and Italian Decadentism)
Ringraziamenti