目次
『国際機関のリーガル・アドバイザー ― 国際枠組みを動かすプロフェッショナルの世界』
吉田晶子 著
【目 次】
まえがき
◆第Ⅰ部 国際油濁補償基金(IOPCF)のリーガル・カウンセル
◇ 1 国際油濁補償基金制度
国際機関で働くことになった経緯/国際油濁補償基金制度の概要/基金のガバナンス
◇ 2 Job Description――基金のリーガル・カウンセルの仕事
リーガル・カウンセルのJob Description/国際機関の働き方/会議対応/翻訳に伴う諸問題/基金事務局の同僚たち/
【エピソード】ヨーロッパとアジア/査定と賠償/加盟国代表たち/
仕事のカウンターパートたち/休日の過ごし方/【エピソード】ヨーロッパ文化と日本文化
◇ 3 加盟国の条約履行支援
条約を縦にする/国際賠償保障制度の国内法化/拠出金の徴収/国際法の機能と限界/条約の履行義務――国際法と国内法が交差する世界
◇ 4 基金のリスク・マネジメント
国際機関のリスク・マネジメント/基金のリスク・マネジメント
◇ 5 国際油濁補償基金の清算
古い基金を清算する/清算にあたっての課題と有識者チームの発足/国際機関清算の前例探し/係争事案の完了/
未収拠出金の整理/保険会社による基金の提訴/国際法上の課題/基金の解散の決定/
【エピソード】根回し/長い清算プロセスの終了/基金の解散過程を振りかえって
◆第Ⅱ部 リーガル・アドバイザーという仕事
◇ 6 リーガル・アドバイザーという仕事
BBCのドラマ/FCOのリーガル・アドバイザー/国際機関のリーガル・アドバイザー/条約作成のプロセス/
国際枠組みを作る――条約と議会
◇ 7 Lingua Franca――国際機関の言語問題
Official LanguageとWorking Language/【エピソード】Second Language Tube Map/英語の語源/日本語で打つパソコン
◇ 8 国際法律事務所の世界
国際法律事務所の世界/Law SchoolとBar Exam――アメリカン・ロイヤー/抵触法の世界/
【エピソード】LexisNexisとButterworth/合衆国憲法と独立宣言/BarristerとSolicitor――イギリスの法曹資格/
【エピソード】女性の社会進出と出産・子育ての両立
◆第Ⅲ部 外航海運の世界と国際法
◇ 9 国連海洋法条約(UNCLOS)と国際海事機関(IMO)
国連海洋法条約(UNCLOS)――海の上の地図/旗国主義の原則と便宜置籍/外航海運と国際海事機関(IMO)/外航海運マフィアの世界
◇ 10 海洋安全保障と国際法
海事セキュリティ条約/国連安保理による制裁決議/核開発疑惑に関する金融制裁/制裁法案/【エピソード】同僚の自動車を売る外交官/
エネルギー資源輸送とシーレーンの確保/アデン湾における海賊問題――普遍的管轄権の行使による違法行為の抑止/
南シナ海仲裁裁判――国際法上の紛争解決手段/南シナ海仲裁裁判の意義と影響/国際裁判の管轄権と判決履行確保/
履行強制力のない世界/国際裁判のプレイヤーたち
◆第Ⅳ部 地球の裏側から見た国際社会
◇ 11 地球の裏側から見た国際社会
紛争地域出身の同僚――世界一安全な国から来た自分/米国同時多発テロ事件とNSA/CCTVとGCHQ/Chatham House――英国外交のシンクタンク
◇ 12 The Remains of the day――経済的影響力を増す新興国、疲弊する西側先進国
大英帝国の日の名残り/経済的影響力を増す新興国、疲弊する西側先進国/開発と経済安全保障――一帯一路とインフラシステム海外展開/
開放性ネットワークの濫用と外部環境依存のリスク/日本で読む世界史とヨーロッパで読む世界史は異なる
◇ 13 デジタル化と英語
初めてのネットサーフィンとCRS/ビッグ・データの可能性/デジタル・マーケティングと民主主義/インターネットと英語
◇ 14 国際機関の理想と現実
加盟国の影響力――拠出金の多寡と発言力/国際機関と日本人職員/【エピソード】国際機関職員の処遇――高学歴で不安定な仕事/
国際機関の誘致/国際枠組みを動かす――日本にとっての国際機関の意義
◇ 15 国際社会と法の支配
・あとがき
参考文献・資料
索引