目次
序章 本書の課題と問題意識
第1節 課題の設定
第2節 空間構造の概念と本研究の方法
第3節 本書の構成
第1部 フードシステムの空間構造論の理論的枠組み
第1章 フードシステムの空間構造論の展開
第1節 本章の課題
第2節 政治経済学的方法論の導入と農業の産業化論
(1)ミクロ経済的農業の産業化論
(2)マクロ経済的農業の産業化論
第3節 フードレジーム論の展開
(1)フードレジームの概念
(2)フードレジーム論への批判と多元化
第4節 商品連鎖論の展開
第5節 小括
第2章 グローバル化に対抗する空間論の展開
第1節 本章の課題
第2節 グローバル化と日本の農業地域構造
(1)産地間競争と地域構造論
(2)グローバル化による農業地域への影響
第3節 グローバル化に対抗するための空間論の理論的枠組み
(1)オルタナティブ・フード・ネットワーク
(2)地域農産物のブランド化
(3)品質の形成—コンヴァンシオン・政治・文化的回転
第4節 小括
第2部 グローバル化時代におけるフードシステムの空間構造
第3章 野菜・果物貿易の拡大と空間的流動パターン
第1節 フードレジームの構造変化と本章の課題
第2節 資料と分析方法
第3節 世界の野菜・果物貿易拡大
(1)野菜・果物貿易の重要性
(2)品目別の貿易量
(3)国別の野菜・果物貿易の動向
第4節 野菜・果物貿易の流動パターン
(1)因子の抽出
(2)野菜貿易の流動パターン
(3)果物貿易の流動パターン
第5節 小括
第4章 農産物輸出国におけるフードシステムの空間構造の変動
第1節 本章の課題
第2節 アメリカ合衆国におけるりんごの需給と生産動向
(1)アメリカ合衆国のりんごの消費形態
(2)りんご貿易の動向
(3)ワシントン州のりんご産業の展開とりんご生産地域の集中化
第3節 りんごをめぐるアメリカ合衆国の国際関係
(1)メキシコとの関係
(2)日本との関係
(3)中国との関係
第4節 ワシントン州のりんご生産の変化
第5節 小括
第5章 農産物輸入国におけるフードシステムの空間構造の変動
第1節 本章の課題
第2節 農業生産の空間構造の変動
第3節 日本における野菜輸入の増加と立地移動
(1)野菜輸入の概況
(2)かぼちゃ産地の立地移動
第4節 野菜産地の存続過程の地域比較
(1)産地の発展過程
(2)生産流通の現状
(3)作目の収益性
(4)農業経営の方向性
第5節 小括
第3部 グローバル化への対抗戦略と課題
第6章 量産型産地の対抗戦略の実態と課題
第1節 本章の課題
第2節 八代地域におけるトマト産地の形成
(1)八代トマト産地の位置づけ
(2)トマト産地の形成過程
第3節 近年における産地拡大の背景・要因
(1)い草からトマトへのシフト
(2)施設の更新・導入
(3)選果場の建設
第4節 トマト輸入の推移と八代産地への影響
第5節 ブランド確立のための取り組み
(1)減農薬栽培の取り組み
(2)広報・宣伝活動
第6節 小括
第7章 ニッチ型産地の対抗戦略の実態と課題
第1節 本章の課題
第2節 枝豆の生産・流通の推移
(1)生鮮国産枝豆と輸入冷凍枝豆の市場構造
(2)枝豆産地の立地移動
第3節 鶴岡市における枝豆産地の形成と産地発展の要因
(1)枝豆産地の形成過程とその背景
(2)差別化商品としての生産・販売戦略
第4章 集落営農による生産の有利性
(1)事例集落営農の設立過程
(2)事例集落営農の生産体制
(3)集落営農化による収益性の検討
第5節 小括
第8章 ブランド化のための品質概念と制度の重要性
第1節 本章の課題
第2節 「夕張メロン」のブランド化の過程
(1)産地形成と流通の現状
(2)「夕張メロン」の高品質化とコンヴァンシオンによる調整
第3節 地名の価値と地理的表示
第4節 地理的表示に関する制度の現段階と課題
(1)日本における地理的表示に関する法制度
(2)商標登録による産地ブランド保護の限界
第5節 小括
終章 空間構造変動と産地振興の課題
第1節 はじめに
第2節 グローバルレベルにおけるフードシステムの空間構造
第3節 グローバル化に伴う立地論的な空間構造
第4節 農産物のブランド化と日本における品質概念
第5節 低コスト化による産地存続
第6節 フードシステムにおけるローカル性と制度
第7節 おわりに
参考文献
あとがき